全ての企業が学べる 6 つの IT アウトソーシングの成功事例と失敗事例
本記事では、大企業におけるIT アウトソーシングの成功例と失敗例の両方を分析して、誤解を解き、これらの例から企業が学べる教訓を得ていきたいです。それでは始めましょう!
1.ITアウトソーシングの成功事例
1.1.Slack(スラック):アウトソーシングは初期段階のスタートアップ企業の選択肢
Slack は、トピック別のチャットルーム(チャネル)、プライベートグループ、及びダイレクト メッセージを備えた、リアルタイムのオフィスコラボレーションツールです。言うまでもなく、これは最も人気のあるビジネスチャットツールの 1 つです。1 日あたりのユーザー数は1200 万人近く(2020 年現在)で、この数は 2025 年までに 7900 万人に達すると予想されています。
Slackも最も成功したITアウトソーシング事例です。実際、調達した資金を節約するために、同社は当初からデザインとアプリ開発を外注しています。Slackは外部委託による労働力に依存することで、立ち上げた後2週間で15,000人のユーザーを獲得し、2014 年のユニコーン企業になりました。
このITアウトソーシング事例から得られる教訓
企業がシステム開発を外注することで多額の投資を調達したり、何千人のユーザーを獲得したりすることができるのです。
1.2. WhatsApp(ワッツアップ):不足している専門知識を見つける
WhatsAppは説明不要のアプリです。間違いなく、これはおそらく最も人気のあるメッセージング アプリであり、世界中に20億人以上のユーザーがいます。しかし、WhatsAppは必ずしも肯定的に認識されているわけではありません。
2012年には、WhatsAppは正社員が30人、パートタイマーが5人しかいない小さな会社でした。そして、シードラウンドで調達した資金は25万ドルしかなかったです。
率直に言って、これは新製品開発には少なすぎました。WhatsAppはコストを抑えて、質と価格のバランスが取れたWeb開発ができる人材を見つけなければなりませんでした。これが、WhatsAppが人材を見つけるために最大のアウトソーシングハブである東ヨーロッパに目を向けた理由です。
このITアウトソーシング事例から得られる教訓
アウトソーシングはコスト削減に役立つだけでなく、膨大なタレントプールへのアクセスも可能にします。これが新製品を開発する時に重要なことではないでしょうか。
1.3.CitiGroup(シティグループ): ITアウトソーシングは節約に役立つ
有名なアウトソーシング事例の中で、米国に本拠を置く多国籍企業であるCitiGroupは、おそらく海外で人材を募集する最も古い企業です。Citiは1992年以来海外で人材を採用しており、インド、フィリピンとポーランドから労働者を委託しています。同社はこの方向にさらに進みました。2014年、Citiは本社で11,000人もの人員を削減しました。そのうち少なくとも4分の1はITスペシャリストでした。それは海外への外注のためでした。この動きにより、同社は年間11億ドルも節約できました。
ITアウトソーシングは大手銀行の間で広く実践されています。例えば、Bank of America(バンク・ オブ・ アメリカ)、Barclays(バークレイズー)、Goldman Sachs(ゴールドマン・サックス)やJ.P. Morgan(J.P. モルガン)などの金融機関も海外で開発者を雇っています。
このITアウトソーシング事例から得られる教訓
アウトソーシングはスタートアップだけでなく、大企業や大銀行にとっても実行可能な選択肢です。
2.ITアウトソーシングの失敗事例
2.1. ヴァージンオーストラリア(Virgin Australia)とナビテア(Navitaire)
2010年9月、Virgin Australiaのインターネット予約、チェックインと予約管理システムがクラッシュし、5万人の乗客が立ち往生しました。
SaaS(Software as a Service) システムのサプライヤであるNavitaireは、問題の原因を迅速に特定しました。それはディスクドライブの故障でした。しかし、その重大な問題を迅速に解決することはできませんでした。
