システム開発における7つのステップ
システム開発フローとは、高品質な情報システムを構築するために、チームで行う反復的、構造的、かつ多段階のプロセスです。システム開発フローには、顧客の要求を満たす、あるいは超えるシステムの計画、分析、設計、構築、テスト、導入、保守のステップが含まれます。本記事では、システム開発の流れや、5つの基本的なシステム開発手法について紹介します。
システム開発における7つのステップ
現代のシステム開発の流れには、主に7つのステップがあります。以下はその簡単な内訳です。
- 計画
- 分析
- 設計・試作
- ソフトウェア開発
- ソフトウェア・テスト
- 実装・統合
- 運用・保守
では、システム開発の各ステップの手順を個別に詳しく見ていきましょう。
計画→②分析→③設計→④開発→⑤テスト→⑥統合→⑦メンテナンス
ステップ1:計画
フィージビリティ段階とも呼ばれる計画フェーズとは、チームが今後のプロジェクトの計画を立てるステップになります。
このステップでは、チームが既存のシステムの問題点と範囲を決定し、新しいシステムの目的を定義します。
計画ステップで行われる次の開発サイクルに向けた効果的なアウトラインの策定で、理論的には開発に影響を及ぼす前に問題を発見し、計画実現に必要な資金やリソースを確保することができます。
最も重要なのは、ソフトウェア開発フローの計画ステップでプロジェクトのタイムラインが設定されることです。これは、特定の期日までに市場に投入しなければならない商用製品の開発において、非常に重要な意味があるかもしれません。
ステップ2:分析
分析ステップでは、新しいシステムに必要なすべての具体的な情報を収集し、プロトタイプの最初のアイデアを定義します。
開発者は以下のことを行います。
- プロトタイプのシステム要件を定義する
- 現在のプロトタイプの代替案を評価する
- エンドユーザーのニーズを把握するための調査・分析を行う
さらに、開発者はソフトウェア要求仕様書(SRS文書)を作成することが多く、これにはソフトウェア、ハードウェア、ネットワークなど、開発しようとするシステムのあらゆる要件が含まれます。これにより、他の開発チームと同じ場所で作業しながら、資金やリソースを過剰に消費することを防ぐことができます。
ステップ3:設計
開発のステップに進む前に、設計ステップがあります。
チームは、まずアプリケーション全体の詳細と、以下のような具体的な要素をアウトラインします。
- ユーザー・インターフェース
- システム・インターフェース
- ネットワークとその要件
- データベース
開発者は通常、作成されたSRS文書を、後にプログラミング言語で実装できるように、より論理的な構造に変更します。運用、トレーニング、メンテナンスの計画も作成され、開発者はサイクルの各段階で何をすべきかを認識することができます。
すべてが完了した後に、開発マネージャーはシステム開発フローの次のフェーズ全体で参照される設計書を作成します。
ステップ4:開発
開発ステップは、開発者が以前の設計書や概略仕様書をもとに、実際にアプリケーションのコードを作成する段階です。
静的アプリケーション・セキュリティ・テスト・ツールがこの段階で役に立ちます。
製品のプログラム・コードが設計書の仕様に基づいて構築されます。理論的には、これまでの計画により、実際の開発フェーズは比較的シンプルになるはずです。開発者は、組織が定めたコーディング・ガイドラインに従い、コンパイラ、デバッガ、インタプリタなどの複数のツールを使用します。
標準的なプログラミング言語には、C++、PHPなどがあります。プロジェクトの要件や仕様に応じて、開発者はどのプログラミング言語を使用するかを決定します。
ステップ5:テスト
ソフトウェアは開発するだけで完了というわけではありません。バグがなく、エンドユーザーの体験がどの時点においても、損なわれないためのテストが必要になります。
テスト段階では、開発者はソフトウェアを徹底的に調査し、追跡、修正し、再テストを行う必要があるバグや不具合を特定します。
最終的なソフトウェアは、SRS文書で事前に説明された品質基準を満たすことが求められます。
