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AWSがビジネスにもたらすメリットとは?成功事例も紹介!

クラウドコンピューティングという単語を聞いたとき、まず初めに思い付くのはAWS(Amazon Web Service)なのではないでしょうか。AWSは、クラウドコンピューティング市場の32%のシェアを獲得しており、世界で最も利用されているクラウドサービスです。本記事では、なぜクラウドコンピューティングと言えばAWSなのか、その人気の秘密とAWSの導入成功事例をご紹介します。 

AWSとは?

AWSは、世界で245か国で提供されており、シェアNo.1を誇る人気なクラウドサービスです。145以上のサービスが展開されています。最先端のテクノロジーを利用できるだけでなく、そのスケーラビリティや高いセキュリティ、明確な料金体系が評価され、世界中の企業に導入されています。 

AWSがビジネスにもたらす7つのメリット

1. 導入コストゼロ&従量課金制&即導入

従来のインフラ構築には、ハードウェアの調達および設置が必要であり、多額の導入コストがかかるだけではなく、多くの時間も要しました。サーバーを発注してから納品されるまでに数週間単位の時間が必要であったり、納品後の取付作業やネットワーク設定、OSやミドルウェアのインストールが必要であり、とにかく時間と労力を要しました。  

一方で、AWSを導入すれば、それらの準備をすることなく、初期費用ゼロで、数クリックで即座に、ビジネスニーズに合わせて柔軟にITリソースを確保することができるようになりました。  

また、料金体系も従量課金型であるため、必要な時に必要な分だけサービスを利用し、利用したITリソースの量により、秒または時間単位で課金されます。必要ない時はサービスの利用を停止することで、課金も停止することができます。これにより、スタートアップ企業の立ち上げ期やプロトタイプ開発など、小さく開発を始めたい時に少ないコストで実現することができます。  

これらのことから、AWSサービスの利用はコスト効率の高い選択肢と言えます。 

2. サービス利用料の継続的な値下げ

AWSは、2006年にサービスの提供を開始してから、2023年3月現在までに129回以上のサービスの値下げを実施しており、企業にとって導入のハードルが年々下がっています。 

AWSが継続して値下げすることができている理由は、顧客の拡大と技術への再投資に起因するサービス効率の改善です。この好循環により、規模の経済が働き、AWSはコスト低下分をさらにクライアントに自動的に還元するようにしており、ITコストの単価が継続的に低減しているわけです。 

これにより、より多くの企業にとって利用しやすい価格となり、顧客が増えれば、さらなる技術投資へとつながり、優れた技術をさらに安い料金で提供できるようになります。 

引用元:https://aws.amazon.com/jp/aws-ten-reasons/
引用元:https://aws.amazon.com/jp/aws-ten-reasons/

3. 優れた拡張性

従来のオンプレミス型のサーバーでは、緻密な予測のもと、サーバーがダウンしないようにキャパシティーに余裕をもたせるようにしていたため、コスト効率がいいとは言えませんでした。また、予想外のアクセスがあった際や、逆に全くない場合にリソース不足や過剰が発生してしまうという課題がありました。 

一方で、上述したように、AWSはビジネスニーズに合わせて、必要なときに必要な数だけ、数クリックでサーバーの台数を増やしたり減らしたりすることが可能です。さらに、サーバーのCPUやメモリ、ストレージサイズもニーズに合わせて柔軟に変更することができます。そのため、アクセスが少ない夜間や週末、キャンペーンやイベントなどの繁忙期など、需要の多い少ないに合わせて、ITリソースを最適化することができるようになります。そうすることで、需要が少ないときは、無駄なコストを払わずに済み、需要が急速に増えたときもリソースを拡張することでビジネス機会の損失を防ぐことができます。あらかじめ、設定していた上限に達した場合に自動的にリソースを調達されるように設定することも可能です。 

4. 高いセキュリティ

AWSは、クライアントにクラウドサービスを提供するうえで、特にセキュリティの確保に注力しています。AWS公式HPに掲載されている以下の画像からも、AWSはセキュリティやプライバシーに関する認証を多く取得しており、安心して利用できるクラウドサービスであると言えます。 

また、AWSは、責任共有モデルを採用しています。責任共有モデルとは、AWSが提供するサービスにおいて、AWSとクライアントで責任を持つところを明確に隔てるという考え方です。 

具体的には、AWSは、ハードウェアやソフトウェア、ネットワークなどのインフラに関する責任を負います。例えば、世界のあらゆる場所に設置されているAWSの物理的な施設の適切な管理、関連する電力システムの24時間年中無休の継続的な監視など、クラウド環境における責任を負っています。 

