ruby on rails とは

【超入門】Web開発に用いられるRuby on Railsとは|特徴やできることを詳しく解説

Ruby on Railsは、Rubyというプログラミング言語をベースにしたWebアプリケーションフレームワークのことです。Ruby on Railsでは、Webアプリケーション開発に必要なさまざまな機能が提供されているため、開発者は手軽にWebアプリケーションを開発できます。本記事では、Ruby on Railsとはどのようなフレームワークで、その特徴はどのような点にあり、得意不得意、活用事例などについて詳しく解説していきます。

目次

1. Ruby on Railsとは

まず初めに、Ruby on Railsとは何か、そもそもフレームワークとは何かについて解説します。

「関連記事」Ruby言語とは?Rubyの特徴、メリット・デメリットと用途

概要

Ruby on Railsは、Rubyというプログラミング言語をベースにしたWebアプリケーションフレームワークです。これは、Webアプリケーションを開発する際に必要な様々な機能を提供し、開発者が手軽にWebアプリケーションを開発できるようになっています。

Ruby on RailsはMVCアーキテクチャに基づいており、アプリケーションをModel、View、Controllerの3つの構成要素に分けて開発します。これにより、コードの再利用性が高まり、アプリケーションの保守性や拡張性が向上します。

また、Ruby on RailsはCoC(Convention over Configuration)と呼ばれる設計思想に基づいており、一定の命名規則やディレクトリ構造を使用することで、開発者が煩雑な設定や構成作業を行わずに、効率的にアプリケーションを開発することを可能にします。

さらに、Ruby on RailsはRESTfulな設計に対応しており、リソース指向のWebサービスを簡単に作成することができます。データベースの操作も簡単に行えるようになっており、Active Recordというオブジェクト関係マッピング(ORM)ライブラリが標準で組み込まれているため、データベースとのやりとりを簡単に行うことができます。

その他にも、豊富なプラグインやgem(ライブラリ)が提供されているため、アプリケーション開発に必要な機能や様々な機能拡張を容易に行うことができます。

Ruby on Railsは、以上のような理由からWebアプリケーション開発において高い人気を誇っています。

フレームワークとは?

フレームワークとは、アプリケーションの構築に必要な基盤や機能を提供するソフトウェアのことを指します。つまり、開発者がアプリケーションの開発に集中することができるよう、汎用的なコードや機能、設計パターンやアーキテクチャを用意し、それをベースにアプリケーションを開発することができます。

フレームワークには、Webアプリケーション開発に特化したものもあり、Ruby on Railsもその一つです。フレームワークを利用することで、開発者は重複する処理や機能を自身で実装する必要がなくなり、開発期間の短縮やコードの再利用性の向上、保守性の向上など、様々なメリットがあります。

また、フレームワークには、開発に必要な機能やライブラリがすでに組み込まれているため、それらを適切に利用することで、高度な機能を簡単に実装することができます。フレームワークには、プログラムの構成や命名規則などがあらかじめ決められており、これらに従うことで、コードの可読性を向上させ、チーム開発でもコードの共有やメンテナンスが容易になります。

2. Ruby on Railsの特徴

Ruby on Railsの特徴は以下の通りです。

MVCアーキテクチャ
Ruby on Railsは、MVCアーキテクチャを採用しています。これは、Model(データ処理)、View(表示)、Controller(ユーザーの入力を処理する)の役割を分離することで、アプリケーションの保守性や拡張性を高めることができます。

CoC(Convention over Configuration:コンベンション・オーバー・コンフィグレーション)
Ruby on Railsは、CoCという原則に基づいています。CoCとは、フレームワークなどの開発環境において、設定ファイルの記述量を減らし、開発者がより簡単にアプリケーションの開発に集中できるようにする設計思想のことです。

例えば、Ruby on Railsでは、コントローラのファイル名やクラス名、アクションの命名規則があらかじめ定義されており、開発者はそれに従うことで、設定ファイルを減らすことができます。

