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AWSとAzure:主な比較項目と選択すべきクラウドプロバイダー

技術変換のためのクラウドサービスといえば、AWSやAzureを最初に思い浮かべる方も多いでしょう。有名なブランドであるAmazonとMicrosoftによって提供されているため、それぞれ独自の特徴を持ち、現在トップの座に君臨しています。

目次

AzureとAWSの概要

2つのプロバイダーを比較する前に、その概要について触れていきましょう。

Azureの概要

Microsoft Azureは、2022年第3四半期において21%のシェアを獲得し、クラウドプロバイダーとして世界第2位のシェアとなります(Synergy Research Groupによる)。シェアではAWSに遠く及びませんが、その成長率は著しく、AWSに追いつく可能性があります。

Microsoftが提供するクラウドシステムのため、Windows Toolsを利用している企業にとっては比較的導入しやすく現在運用中のデータとスムーズに連携し、効果的に活用することができます。

AWSの概要

いち早くクラウドサービスプロバイダーとしてシェアNo.1を獲得したAWS(Amazon Web Service)は、2022年第3四半期時点で世界で34%のシェアを獲得しています。このクラウドシステムの魅力は、幅広い業種に導入可能なサービスの多様性にあります。クラウド、ハイブリッドクラウド、オンプレミス(またはプライベートクラウド)と、あらゆるクラウドモデルにおいて圧倒的なサービス網を提供しています。

Azure、AWSの比較

AWS、Azureのクラウドの違いについて、10の要素から比較していきます。

1.コンピューティングサービス

クラウドサービス企業は、主要なサービスの1つとしてコンピューティング・ソリューションにフォーカスしています。具体的には、PaaS(Product as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)でハードウェアを提供したり、プロセスやコストの面でより良い管理のためにデータベースをクラウドに移行したりし、顧客をサポートしています。

コンピューティングサービス:クラウドインプリケーションの主要な提供物
コンピューティングサービス:クラウドインプリケーションの主要な提供物

主なコンピューティングサービス:

  • AWS:Amazon EC2(Elastic Compute)は、多くのアプリケーションに実装可能でオートスケール可能な柔軟なオンデマンドコンピューティングを含め、カスタマイズ可能な機能を備えています。クラウド上に仮想サーバーを作成するだけです。

関連するサービス(コンテナ、サーベラス)には、AWS Elastic Beanstalk、Amazon Elastic Compute Cloud Container Service、AWS Lambdaなどがあります。

  • Azure:仮想マシン(Virtual Machine_VM)に、Cloud ServiceやResource Manager、SQL Server、SAP、Oracleなどのツールを組み合わせて使用することで、独自のアプリケーションを開発することが可能です。

AWSは、コンピューティング、ストレージ、データベース、アナリティクス、ネットワーク、モバイル、開発者ツール、管理ツール、IoT、セキュリティ、ビジネスアプリケーションなど、非常に多くのサービスを提供しています。

2.ストレージ容量

データストレージについては、両者の最大容量及びその拡張性はほぼ同じです。

主なストレージの仕組み:

  • AWS:Amazon S3(Simple-Storage-Service)は、データの保存だけでなく、データのコピーをAWSのアベイラビリティゾーンに置くことで、エラー発生時にもシームレスに動作するようバックアップを取ることができます。また、AWSのサービスをパッケージで利用することもでき、コンピューティングサービス(EC2、AWS Lambdaなど)のデータをサーバーに連携し保存することが可能です。

各データファイルの最大容量は5 TBです。

  • Azure:Azure Storage-Blobsは、「ストレージアカウント」という形で情報を保存し、ホットストレージ(頻繁にアクセスするデータ用)とコールドストレージ(オフサイトのあまり使わないデータ用)の2つのオプションがあり、手ごろな価格で最適化することができます。

各データファイルの最大容量は4.5 TBです。

3.データベース

データベースについては、RDBMS(Relational Database Management system:リレーショナルデータベース管理システム)とNoSQLの両方がAWSやAzureで利用でき、それぞれの地域でバックアップレプリカソリューションが提供されています。