一方で、AWSのサービスを利用するユーザー企業は、サービスごとに責任範囲が定められています。例えば、Amazon EC2などのIaaSを利用する場合、その中で扱うデータの暗号化などをはじめとした管理は、ユーザー企業の責任範囲となります。他にも、データへのアクセス権限を誰に付与するのかなどの管理もユーザー企業の責任範囲です。 

つまり、AWSは、サーバーのセキュリティの確保および安定した稼働を保証する責任を負うが、その先のユーザー企業のデータ資産などの保護などは、ユーザー企業自身が責任を持って対応しなければならないということです。 

引用元:https://aws.amazon.com/jp/aws-ten-reasons/
引用元:https://aws.amazon.com/jp/aws-ten-reasons/

5. 最先端技術が利用可能

AWSは200以上のサービスを提供していますが、それには機械学習やブロックチェーンIoT、量子コンピューターなどが含まれ、AWSを利用することで、常に最先端テクノロジーに触れ、イノベーションを生み出すことが可能です。 

さらに、サービスラインナップの継続的な拡充により、AWS上で実現できることが増えていき、サードベンダーを介さずに開発を進めていけるようになります。これにより、余計な労力を割く必要がなくなり、よりコア業務に専念することが可能になります。 

6. グローバル展開の容易性

AWSは、世界中にリージョンと呼ばれるサービス拠点を持っており、それぞれにアベイラビリティーゾーンというデーターセンター群を擁しています。ユーザーがどの地域・国から利用したとしても、同じパフォーマンス、セキュリティ、信頼性、スケーラビリティを提供します。 

特定のリージョンで構築したシステムを別のリージョンや異なるAWSアカウントで全く同じシステムを再構築することも可能になります。つまり、AWSは、1クリックで、世界中にアプリケーションを低レイテンシーでデプロイしたい企業にとって、魅力的なサービスであると言えます。 

7. マネージドサービス

AWSマネージドサービスとは、ユーザーの代わりにサービス提供者であるAWSがSaaS(Software as a Service)やPaaS(Platform as a Service)のクラウド基盤を管理するようなクラウドサービスのことです。 

AWSの大乗的なマネージドサービスには、RDS(Amazon Relational Database Service)、Elastic Beanstalk、S3(Simple Storage Service)などがあります。 

RDSとは、OSにMySQLやPostgreSQLがすでにインストールされているリレーショナル型データベースであり、すぐにデータベールを利用することができるサービスです。AWSにより、データのバックアップやサーバーの冗長化が行われます。 

Elastic Beanstalkは、アプリケーション開発に必要なOSの設定、ネットワークの設定などの環境を提供することで、アプリケーション構築をサポートするプラットフォームです。 

S3とは、AWSが提供するストレージサービスです。AWSが筐体の運用監視や、保存データ量の上限監視を代わりに行ってくれるため、ユーザーはデータの容量を気にすることなく、他の作業に集中することができます。 

マネージドサービスを利用する最大のメリットは、リスク管理や品質管理、セキュリティパッチ、バックアップ、システムの監視などをAWSが行ってくれることによる運用コストの大幅な削減にあります。 

業界別のAWS導入成功事例

ここでは、AWSの公式HPに掲載されているいくつかの成功事例の中から、「小売業」「製造業」「金融業」「ヘルスケア」における事例を1つずつご紹介します。 

小売業

企業名   :株式会社大創産業(DAISO) 

プロジェクト:データ分析ツールをAWSでリプレースし、全従業員がデータの活用へ 

引用元: https://www.daiso-sangyo.co.jp/
引用元: https://www.daiso-sangyo.co.jp/

まずは、誰しもが一度は見たことあるいは利用したことがあるであろう100円ショップ『ダイソー』を展開する株式会社大創産業の事例です。 

同社は、世界で約6,000店舗、76,000アイテムもの商品を取り扱っており、2013年よりAWSを活用した発注システムを構築しました。2014年にはAmazon Redshiftを用いた自動発注システムの構築、次にサーバーレス化に取り組みました。 

同社は、2018年にPOSデータ集中処理システムをAWS Lambdaなどを用いて構築しました。AWSの優れた拡張性により、ピーク時間でも安定した処理が可能となり、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)の活用によりデータの長期保管も可能となりました。 

次に、DAISOが取り組んだのが、データを可視化するビジネスインテリジェンス(BI)ツールのサーバーレス化です。Amazon QuickSightを2か月で導入し、サーバー構成を含め、年間1,600万円近くのランニングコスト大幅削減に成功しました。

2020年には、社員のデータ活用を見据え、部門別ダッシュボードの構築に取り組み、2022年12月時点で、全社で約40種類のダッシュボードを公開されており、ほぼ全従業員が利用できるようになりました。 