この設計思想により、開発者は設定ファイルを意識する必要が少なくなり、アプリケーションの実装に注力することができるため、開発の効率性やコードの可読性が向上するというメリットがあります。しかし、設定ファイルの自由度が低いため、特定の機能を実装する場合には、ある程度の制約があるというデメリットもあります。

RESTfulな設計
Ruby on Railsは、RESTfulな設計をサポートしています。これは、Webアプリケーションをリソースとして扱い、HTTPメソッドを使用して操作することで、シンプルで柔軟なAPIを作成することができることを意味します。

データベースマイグレーション
Ruby on Railsは、データベースマイグレーションという機能を提供しています。データベースのスキーマをバージョン管理し、変更履歴を管理することで、開発者が簡単にデータベースのスキーマを変更できるようになります。

テストフレームワーク
Ruby on Railsは、テストフレームワークを提供しています。これは、開発者がアプリケーションの品質を確保するために、単体テストや統合テストを簡単に実行できるようにするためのものです。

以上のように、Ruby on Railsは、MVCアーキテクチャやコンベンション・オーバー・コンフィグレーション、RESTfulな設計、データモデルのマッピング、Scaffoldジェネレーターなど、開発者がアプリケーション開発に必要な多くの機能をすでに用意しており、効率的で迅速な開発を可能にしています。また、多言語対応やセキュリティ機能の充実、豊富なプラグインなど、アプリケーション開発に必要な機能が豊富に揃っている点も特徴の一つです。さらに、Ruby on Railsはオープンソースであり、開発コミュニティが活発に存在しているため、コミュニティからのサポートや拡張機能の提供など、アプリケーション開発に必要な情報やリソースが豊富に存在しています。

コンサルティングのために、連絡先情報を残してください!

ソフトウェアを開発したい場合は、すぐにお問い合わせください! CMC Japanは、品質とコスト効率に優れたベトナムトップクラスのITOサービスを提供しています。

3.Ruby on Railsが向いているプロジェクトとは

ここまでRuby on Railsの概要や特徴を確認しましたが、次はRuby on Railsがどのようなケースに適しているのかについてご紹介します。

【超入門】Rubyでスマホアプリを作る方法

Webアプリケーションの開発

Ruby on Railsは、Webアプリケーションの開発に向いています。MVCアーキテクチャを採用しており、RESTfulな設計をサポートすることができるため、Webアプリケーションの開発に必要な機能を提供しています。

プロトタイピング

Ruby on Railsは、簡単にアプリケーションをプロトタイピングできるため、アイデアの検証やデモの開発に向いています。また、開発速度が速いため、リリースまでの期間を短縮することができます。

中規模のWebアプリケーションの開発

Ruby on Railsは、比較的中規模のWebアプリケーションの開発にも向いています。大規模なWebアプリケーションの場合、パフォーマンスの問題が発生する可能性があるため、Ruby on Railsを使用する場合には、パフォーマンスに注意する必要があります。

スタートアップ企業のプロジェクト

Ruby on Railsは、迅速な開発を可能にするため、スタートアップ企業のプロジェクトに向いています。開発速度が成功の鍵を握るスタートアップ企業にとって、Ruby on Railsは非常に有効なツールとなるでしょう。

アジャイル開発

Ruby on Railsは、アジャイル開発に向いています。アジャイル開発は、迅速に変更に対応することが求められるため、短期間に品質の高いコードを開発する必要があります。Ruby on Railsは、アジャイル開発の要件に合わせたフレームワークとなっており、開発効率の向上につながるでしょう。

4.Ruby on Railsでできないこと

Ruby on Railsは、Webアプリケーション開発に特化したフレームワークであり、多くの場合はWebアプリケーションの開発に必要な機能を提供することができます。しかし、以下に示すように、Ruby on Railsにも苦手とすることがあります。

大規模システムの処理能力

Ruby on Railsは、シングルスレッドで動作するため、大量のリクエストを同時に処理することができません。これは、大規模なシステムの処理能力に限界があることを意味します。