Navitaireは、すぐにバックアップ ドライブに切り替えるのではなく、故障したドライブを修復することにしたため、運用が24時間停止しました。この失態は、Virgin Australiaに巨額の経済損失や顧客の取り逃しをもたらしました。両社は最終的に、損失に対処するために、相互に満足のいく不特定の和解金に達しました。
このITアウトソーシング事例から得られる教訓
- ITアウトソーシング ベンダーが、サーバーの問題をトラブルシューティングするスキルを備えていることを確認する。
- 第三者の専門家と共に問題を特定して解決するために、社内の開発チームを保持します。
- ベンダーを選択する時はタイムロジスティックゾーンやの違いを考慮に入れる。
2.2. Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trust(英国のケンブリッジにある英国の公共部門の医療提供者)とエピック( Epic)
Epicは、Cambridge University Hospitals NHS Foundation Trustに雇われ、電子健康記録システムを開発しました。このシステムは、スタッフがiPadなどの携帯型ハンドヘルドデバイスを介して患者記録にアクセスできるようにすることを目的としてしていました。目標は情報の流れやパフォーマンスを改善することでした。
ただし、このプロジェクトは、アウトソーシングの問題が発生した多くのプロジェクトの1つです。EPRが不安定なため、運用開始の1週間後に重大インシデントが宣言されました。患者が適切な必要なケアを受けられないリスクが高まりました。また、情報が正しく更新されませんでした。これにより、新しいシステムの使用方法について、スタッフの間で混乱が生じました。
このITアウトソーシング事例から得られる教訓
- アウトソーシングチームの能力を明確に判断する。
- プロジェクトのリスクやコストの見積もりを事前に評価する。
- 新システムについての従業員教育が重要である。
2.3. Royal Bank of Scotland (ロイヤル バンク ・オブ・ スコットランド)とその IT ベンダー
Royal Bank of Scotland (RBS)が非公開のITベンダーと協力している時に直面した技術的な問題により、RBS は多額の罰金を科されました。この状況は、完全にITアウトソーシング失敗というわけではありませんが、プロバイダーのパートナーシップとコンピテンシーがビジネスの成功に不可欠であることを示しています。
2012年の失敗したソフトウェア アップデートは、RBS の支払い処理と銀行システムに影響を与えました。システムが数週間フリーズして、何百万人の顧客が自分のアカウントにアクセスできなくなりました。
影響を受けたのは、NatWest(ナットウエスト)やUlster Bank(アルスター銀行)などのRBSグループが所有している銀行でした。さらに、約3万人の社会福祉受給者がお金を受け取ることができませんでした。
当時、労働組合指揮者は、この問題はITサービスをインドに委託したことが原因であると推測しました。しかし、更新プログラムがRBSの技術スタッフによって壊れたことが後で明らかになり、RBSは2014年に金融行動監視機構(FCA)から4200万ポンドの罰金を科されました。
より良い業務委託関係があれば、このような大失敗を防ぐことができたのではないでしょうか?
このITアウトソーシング事例から得られる教訓
- システムアップデートやデータのバックアップなどの重要なプロセスを実行または案内する、能力や意欲があるアウトソーシングサービスプロバイダーに業務を委託する。
- システム障害が発生した場合に実行される緊急時対応手順の明確なプロトコルを作成します。
- リスク評価を実施して、古いソフトウェアやハードウェアを使用することなど、オンラインシステムの重大な脆弱性を発見する。
結論
上記のITアウトソーシング事例分析は、ITアウトソーシングが、ビジネスの規模、 モデルや歴史に関係なく、企業を救うことができる実行可能なソリューションであることを示しています。ただし、アウトソーシングを行う前に、アウトソーシングのリスクを知っておくべきです。また、ITアウトソーシング失敗は、アウトソーシングに対する警告ではなく、企業がアウトソーシングの事故を防ぐのに役に立つ参考事例であることを知っておくことも重要です。
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