Azure AWSの比較:管理・運用ゾーンのデータベース

基本的なデータベースの提案:

  • AWS:Amazon RDS(Relational Database Service)をはじめ、リレーショナルデータベースやNoSQLデータベースがAWSとシームレスに連携し、ビッグデータの活用や効率的な運用を実現します。また、バックアップソリューションも利用可能です。

Amazon RDSは、Amazon Aurora、MySQL、Oracleなど、複数のメカニズムによって支援されています。

  • Azure: SQL Database (または Structured Query Language Database) などのサービスは、テーブルやリレーショナルビュー用の「コスモス」で情報を実行し、主要なインサイトを取得することができます。

Azure SQL Databaseは、Microsoft SQLサーバーの仕組みによってのみ支援されます。

 

AWSはより広い運用ゾーン、より高度なデータベース管理コントロールを提供しますが、Azureはユーザーフレンドリーなインターフェースとわかりやすい機能が評価されているようです。

4.ネットワーキング

クラウドサービスにおいて、機密データのやり取りや保管、セキュリティ確保のために、プライベートネットワークの整備が重要です。

ネットワークサービス

  • AWS:Amazon VPC(Virtual Private Cloud)は、データベースからソフトウェアまでのコンピューティング環境を、企業内の様々なアカウントにアクセス権限を制限し、コントロールする機能を提供します。また、プライベートクラウドとパブリッククラウドの間は、スケーラビリティを備えたAPIゲートウェイで接続することが可能です。
  • Azure:Azure VPN(Virtual Private Network)は、複数のアプリケーションやシステムを接続できるようにするネットワークです。

クラウド、ネットワークに関わらず、AWS、Azureは、オンプレミスのデータを処理し、社内データと融合させるハイブリッドクラウドの特徴を持ったネットワークサービスを提供します。

5.連携範囲

AWS Azure クラウドサービスシステムの統合能力の違い

クラウドサービスにおいて、他のアプリケーションのデータと組み合わせて動作させられるかは非常に重要な要素です。

  • AWS:クラウド市場で大きな事業規模を持ち、グローバルに展開しているAWSは、データとシステムの連携に幅広いネットワークを保有しています。多くの業界、特に国際的に展開する企業において効率的なシステムであると考えられます。
  • Azure:「MicrosoftのITエコシステム」の一員として、Azureは、Microsoft Office Tools、Office 365などで保存または操作されるアクティブなドキュメント、データをベースにした作業において効率的です。。多くの企業は、Microsoftを、組織化、ワークフローにおけるオフィスツールの観点で、健全なプロバイダーとして見ています。

Azureのクラウドインフラは、それらのツールの残りのデータセンターと調和して動作することができ、より良い結果を得るための様々な混合された選択肢を与えることができます。したがって、金融、政府、発電所などに関連する特定のフィールドは、多くの恩恵を得ることができます。

6.提供するクラウドの種類

クラウドの種類には、パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウドの3種類があります。

  • パブリッククラウド:すべてのデータとソフトウェアがインターネット上に保管され、企業間で共有できます。
  • プライベートクラウド:自社専用のクラウドで、カスタマイズや管理がしやすい反面、コストがかかります。
  • ハイブリッドクラウド:オンプレミスのデータを移行し、セキュリティ要素を確保しながらより良い分析とビジネスインサイトのために、パブリックとプライベート間で相互共有することができます。

したがって、AWS、Azureの両者が、ハイブリッドクラウド指向でソリューション範囲を拡大し、サービス品質を向上させているといえます。

7.セキュリティ

自動化されたセキュリティの提案:

  • AWS:アクセスIDの管理、ネットワークにおける脅威の検知、アプリとデータベースの保護から対応や適合性の付与まで、戦略的なプライバシーとセキュリティのプロセスを全方位で提供します。

