GmailのSMTPとは|IMAP・POPとの違いも解説
1.SMTPとは
概要
まず、SMTPとは “Simple Mail Transfer Protocol”の略であり、「簡易メール転送プロトコル」と日本語で訳されます。SMTPサーバとは、送信者と受信者間のメールのやりとりを中継してくれるアプリケーションのことです。特に大量に素早くメールを送信しなければならない企業において重宝されています。世界標準レベルの通信プロトコルであるTCP/IPを経由してメールを送信するため、安全性や利便性が高いというメリットもあります。
送信者がメールを送信して、受信者がメールを受信するまでの流れは以下の通りです。
①送信者がメールを作成し、送信先を指定し、送信する
②送信者側のSMTPサーバーに転送される
③送信者側のSMTPサーバーから受信者側のメールサーバーに転送される
④受信者はメールサーバーからPOPサーバーまたはIMAPサーバーを介してメールを受信す
「IMAP」「POP」との違いは
読者の中には、メールの設定をしていた際に、SMTP以外に「IMAP」や「POP」という単語がでてきて、困惑したという方もいるのではないでしょうか。ここでは、IMAPとPOPの概要と違い、SMTPとの違いを見ていきましょう。
まず、この2つとSMTPサーバーとの大きな違いとして、SMTPサーバーがメールを “送信” する際に必要なサーバーであるのに対し、IMAPサーバーとPOPサーバーはメールを “受信”する際の手段になります。
両者の特徴と違いは以下の通りです。
IMAPサーバー | POPサーバー | |
正式名称 | Internet Message Access Protocol | Post Office Protocol |
読み方 | アイマップ | ポップ ピー・オー・ピー |
相違点 | 受信したメールをサーバー上で管理 | 受信したメールをパソコンにダウンロードし、閲覧・保存する |
メリット | ⊕電子メールがサーバーに保存されているため、1つの端末が故障しても他の端末から閲覧をすることができる ⊕メールを端末にダウンロードしないため、端末のハードディスク容量を使用しない ⊕複数の端末からメールにアクセスすることができる | ⊕パソコンに保存されているため、インターネットに接続しなくても受信したメールを閲覧できる ⊕パソコンのハードディスクに保存するため、メールサーバーの容量は小さくても問題ない ⊕複数のアカウントを1つのメールソフトでまとめて受信したり管理したりすることが可能である |
デメリット | ⊖パソコンにダウンロードしない代わりにサーバーの容量制限が設けられている | ⊖それぞれの端末にその都度ダウンロードしなければならないため、複数⊖の端末による管理に向かない ⊖パソコンが故障した際に、端末に保存したメールが閲覧できなくなる |
2.GmailのSMTPサーバーとは
読者のみなさんは、普段どのメールクライアントからGmailを送っていますでしょうか。Gmailで作成し、送信している場合はSMTPサーバーの設定は必要ありません。しかし、OutlookやThunderbirdなどGmail以外のメールクライアントからGmailを送る際には、GmailのSMTPサーバーの設定が必要となります。
具体的なGmailのSMTPサーバー設定情報は下記をご参照ください。
https://mail.google.com/mail/u/0/?tab=rm&ogbl#settings/fwdandpop
GmailのSMTPサーバーはその安定性と信頼性から多くのユーザーから強く支持されています。例えば、GmailのSMTPサーバーを設定することで、送信した電子メールが迷惑メールに振り分けられる可能性を下げることができます。これは、大量な見込み顧客に対して、新製品やお礼のメール配信を行う、メールマーケティングを行っている企業にとって非常に大きなメリットであると言えます。必死に作成したコンテンツが迷惑メールに指定されてしまっては、投入したコストや努力が水の泡になってしまいます。このように、GmailのSMTPサーバを設定することで、ロスを減らし、メール配信の成功率を高めることができます。
まとめ
本記事では、SMTPの概要やIMAP・POPとの違い、GmailのSMTPの特徴について紹介しました。これらは、普段の生活においてあまり接点がないため、少し理解しづらい概念だったかと思います。この記事を通して、それぞれのサーバの役割の違いやGmailのSMTPを利用するメリットをイメージしていただけましたでしょうか。便利なチャットツールが台頭してきましたが、電子メールは今後も活用されそうです。本記事で紹介した内容が読者のみなさんのビジネスにお役に立てたら幸いです。