テストステップでは、開発者の専門知識、ソフトウェアの複雑さ、エンドユーザーの要求に応じて、非常に迅速なステップになることもあれば、非常に長い時間を要することもあります。
ステップ6:実装と統合
テストの後、ソフトウェアの全体設計がまとまります。異なるモジュールや設計は、開発者の努力によって主要なソースコードに統合され、通常はデモ環境を活用してさらなるエラーや不具合を検出することになります。
情報システムはその環境に統合され、最終的にはインストールされることになります。この段階を通過すると、理論的には市場にローンチする準備が整い、あらゆるエンドユーザーに配布できるようになります。
ステップ7:メンテナンス
システム開発の流れは、ソフトウェア市場にローンチして終わりではありません。開発者は保守に移行し、エンドユーザーから報告された問題に対応するために必要な作業を実行しなければなりません。
さらに、導入後に必要な修正を行うのも開発者の仕事です。
これには、リリース前にパッチを当てることができなかった残存バグへの対応や、ユーザーからの報告により発生した新たな問題の解決も含まれます。大規模なシステムでは、小規模なシステムに比べ、メンテナンス段階が長くなる傾向にあります。
5つの基本的なシステム開発モデル
システム開発ライフサイクルは広義のプロジェクト管理モデルですが、より具体的な5つのモデルを活用することで、特定の目標を達成したり、より大きなSDLCに異なる属性を持たせたりすることができます。
アジャイル・モデル
ソフトウェア開発の業界では、アジャイル・モデルが非常によく知られています。
アジャイル手法では、高速で連続的なリリースサイクルが優先され、リリース間で小規模かつ漸進的な変更が行われます。他のモデルと比較して、より多くのイテレーションとテストの数に繋がります。
このモデルでは、理論的には、小さな問題をプロジェクトの最終段階まで見逃すことなく、その都度対処することが可能です。
ウォーターフォール・モデル
ウォーターフォール・モデルは、すべてのSDLCのモデルの中で最も古いものです。このモデルは直線的で単純であり、開発チームはプロジェクトの1つのフェーズを完全に終了させてから次のフェーズに進む必要があります。
各ステージには個別のプロジェクト計画があり、前ステージから情報を取り込み、同様の問題が発生した場合にそれを回避することができます。ただし、初期の遅延に対して脆弱であり、後々開発チームに大きな問題が発覚する可能性があります。
反復モデル
反復モデルは、繰り返しと繰り返しテストに重点を置いています。ソフトウェア・プロジェクトは、各フェーズの終わりに新バージョンが作成され、潜在的なエラーを検出し、開発者が最終製品を市場に投入するまでに継続的に改善できるようにします。
このモデルの長所は、開発者が開発ライフサイクルの比較的早い段階で実用版を作成できるため、変更の実装が安価になることが多い点です。
スパイラル・モデル
スパイラル・モデルは、他の方法論と比較して柔軟性があります。プロジェクトは、螺旋状の動きで4つの主要な段階を繰り返します。
開発チームはカスタマイズ性の高い製品を作ることができ、受け取ったフィードバックをライフサイクルの比較的早い段階で取り入れることができるため、本モデルは、大規模なプロジェクトに有効です。
V字型モデル
V字モデル(Verification and Validationの略)は、ウォーターフォール・モデルに非常によく似ています。各開発段階には、潜在的なバグや不具合を発見するためのテスト段階が組み込まれています。
V字モデルは、非常に規律正しく、厳密なタイムラインを必要とします。しかし、理論的には、より大きなバグが制御不能になるのを防ぐことで、ウォーターフォール・モデルの欠点を克服します。
結論
本記事を通して、システム開発の流れを理解していただけましたでしょうか。各プロジェクトには独自の目的や目標があるため、採用すべき開発方法は企業によって異なります。そのため、十分な調査に基づいて決定されるべきです。適切なシステム開発ベンダーを選択することは、ソフトウェアの品質を確保するだけでなく、プロセスを加速させるためにも非常に重要なことです。
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