テトとは?ベトナムの旧正月について解説
目次
はじめに
ベトナムをはじめ、アジアの多くの国では旧正月を祝います。ベトナムでは、新年の始まりを「テト」と呼んでいます。この記事では、テトとは何か、どうしてベトナム人は1週間もかけて祝うほど特別なのかについて、ご紹介します。
テトとは?
テト・グエン・ダン(Tet Nguyen Dan)は、テト(Tet)としてよく知られており、ベトナムで最も重要な祝日・祭事です。テトは太陰太陽暦である旧暦に基づいており、春の始まりを意味します。
旧暦の1月1日(およそ1月下旬から2月上旬)から3日までがテトです。
テト中のお祝いとは?
テトの休暇中、ベトナム人は前年の活動を振り返り、新しい年の計画や展望を考えるタイミングになります。さらに、ベトナム人は、新年の初日の行動がその1年に影響を与えると考えているため、自分が発する言葉や行動の一つ一つに細心の注意を払います。また、ベトナムのテトは、一年の苦労を経て、家族全員が一緒に楽しい時間を過ごせる唯一の機会かもしれません。
テト前の様子
ベトナムの家庭では、テトの前に家の中を掃除してきれいにするのが一般的です。これは、前年の不運を取り除き、新年を迎える準備をすることを象徴しています。
ベトナム人はテトになると、亡くなった家族の霊が生者に訪れると信じているので、家族の祠を掃除し、お香を焚いて祖先の写真を置き、花や果物のお供え物を送ります。テトの前には、お寺も徹底的に掃除され、新しい供物や装飾が置かれます。
お祭りのような活気に満ちた雰囲気の中、街中の通りには色とりどりの花が飾られます。人々は、家の装飾品やテトの伝統的な料理を作るための材料、新年に友人を訪ねるときに着る新しい服などを買うために市場に行きます。そのため、テトが近づくと、どこの通りでも交通渋滞があります。
テト中の様子
元旦に知人を訪ねる(xông nhà)、祖先を祀る、新年の挨拶をする、若者や老人に幸運のお金を贈る(お年玉)、旧暦の吉日に店や会社を開くなど、多くの習慣が守られています。
ベトナム人は、テトの前夜には大量の料理を用意します。誰もが、特に子供たちが、新年の最初の日に新しい服や靴を着て、家族や友人を訪ね、バイン・チュン(笹をまいたお餅)などのテトならではの伝統的な食べ物を楽しみます。
テトの後
奉納された紙が燃やされ、祭壇からお供え物が下ろされて家族それぞれに分け与えられると、ベトナムのテトは終わりを迎えます。ベトナムの旧正月が終わると、水牛の闘争祭り、ボートレース、相撲、獅子や龍の踊りなど、各地でお祭りが開催されます。お祭りはテト明けから1ヶ月ほど開催されるので、もし機会があれば、できるだけ多くのお祭りに参加してみてはいかがでしょうか。
テトの装飾
ベトナムのテトの装飾は最も印象的なもののひとつで、お祭りの雰囲気を大いに盛り上げてくれます。
テトの期間中、桃の花の木、金柑の木、オレンジの木を買います。至る所で花が咲き乱れ、特に菊や蘭が街中で大々的に展示され、人々は家の中や家の外の鉢に花を飾ります。
ベトナム北部では桃花(Đào) や金柑の木 (Quất) が目立ちますが、中部や南部では黄色いマイ(Mai)の花が人気です。これらの果物や木は、家族が次の年の豊穣を期待していることを表しています。
テトの料理
ベトナムの伝統料理を食べる習慣があります。豚肉、鶏肉、もち米、果物の砂糖漬けなど、各家庭でさまざまなごちそうが出される贅沢な時期です。
バイン・チュン(笹をまいたお餅)
ささまきはベトナムの伝統的なケーキで、テトのお祝いの時にだけ食べられます。忠烈祠は、もち米、インゲン豆、豚肉を緑の葉で包んで一晩煮込んだものなど、ベトナム人なら誰でも知っている食材で構成された美味しい料理です。ささまきは、ベトナムの農業の特徴的な食材をすべて組み合わせたものであるため、何千世代にもわたって受け継がれてきた伝説によれば、地球の象徴とされています。
ムット(砂糖漬け)
テト祭の期間中、さとうづけは歓迎の贈り物として提供される人気の食品です。主にニンジン、ココナッツ、リンゴなどのドライフルーツや、ローストしたスイカの種、砂糖をかけたヒマワリの種などの種を使って作られます。ベトナム人は、テトでお菓子を食べると旧正月に幸運が訪れると考えています。
玉ねぎのピクルス(Dưa hành muối)
テト祭では一般的に、脂っこい食事をして空腹を満たします。玉ねぎのピクルスは、低カロリーで新鮮なので、この時期にぴったりです。高タンパクの食品を消化するために、消化器系を楽にしてくれます。ベトナム人の心の中には、太った牛肉、タマネギの酢漬け、緋色のディスティッチがあって初めてテトが完成するのであります。
果物の盛り合わせ(Mâm ngũ quả)
バナナやグレープ果物、オレンジなどのトロピカル果物など、ベトナムの旧正月にしか出されない5種類の果物をトレイに盛り付けたものです。各地でさまざまな果物が用意されていますが、5種類のフルーツの名前や色、盛り付けから、家主の旧正月への思いを伝えることができます。
まとめ
ベトナムの旧正月、「テト」は、ベトナムで最も重要な祭事です。一年で最も賑やかな時期であり、何百万人もの人々が家族や親友と再会するために故郷へ帰ります。日本ではお正月の時期に同様な風景を感じることができますが、ベトナムのテトは日本のお正月とはまた違った雰囲気を感じることができます。最後にベトナム語の「あけましておめでとうございます」をご紹介します。周りにベトナムの方がいたらぜひ、使ってみてください。”Chúc mừng năm mới(チュッムンナンモーイ)”
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