パッケージシステムとは? パッケージシステム開発のメリット・デメリット
本記事では、パッケージシステムとは何か、そしてパッケージ開発とカスタム開発の違いについて説明し、費用対効果・機能性・柔軟性に優れた適切なオプションを選択するのに役立ちます。
1.パッケージシステムとは
パッケージシステム(またはパッケージソフトウェア)とは、一般向けの基本的な機能を備えた様々なプログラムのセットのことを指します。パッケージソリューションは、B2Bビジネスの特定のニーズに対応するためにサードパーティ企業によって開発されています。ソリューションプロバイダーは、ソリューションをすばやくインストールして簡単に実行できるよう、サービスをシンプルかつ使いやすくなるよう改良し続けます。
パッケージ開発にはいくつかのタイプがあります。
- SaaS (Software-as-a-Service):マーケットプレイスは、既製のWebサイト、ホスティング及びCRM(顧客関係管理)システムを提供するため、パッケージ開発の例としてあげられます。SaaSは主にオンラインストアで利用されています。サイトにコンテンツを入力し、視覚的な外観を選択するというのが基本的な作業であり、ドラッグ&ドロップ方式で要素を簡単に移動させることができます。
- オープンソースのCMSソリューションとは、コンピュータにダウンロードして任意のホスティングにインストールできるソフトウェアのことです。これらのソリューションはWebリソースの中心にあり、テンプレート、ウィジェットやプラグインを開発し、問題解決を支援する大規模なコミュニティを持っています。オープンソース開発はユーザーがWebリソースを作成および編集するのを支援することを目的としています。
2.パッケージシステム開発のメリット・デメリット
2.1.パッケージシステムのメリット
短期間で開発ができる
パッケージシステムの主な利点の1つは、購入、インストール、および使用がより高速にできることです。 知識やスキルがある方であればパッケージソフトウェアを1日で完成させて実行することもできます。
安い初期費用
通常、パッケージソフトウェアはカスタムソフトウェアよりも安価です。これは、このプログラムが大衆市場向けに設計されているためです。より多くの人を対象としているため、開発にかかる全体的なコストは多くのユーザーに分散されます。
ユーザーレビュー
発売日にパッケージソフトウェアを購入する場合を除き、製品のユーザーレビューがあり、他のユーザーがそのソフトウェアについてどのように考えているか、またそのソフトウェアが自身に適しているかどうかを確認することができます。
無料の試用期間
ほとんどのカスタムソリューションとは異なり、パッケージソフトウェアには通常無料試用版があります。つまり、興味のある製品を実際にテストして、それが求めていたソフトウェアであるかどうかを実際に確認することができるのです。
コミュニティサポート
購入前にユーザーレビューを読むことができるのと同じように、ソフトウェアに問題がある場合、通常はコミュニティフォーラムにアクセスすることができます。他のユーザーが同様の問題を抱えているかどうかを確認し、それらを解決する方法をすばやく見つけることができます。
2.2.パッケージソフトウェアのデメリット
どのようなソフトウェアであれ強みもあれば弱みもあります。既製のソフトウェアを使用する場合のデメリットをいくつか見てみましょう。
時間の経過とともに追加される費用
パッケージソリューションは最初は安くても、時間の経過とともにコストがかかる可能性があります。これは、月額費用、固定料金、追加機能の購入、及びカスタムソフトウェアで実行できる特定のアクションを実行できないという場合に対する費用が含まれます。
コントロールの欠如
通常、パッケージソフトウェアをユーザーが制御することはできません。ユーザーはソースコードを所有しておらず、それがどのように構築されているかについても知ることも変更を加えることもできませんのでアップデートや変更により、ソフトウェアがニーズを満たさなくなる場合があります。
柔軟性の欠如
パッケージソフトウェアで得られるものをただ理解するしかありません。自分の役に立つ機能をソフトウェアに追加するよう開発者に指示することはできません。その代わりに、必要な機能を開発するために追加の費用を支払う必要があります。
機能の不足
パッケージソフトウェアは、できるだけ多くのユーザーが利用できるように設計されています。その結果、必要な機能が不足している可能性があります。探している機能が見つからない場合は、複数のソリューションを組み合わせて使用してみてください。