例)Amazon CloudWatch、AWS Security Hub、AWS Shieldなど

Azure:Azure Security Centerは、ファイアウォール・アズールから仮想マシン、データベース、ストレージスペースまで、優れた脅威検知機能を提供します。このツールは、Office365、Sharepoints、Teamsなど、他のMicrosoftのサービスと統合することでその可能性を最大限に発揮し、データの関係性の可視化に貢献します。

8.料金体系

AWSとAzureの2つのベンダーは、無料版の提供は別として、どちらも初期費用が不要な従量課金制を採用しています。そのため、利用した分だけの料金を支払います。。よって、ユーザーは、価格計算システムにより、自分たちの需要に応じたコストを見積もることができます。さらに、クラウドの容量を予約することで割引が適用されます。

主な違いは、AWSはかなり複雑な料金体系であり、従量課金制は秒単位でカウントされるため、長期的には費用対効果が高いです。反対に、Azureは、個別のサービスごとに分単位で計算されるため、比較的わかりやすいというメリットがあります。

9.グローバルインフラストラクチャ

クラウド市場のリーダーであるAWSとAzureは、グローバルに膨大な数のインフラを保有しています。以下は詳細を比較した表です。
Amazon AWS Microsoft Azure
アクセス地域 30以上の地域 60以上の地域
プレゼンスのポイント 410以上のPOPs 185以上のPOPs
提供する国 245以上の国と地域 140以上の国と地域
その他 ●21の ローカルゾーン、29の超低遅延サービス用のレングスゾーン ●115の 直接接続用オフィス ●超低遅延サービスを利用できるのは、ロサンゼルス、マイアミ、バンクーバーの都市圏のみ
グローバルなプレゼンスとアクセス性において、AWSがより優れていることがわかります。

10.ドキュメントと情報のアクセシビリティ

AzureとAWSの両社は、サービスやその導入方法についてユーザーがより深く理解できるよう、ガイドドキュメントや無料の情報を提供しています。Azureのユーザーアカウントや関連情報は全てTechnical Resourcesに集約されていますが、AWSは提供するサービスの詳細やユースケースなどに関する幅広いデータを提供しており、検索やナビゲートシステムによって高度なドキュメントを追加で利用することができます。

一方で、認定資格や無料のクラウド学習コースは、両サイトでアクセス可能です。

AWSやAzureを使うケース

以上の分析から、AWSとAzureのどちらを使用すべきか、ケースとともにを紹介します。

  • AWSは、Amazon Cloud Serviceが提供する200以上のサービスが明確なカテゴリに分類され、世界中のインフラストラクチャーネットワークにアクセスできるため、グローバル展開やクラウド分野への新規参入を計画している場合に適した選択肢となります。しかし、初心者にとっては、ときどきどれを選べばよいのかがわからず、困惑する場合があります。

価格面ではAWSの方がAzureよりやや高いですが、長期的に見ればAzureの方がコストが高いように思えます。

  • Azureは、マイクロソフトの有名なファイアウォールシステムの内部インフラとして、あるいはマイクロソフトの他のツールやアプリケーションのデータベースを統合して円滑に運用するためのクラウドを考える場合に有効です。価格については、Microsoft Azureの方が比較的安価で、複雑さもありません。

それぞれメリットとデメリットがありますが、企業はこの2つのクラウドプロバイダーのサービスを組み合わせて活用することで、利益と成果の最大化を常に検討することができます。

まとめ

近年、クラウドサービスの重要性はますます増加しており、ビジネスに大きな利益をもたらしています。上記では、2つの「巨人」を比較するための基礎と、貴社のビジネスの需要に最も適するAWSまたはAzureを選択するためのいくつかの情報を提供しました。それらは基本的な情報であるため、クラウドプロバイダーのサービスを深く理解し、企業にとって効果的なソリューションを見出すにはもう少し時間と労力がかかります。

そのため、AWSやAzureの導入をより簡単に、より効果的に行いたい場合は、クラウドコンサルティングやソリューションベンダーにアウトソーシングすることができます。CMC Japan では、AWSとMicrosoft Azureの認定資格を持つ専門スタッフが、効率的なコンサルティングとコスト効率の良いクラウドサービスの導入をご提案いたします。

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