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バーティカル(Vertical)SaaSとホリゾンタル(Horizontal)SaaSの違いとは?

バーティカル(Vertical)SaaSとは、「特定の業界やニッチな分野に特化して設計されたソフトウェアサービス」のことです。一方で、ホリゾンタル(Horizontal)SaaSとは、「幅広い業界やビジネスで利用できるように設計されたソフトウェアサービス」のことを指します。本記事では、バーティカルSaaSおよびホリゾンタルSaaSの詳細や相違点、それぞれの具体例などをわかりやすくご紹介します。

目次

バーティカル(Vertical)SaaSとは

まず初めに、バーティカル(Vertical)SaaSの意味を確認しましょう。



バーティカルSaaS(Software as a Service)とは、「特定の業界やニッチな分野に特化して設計されたソフトウェアサービス」のことです。その業界特有のニーズや課題に対応することに重点を置き、企業の効率やパフォーマンスの向上に役立つオーダーメイドのソリューションを提供します。

 

バーティカルSaaSをより理解するために、「バーティカル」と「SaaS」に分けて、それぞれの意味を説明します。

 

バーティカル:

特定の業界や市場セグメントを指します。バーティカルSaaSの文脈では、ヘルスケア、教育、建設など、特定のタイプのビジネスやセクターに対応するように構築されたソフトウェアを意味します。

 

SaaS(Software as a Service): 

ユーザーのコンピュータにインストールするのではなく、インターネット経由でソフトウェアを提供するソフトウェアライセンスと配信モデルのことです。ユーザーは通常、ウェブブラウザーを通じてソフトウェアにアクセスし、ソフトウェアはサードパーティーのプロバイダーによってホストされます。

 

つまり、バーティカルSaaSとは、「インターネット経由で提供され、特定の業界特有のニーズに合わせて特別に設計されたソフトウェア」と理解することができます。

バーティカル(Vertical)SaaSのメリットとは

バーティカルSaaSには以下のような利点があります。

業界特化型の機能とサービス

バーティカルSaaSは特定の業界や業種に特化した機能やサービスを提供します。これにより、業界特有の課題やニーズに対応した最適なソリューションが提供され、効率的な業務改善が期待できます。

高い導入効果

業界特化型のソリューションを提供するため、既存の業務プロセスに適応しやすく、導入効果が高まります。これにより、短期間でROI(投資対効果)が向上し、経営効率の改善につながります。

専門知識を活用したサポート対応

バーティカルSaaSの開発者やサポートチームは、特定の業界に精通した専門知識を持っています。このため、専門的なアドバイスやサポートが受けられ、業務改善の効果がより大きくなります。

カスタマイズ性

業界特有のニーズに合わせてカスタマイズが可能であり、企業の個別の要件に合わせたシステム構築ができます。これにより、業務効率化や競争力向上に繋がる最適なソリューションを実現できます。

コミュニティ形成

バーティカルSaaSは、同じ業界の企業間で情報交換やノウハウ共有が容易になるコミュニティ形成を促進します。これにより、業界全体のイノベーションや競争力向上に貢献し、持続的な成長が期待できます。

ホリゾンタル(Horizontal) saasとは

Horizontal SaaS(Software as a Service)とは、「幅広い業界やビジネスで利用できるように設計されたソフトウェアサービス」のことです。

 

ホリゾンタルSaaSは、複数の業界にまたがって適用できる一般的なソリューションを提供することで、共通のタスクやプロセスでビジネスをサポートします。

 

「ホリゾンタル」とは幅広い業界や市場セグメントを指します。ホリゾンタルSaaSの文脈では、多くの異なるタイプのビジネスやセクターに対応するようにソフトウェアが構築されていることを意味します。

ホリゾンタル(Horizontal)SaaSのメリットとは

ホリゾンタルSaaSには、以下のような利点があります。

汎用性

ホリゾンタルSaaSは、業界や業種を問わず幅広い企業に対応した機能やサービスを提供します。これにより、多様な業界の企業が同じプラットフォームを利用でき、導入の敷居が低いと言えます。

コスト削減

ホリゾンタルSaaSは、多くの企業が利用することで開発や運用コストが削減されるため、低コストでの導入が可能です。また、クラウドサービスであるため、インフラ整備やメンテナンスのコストも抑えることができるでしょう。

