【初心者向け】Googleマップにも使われているAjaxとは|できることや活用事例5選
Ajaxというキーワードを聞いて、すぐにピンとくる方はどれくらいいるでしょうか。あまり馴染みがないと感じる方も多いかもしれませんが、みなさんが毎日当たり前のように使用しているGoogle MapsやSlack、Twitter、FacebookにAjaxは広く用いられています。本記事では、そんな身近な存在であるAjaxの概要やAjaxを用いることで実現できること、身近な活用事例5選をご紹介します。
目次
Ajaxとは
Ajax(エイジャックス)とは、「Asynchronous JavaScript and XML」の略であり、今のページを表示したまま、リロードなどをせずにWebサーバ側と通信し、動的にページの一部を変更する手法のことです。(Ajax自体が何かの技術や言語を指すわけではありません。)
従来のWebサイトにアクセスすると、Webブラウザ(Google ChromeやSafariなど)はサーバに要求を送信し、サーバはWebページを表示するために必要なデータを含む応答を返します。通常、このプロセスには完全なページの再読み込みが含まれますが、これは遅く、非効率的であるという欠点があります。
一方、Ajaxを使用すると、ページ全体を更新しなくても、Webページがバックグラウンドでデータを送受信することができます。これは、Webアプリケーションがコンテンツの一部だけを動的に更新し、リアルタイムでユーザーと対話できることを意味します。つまり、アプリケーションにAjaxを使用することで、より動的で効率的かつ快適なユーザー体験を提供できるようになるということです。
Ajaxには、Webページに対話機能と機能を追加するために使用されるプログラミング言語であるJavaScriptと、インターネット上でデータを構造化および転送するために使用されるマークアップ言語であるXMLが用いられます。
Ajaxを使用するWebアプリケーションの例としては、Googleマップ、Facebook、Twitterなどがあります。
Ajaxでできることとは
次に、Ajaxで実現できることをご紹介します。具体的な内容は以下の通りです。
動的なコンテンツの読み込み
Ajaxを使用すると、ページ全体を更新しなくても新しいコンテンツをWebページに読み込むことができます。これにより、ユーザーは中断することなくページを操作し続けることができるため、よりシームレスで効率的なユーザー体験が実現します。たとえば、ニュースWebサイトでは、ユーザーがページを下にスクロールすれば、次の記事をを読み込むことができます。
リアルタイム更新
Ajaxを使用して、Webページのコンテンツをリアルタイムで更新できます。たとえば、チャットウィンドウに新しいメッセージを表示したり、ブログ投稿に新しいコメントが追加されたときに表示したりすることができます。これにより、ユーザーは発生した更新を確認できるため、より魅力的でインタラクティブなユーザーエクスペリエンスが実現します。
オートコンプリート
Ajaxを使用して、検索ボックスやその他のフォーム入力にオートコンプリート機能を提供し、ユーザーが事前定義されたリストから項目をすばやく見つけて選択できるようにします。ユーザーが検索ボックスに入力すると、Ajaxはサーバーに要求を送信して、一致するエントリの候補を取得して表示します。
データの視覚化
Ajaxを使用して、サーバーからデータをロードし、チャートやグラフなどのグラフィック形式で表示できます。これにより、ユーザーはより視覚的かつインタラクティブな方法でデータを表示できるようになり、データの理解と分析が容易になります。
マッシュアップ
AjaxをさまざまなWebサービスのデータと機能を組み合わせることで、新しく革新的なアプリケーションを作成できます。たとえば、マッシュアップで天気APIのデータを地図APIと組み合わせて、リアルタイムの天気図を作成できます。
ドラッグアンドドロップ
Ajaxを使用してWebページでドラッグアンドドロップ機能を有効にすると、ユーザーはより直感的かつ効率的な方法でページを操作できます。これは、ドラッグアンドドロップでTo Doリストを作成するなど、さまざまなアプリケーションに使用できます。
マップアプリケーション