サポートの欠如
すべてのパッケージソフトウェアにサポートが付属しているわけではありません。そして、サポートが付属しているソフトウェアの中でも、そのすべてが質が高いとは限りません。サポートやトレーニングにアクセスできないことにより問題が長引く可能性があります。
3.パッケージシステムとカスタムシステムの比較
カスタムシステムは、部門または企業内の特定の目標のために作成されるシステムです。そのため、通常カスタムソフトウェアはパッケージソフトウェアよりも高価です。パッケージソフトウェアとは異なり、カスタムソフトウェアはカスタムビルドであるため、必要に応じて修正または変更できます。
パッケージシステム (パッケージソフトウェア) |
カスタムシステム (カスタムソフトウェア) |
一般向けの基本的な機能を備えた様々なプログラムのセットである |
部門または企業内の特定の目標のために作成されるプログラムである |
低コスト |
特定の目的のために開発およびカスタマイズされるため、パッケージソフトウェアよりもコストが高くなる |
簡単なインターフェイスを備えているため、使いやすい |
カスタムビルドまたはカスタマイズされているため、使いにくい |
市販されており、誰もが購入でき、使用できる |
市販されておらず、サードパーティ専用である |
変更が難しい |
必要に応じて変更または修正できる |
4.カスタムとパッケージ のどちらを選ぶべきか
それでは、本記事のメインテーマに移ります。どのオプションを選択すべきかという決断を下す前に、次の質問に答える必要があります。
他のツールと統合できるか
これはソフトウェアソリューションを探す時に心に留めておくべきことです。ソフトウェアはこれらのツールを統合できるのが理想的です。すべてが相互接続されているため、相互に通信できないツールを使用する余裕はありません。様々なツールから情報をすばやく取得できる、使いやすいソフトウェアを選択してください。
ニーズは何か
どのような問題を解決しようとしていて、なぜソフトウェアソリューションを探しているのでしょうか。これは業界で一般的なニーズであるのか、それとも固有のニーズであるのか。ソリューションを選択する時には、これらすべての要素を考慮する必要があります。要件が独自のものである場合、パッケージソリューションでは必要な機能が提供されない場合があります。カスタムソフトウェアを使用すると、特定のニーズに合わせてカスタムワークフローや機能を作成できます。
どのような問題を解決しようとしているのか
一般的なソフトウェアを探していますか、それとも特定の問題を解決するソフトウェアを探しているのでしょうか。問題を解決しようとしている場合、それは一般的なものであるのか、それとも独自のものであるのか。一般的な問題はパッケージソフトウェアで簡単に解決することができますが、固有の問題はおそらくそうではありません。ソフトウェアを購入する時はこの点に注意してください。
どの機能を使用するのか
これは、パッケージソフトウェアにおいてより考慮する必要があります。提供される機能のうち、どの機能を使用するのかを確認する必要があります。既製のソフトウェアには、機能が多すぎるまたは、不十分である可能性があります。前者の場合は、多額の費用を支払うことになることになり、後者は、カスタムソリューションの使用を検討する必要があります。いずれにせよ、カスタムソリューションを選択すれば、支払った料金に見合った機能を確実に使用することができます。
ビジネスに合わせて拡張できるのか
新しいソフトウェアの採用は簡単な作業ではありません。実装やユーザートレーニングには多大な時間と労力がかかります。これは、3~5年ごとに行うだけであれば問題ありませんが、毎年新しいソフトウェアに切り替える必要がある場合は別です。ビジネスの規模や成長を考慮する必要があります。そのソフトウェアはビジネスに合わせて拡張できるのか、ソフトウェアを数年間単位で使用できるのかを確認する必要があります。
結論
本記事を通して、パッケージソフトウェアの概念やパッケージシステムとカスタムシステムの違いを理解していただけましたでしょうか。成熟した企業は通常、ニーズや要件を満たすためにカスタム開発を選択します。会社が継続的に成長している場合は、信頼できるITパートナーを探して、大規模なプロジェクトを維持し、さらに前進させる必要があります。
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