柔軟な拡張性

ホリゾンタルSaaSは、APIやプラグインによって他のシステムとの連携が容易であり、機能追加やカスタマイズが可能です。これにより、企業の成長や変化に合わせて柔軟にシステムを拡張できます。

シームレスなアップデート

ホリゾンタルSaaSは、クラウド上で提供されるため、定期的なアップデートやセキュリティ対策が容易に実施できます。これにより、常に最新の機能や安全性を維持できます。

シェアドノウハウ

多くの企業が同じプラットフォームを利用することで、各企業が獲得したノウハウや成功事例が共有されやすくなります。これにより、他企業の成功を参考に、自社の業務改善やイノベーションを促進できます。

一方で、ホリゾンタルSaaSはバーティカルSaaSと異なり、幅広い業界向けに設計されているため、特定の業界特有のニーズに合わせた特殊な機能を備えていない場合があります。また、バーティカルSaaSのプロバイダーのように特定の業界に関する深い知識を持っていない可能性があり、専門的なサポートや指導を提供する能力が制限される可能性があるというデメリットが考えられます。

バーティカルSaaSとホリゾンタルSaaSの違いとは

バーティカルSaaSとホリゾンタルSaaSの違いを以下の表にまとめました。

 

 

バーティカルSaaS

ホリゾンタルSaaS

ターゲットオーディエンス

特定の業界

幅広い業界

カスタマイズ性

特定の業界に合わせた高いカスタマイズ性

各種業界向けの一般的なソリューション

業界知識

ターゲット業界に関する深い知識

複数の業界に関する広範な知識

実装の速さ

業界のワークフローに合わせているため速い

セットアップや導入に時間がかかる場合がある

コンプライアンス

業界固有の規制や基準に対応

特定の業界基準をカバーしていない場合がある

サポート

業界固有のニーズに焦点を当てたサポート

幅広い顧客向けの一般的なサポート

バーティカルSaaSの具体例

日本国内におけるバーティカルSaaSの例としては、以下の2つが挙げられます。

Ubie(ユビー)

引用元:https://ubie.life/

 

Ubieは、医療業界向けのAI診断支援システムです。症状や検査データから最適な診断を導き出すことを目指しており、医療業界特有の課題解決に貢献しています。こちらのシステムを導入することで、医師の診断精度向上や診療時間の短縮に繋がります。

SPIDERPLUS

引用元:https://spider-plus.com/

 

SPIDERPLUSは、建設業向けの業務効率化システムです。現場での情報共有や進捗管理、安全管理などの機能を提供し、建設業界特有のニーズに対応します。効率的なプロジェクト進行を支援し、業務の効率化に貢献します。

ホリゾンタルSaaSの具体例

一方、ホリゾンタルSaaSの例としては以下の3つが挙げられます。

Salesforce

引用元:Wikipedia


営業、マーケティング、サポートなど、様々な業界で使用できるCRM(顧客関係管理)ツールです。業界を問わず、顧客情報の一元管理や営業活動の効率化が図れるように設計されています。

Slack

引用元:https://slack.com/intl/ja-jp/blog/news/intl-ja-jp-slack-new-logo

 

Slackは企業内コミュニケーションツールで、業種や業界に関係なく、チーム間のコミュニケーションを円滑に進めることができます。メッセージの送受信やファイル共有など、幅広い機能が提供されています。

Trello

引用元:https://trello.com/ja/login


Trelloは、プロジェクト管理ツールで、タスクの整理や進捗管理が可能です。様々な業界で利用されており、業界特化型の機能は提供されていませんが、ユーザーはカスタマイズして利用することができます。

まとめ

バーティカル(Vertical)SaaSとは、特定の業界やニッチな分野に特化して設計されたソフトウェアサービスのことであり、ホリゾンタル(Horizontal)SaaSとは、幅広い業界やビジネスで利用できるように設計されたソフトウェアサービスのことです。それぞれターゲット層やカスタマイズ性、セットアップや導入の容易さなどの点において相違点があります。業界に特化した機能やサポート体制を求める場合は、バーティカルSaaSを導入することをおすすめします。

 

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