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SES契約とは|概要やメリット、請負契約・派遣契約との違いを解説

本記事では、SES契約の概要やメリット、「請負契約」や「派遣契約」との違い、契約を結ぶ際の注意点などについて解説します。

1.SES契約とは

まずは、SES契約の概要を見ていきましょう。

概要

SES(システムエンジニアリングサービス)契約とは、システムやソフトウェア、アプリケーション等の開発や運用を委託する業務委託契約の一種です。SES契約は民法上では、「準委任契約」にあたり、請負契約とは異なり、成果物の完成に責任を負う必要がありません。その代わりに、クライアント企業のプロジェクトに一定期間従事するエンジニアを提供します。

2.SESを利用する3つのメリット

次に、SES(システムエンジニアリングサービス)を利用するメリットを3つ紹介します。

①即戦力となるIT人材の安定的な確保

IT業界には、慢性的な人材不足という問題があり、これは、多くの企業を悩ませています。そのような問題の解決策となるのがSESです。SESを利用することで、自社のプロジェクトに必要なスキルセットを持ったエンジニアを一定期間、即座に確保することができます。SESを利用することで、社員の採用活動や、育成にかかる費用や時間を節約することが可能です。

②柔軟な開発体制の構築

しばしば、急な案件や小さなプロジェクトが発生することがあります。その際に、新しく正社員を雇用するのは非常にリスクがあります。日本の法律により、正社員の解雇は簡単ではなく、その後アサインするプロジェクトがなくても、給料を支払い続けなければなりません。そのような場合には、SESの利用をお勧めします。SES契約を結ぶことで、小規模プロジェクトや急な案件において短期間エンジニアを確保することができ、契約期間が終了した時からそれ以降は費用が発生することがありません。

③大幅なコスト削減

これは、弊社(CMC Japan)のように海外にIT人材を多く擁しているオフショア企業とSES契約を結んだ際に享受できる最大のメリットと言えます。CMC Japanにおいては、高いスキルセットを持ったエンジニアを国内企業と比べ、最大50%安く確保することができます。一般的にオフショア企業から人材を迎え入れる際に、「コミュニケーション」が問題としてあげられます。しかし、近年では、N2やN1(日本語能力検定)など高い日本語能力をもったエンジニアが多数在籍しているベンダー企業も多く見受けられるため、時間をかけて比較検討することで、「コミュニケーション」という問題を回避することができます。

3.SES契約と「派遣契約」「請負契約」との違い

SES契約の概要とメリットを理解したところで、よく混同される「派遣契約」や「請負契約」との違いについて確認していきましょう。具体的には、3者における指揮監督権の所在と完成責任という2つの点で比較します。

3.1.指揮命令における「SES契約」「派遣契約」「請負契約」の違い

エンジニアという労働力を依頼先に提供するSES契約はしばしば派遣契約と間違われますが、民法上は準委任契約に該当します。派遣契約において指揮監督権は派遣を依頼したクライアント企業にあるのに対し、SES契約においてはエンジニアを提供したSES企業が指揮命令を行います。請負契約においては、当然ですが、プロジェクトを請け負うベンダー企業に指揮監督権があります。

3.2.「SES契約」「派遣契約」「請負契約」における完成責任の違い

「SES契約」「派遣契約」「請負契約」の3者には上述した指揮監督権における違いの他にも、完成責任の違いという大きな違いがあります。「SES契約」と「派遣契約」はあくまでシステム開発に必要な“労働力”を提供することが求められる契約となります。そのため、成果物の完成に対する責任を負う必要がありません。一方で、「請負契約」は、プロジェクトの完了および成果物の完成が求められる契約となるため、当然完成物に対する責任を負う必要が出てきます。

4.SES契約書を交わす際の注意点

SES契約では、エンジニアが働いた時間に対して対価が支払われます。具体的には、SES契約にかかる費用は期間×単価で算出されます。契約の内容にもよりますが、通常月額単価、日額単価、時間単価のいずれかで費用は算出されます。ここでは、SES契約を結ぶ際の注意点についてご紹介します。

①あくまで労働の提供であることへの理解

上述した通り、SES契約においては、完成物への責任を負う必要がなく、あくまでユーザー企業の開発プロジェクトに対して、人員の提供を約束する契約であり、彼らが作業した時間に対して対価を支払うと認識しなければなりません。

②偽装請負を疑われないように注意する必要がある

この点は、ユーザー企業とベンダー企業の両社が最も注意しなければならない点になります。上述した通り、SES契約における指揮監督権は、ベンダー企業にあり、提供したエンジニアには完成責任がありません。そのため、エンジニアをプロジェクトに迎え入れたユーザー企業が、直接エンジニアに指示を出したり、ベンダー企業がそれを認めたり、完成責任を負わせたりした場合、それは「偽装請負」に該当する可能性があります。そのため、「偽装請負」を避けるためにも、両社において契約内容を十分に確認し、現場レベルで情報を共有し、把握する必要があります。

③コミュニケーションの問題

コミュニケーションはプロジェクトを成功させるための重要な要素と言えます。これは特にオフショア企業とSES契約を結ぶ際に、しばしば発生する問題です。オフショア企業のSESを利用することのコストメリットは上述しましたが、コミュニケーションという壁を乗り越える必要があるということです。国内企業とSES契約を結ぶ際は、通常日本人エンジニアを提供してもらうことになるため、プロジェクトを遂行する上で、日本語によるコミュニケーションにおける問題はあまり発生しないかもしれません。しかし、海外人材を提供するオフショア企業とSES契約を結ぶ場合は、日本語によるコミュニケーションが円滑に行えるかを確認する必要があります。具体的には、日本語能力試験のN1レベルが理想的ですが、少なくともN2の日本語レベルを有するエンジニアが在籍しているオフショア企業と契約を結ぶと良いでしょう。

まとめ

本記事では、SES契約の概要やメリット、「請負契約」や「派遣契約」との違い、契約を結ぶ際の注意点について解説しました。システム開発における人的リソースの安定的な確保はプロジェクトを成功させる上で非常に重要な要素となります。高品質かつ低コストなエンジニアをお求めの企業様は、ぜひCMC Japanのシステムエンジニアリングサービスをご検討ください。CMC Japanはベトナム第2位のICT企業の日本法人であり、2200人以上のエンジニアを擁しており、N2およびN1レベルの日本語能力を兼ね備えたスタッフが在籍しております。貴社のプロジェクトに合わせて、必要なスキルセットを備えた人材を国内企業より安く提供することが可能です。お気軽にお問い合わせください。