※シングルスレッドとは、コンピュータのプログラムが実行されるときに、プログラム内の処理が一つのスレッドで順次実行されることを指します。つまり、一つの処理が完了するまで次の処理に移ることができないことを意味します。

リアルタイム処理

Ruby on Railsは、HTTPプロトコルに基づいたリクエスト/レスポンスモデルで動作するため、リアルタイム処理には向いていません。つまり、WebSocketやLong Pollingといった技術を使用して、リアルタイム通信を行うことはできません。

低レベルな操作

Ruby on Railsは、高度な機能を実現するために、多くの抽象化レイヤーを持っています。そのため、低レベルな操作や細かな設定を行いたい場合には、そのレイヤーを越えて直接処理する必要があります。これは、開発者にとっては少し手間がかかることになります。

スピード

Ruby on Railsは、機能性や開発効率を重視したフレームワークであるため、処理速度が重視される場合には、適切なフレームワークではありません。高速な処理が必要な場合には、より低レベルなプログラミング言語やフレームワークを選択する必要があります。

これらの理由から、Ruby on Railsは、特定のWebアプリケーション開発に適している一方で、すべてのWebアプリケーションに対応することができるわけではありません。開発者は、開発するアプリケーションの要件に応じて、適切な技術やフレームワークを選択する必要があります。

5.Ruby on Rails 活用事例

最後に、Ruby on Railsが用いられている事例を5つご紹介します。

Airbnb

Airbnbは、世界中の民泊施設を提供するサービスですが、これにはRuby on Railsが採用されています。AirbnbのWebサイトは、Ruby on Railsを用いることでユーザーが予約を行うための機能や、物件の検索・掲載、支払い処理など、多様な機能が実装されています。また、多言語対応やモバイルアプリの開発も行われており、多くの人々に利用されています。

小見出し2

GitHubは、プログラマー向けのバージョン管理システムであり、これにもRuby on Railsが使用されています。GitHubでは、ソースコードの管理機能や、Issue管理、Pull Request管理などが実装されています。

引用元:https://github.co.jp/

小見出し3

Basecampは、プロジェクト管理ツールであり、Ruby on Railsを使用しています。Basecampでは、タスク管理、スケジュール管理、コミュニケーション機能などが実装されており、複数のプロジェクトを管理することができます。また、Basecampはチームワークを促進する機能が豊富で、多くの企業や組織で利用されています。

引用元:https://basecamp.com/

小見出し3

Cookpadは、レシピ投稿サイトであり、Ruby on Railsが用いられています。Cookpadでは、ユーザーがレシピを投稿する機能や、レシピの検索・閲覧機能が実装されています。

引用元:https://cookpad.com/

小見出し3

CrunchBaseは、企業情報のデータベースサイトであり、Ruby on Railsを使用しています。CrunchBaseでは、企業の情報収集や比較機能が実装されており、ビジネスパーソンや投資家たちに利用されています。

まとめ

本記事では、開発初心者の方でも理解できるようにわかりやすくRuby on Railsとはどのようなフレームワークであるのかについてご紹介しました。その特徴や得意不得意なこと、活用されている身近な事例について知っていただけたのではないでしょうか。コードが簡潔かつ読みやすいため、開発経験が少ない方でも比較的学びやすいフレームワークであると言えます。興味がある方は一度挑戦してみてください。

本記事の読者の中で、Webアプリケーションの開発パートナーを探している企業様は、是非CMC Japanにお任せください。CMC Japanは30年の開発ノウハウおよび幅広い業界知識とスキルを持ち合わせた2200人以上のITエンジニアを擁しています。お客様のビジネス要件、プロジェクト要件をヒアリングし、最適な開発言語およびフレームワークにより高品質かつリーズナブルなITソリューションを提供いたします。お気軽にお問い合わせください。

>> リーズナブルなWebアプリケーション開発に関する無料相談はこちら