GoogleマップやOpen Street MapなどのWebページにインタラクティブなマップを表示したり、ユーザーがマップを操作したときにリアルタイムで情報を更新したりすることができます。例えば、近くのレストランやテーマパークなどをリロードせずに表示させたりすることができます。
jQuery&Ajax
HTMLドキュメントの操作、イベントの処理、およびWebページのドキュメントオブジェクトモデル(DOM)の操作のプロセスを簡素化する、JavaScriptライブラリであるjQueryライブラリを使用すると、わずか数行のシンプルかつ読みやすいコードでAjax機能をWebアプリケーションに追加することができます。
その構文はシンプルで直感的に設計されているため、開発者は簡潔で読みやすいコードを簡単に記述できます。
PHP&Ajax
PHP(Hypertext Preprocessor)は、動的Webアプリケーションの構築に一般的に使用されるサーバー側スクリプト言語です。PHPをAjaxと組み合わせて使用することで、インタラクティブかつ応答性に優れたWebアプリケーションを構築することができ、ユーザー満足度を向上させることにつながります。PHPでAjaxを使用する例として、オンラインチャットシステムなどが挙げられます。
Ajaxの活用事例5選
最後に、Ajaxが用いられている身近なアプリケーション5選をご紹介します。
Trello
TrelloはAjaxを使用して、スムーズで応答性の高いユーザーインターフェースを提供しています。ドラッグアンドドロップ操作を可能にするだけでなく、Ajaxは、他のユーザーがボードに変更を加えたときにリアルタイムの更新を提供するためにも使用されています。これにより、ユーザーは同時に共同作業を行い、変化をリアルタイムで確認することができます。
Gmail
GmailはAjaxを使用して、リアルタイムのメッセージ更新とやりとりを可能にします。たとえば、新しいメッセージが到着すると、Ajaxを使用して、ページを更新せずに受信トレイを開くことができます。同様に、ユーザーがメッセージをアーカイブまたは削除する場合、Ajaxを使用して、ページのリロードを必要とせずに受信トレイを更新します。これにより、高速でシームレスな顧客体験が提供されます。
Slack
Slackでは、リアルタイムのチャットメッセージ、通知、および対話(メッセージの編集や絵文字による応答など)を可能にするためにAjaxが使用されます。さらに、Slackはロングポーリング技術を使用して、クライアントとサーバー間の永続的な接続を維持しており、それがリアルタイムの更新と通知を可能にします。
Airbnb
AirbnbはAjaxを使用して、リアルタイムの検索結果と予約を可能にします。たとえば、ユーザーが物件を検索すると、Ajaxにより、リアルタイムの検索候補と検索結果が提供されます。同様に、ユーザーがチェックイン日とチェックアウト日を選択すると、リアルタイムの空室情報と料金が表示されます。
Googleマップ
Googleマップは、Ajaxを多用しているWebアプリケーションの例です。Ajaxにより、ページのリロードを必要とせずにマップをリアルタイムで更新できるため、スムーズで応答性の高いユーザーエクスペリエンスが実現します。
例えば、ズーム、場所の検索など、ユーザーがGoogleマップを操作する場合、Ajaxを使用してサーバーと通信し、新しいデータを取得します。ユーザーが経路案内のルートを選択すると、Ajaxを使用してルート情報を取得し、リアルタイムで地図上に表示します。
また、リアルタイムの交通情報も更新できるため、ユーザーは現在の交通状況を確認し、それに応じてルートを調整できます。
まとめ
本記事では、Ajaxの概要やAjaxで実現できること、Ajaxを活用した身近な5つの事例についてご紹介しました。私たちが普段何気なく使用しているアプリケーションのあらゆる部分でAjaxが使用されていることをおわかりいただけたのではないでしょうか。Ajaxはユーザーエクスペリエンスを向上させるための重要な要素です。自社のアプリケーションにAjaxを導入したい、または、Ajaxを用いたアプリ開発を検討している場合は、是非CMC Japanにお任せください。30年にもおよぶ開発ノウハウとベトナムリソースによる高品質かつリーズナブルなITソリューションをご提供いたします。お気軽にお問い合わせください。