今後は全社員によるデータ活用やデータドリブン経営の推進に向けて、Amazon QuickSightのユーザーを全国の店舗まで拡大し、店舗ごとに最適化された活用をサポートしていく予定です。 

さらに今後は、AWSの機械学習サービスを用いた予測や、タイムリーなデータ連携に取り組むことが計画されているようです。 

詳細はこちら→https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/daiso-case-study/?did=cr_card&trk=cr_card 

製造業

企業名   :日産自動車株式会社(NISSAN) 

プロジェクト:複数のSAPシステムをオンプレミス環境からAWSにマイグレーション 

引用元: https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/23/Nissan_2020_logo.svg

車やサービルをグローバル展開する日産自動車株式会社の事例です。 

同社は、オンプレミス環境においてSAP ERP(ECC6.0)という会計系システムを運用してきました。しかし、ハードウェアやOSの陳腐化が進んでいたということもあり、万が一サーバーに生涯が発生すると、会社全体だけでなく、お客様にも迷惑をかける可能性があったため、サーバーのAWSへの早急な移行が求められました。 

取り組みは2018年に始まり、2021 年にかけてまでに合計8つのシステムがAWSへと移行されました。同社のポリシー上、オンプレミスからAWSをネットワークでつなぎ、直接データを転送することはできなかったため、ハードディスクを介したデータ移行が行われました。 

同社は、AWS への移行により、データ処理、画面操作、バッチ処理などで明確な効果を得ることができました。SAP S/4HANA化したProduct Costingにおいて74%の月次処理時間の短縮、他のシステムにおいても業務プロセスの実行時間が 20% ~ 80%短縮、2時間30分要していた業務が45分に短縮など業務の効率化に成功しています。 

詳細はこちら→https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/nissan/?did=cr_card&trk=cr_card 

金融業

企業名   :株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG) 

プロジェクト:大量の口座情報などの各種データを活用する基盤の構築 

引用元: https://www.mufg.jp/

国内のみならず、世界に金融サービスを展開する株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の事例です。 

同社は、2017年より、オンプレ環境で運用されていたシステムのAWSへの移行に着手しました。 

具体的には、行内のあらゆるデータを蓄積するためのAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)を用いたデータレイク、加工データを蓄積するためのAmazon Redshiftを用いたデータウェアハウス、データを可視化するためのBIツールから構成されるデータ利活用プラットフォームの構築に取り組みました。 

その過程で、機密性の高いデータをクラウド上で管理するうえで、サイバー攻撃や関係者による不正アクセスなどのリスクを乗り越えるためのセキュリティ対策がカギとなりました。 

現在は、データ利活用プラットフォームに、4,000万の顧客口座情報や過去10年分の取引明細などの構造化データおよび口座振替依頼書の画像データなどの非構造データを蓄積されており、蓄積したデータを簡単に検索・抽出できるようにするためのポータルサイトを構築しています。ユーザーは必要に応じてデータを検索し、ダウンロードしたりすることが可能です。 

営業店では、営業店用のダッシュボードが提供されたことで、データ加工・集計作業の効率化が進み、コア業務であるセールス業務に専念することが可能になりました。 

詳細はこちら→https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/mufg-case-study/?did=cr_card&trk=cr_card 

ヘルスケア

企業名   :MICIN(マイシン) 

プロジェクト:AWSマネージドサービスを活用したセキュリティとアジリティの高い開発の推進 

引用元: https://micin.jp/
引用元: https://micin.jp/

オンライン診療サービス『curon(クロン)』の開発、運営を手がける医療テックスタートアップ MICIN(マイシン)の事例です。 

同社は、2015年創業当初からAWSを活用しており、データを活用したサービスの開発・提供をしています。医療業界は、個人に付随するデータを多く扱う業界であり、高いセキュリティと厳格な情報管理が求められます。そこで、同社は、AWS Well-Architected Framework ReviewやAWS Control Towerを用いたアカウントにより、コンスタントなセキュリティの改善や一元管理を実現しています。 

さらに、スタートアップにとって、開発スピードが命と言えます。同社は、マネージドサービスの Amazon SagemakerやAWS Amplify を用いてアジリティの高い開発体制を実現しました。例えば、わずか2日という短い期間でのリリースした処方箋のFAX送受信機能は、大きな反響があり、1か月で2000件以上の薬局に導入されました。 

このことから、ビジネスにおけるクラウドの活用は、企業の規模を問わず重要であることがわかります。 

詳細はこちら→https://aws.amazon.com/jp/solutions/case-studies/micin/?did=cr_card&trk=cr_card 

まとめ

以上のことから、AWSを導入した企業の多くは、コスト効率化、セキュリティの向上、ビッグデータの蓄積・管理・抽出、優れた拡張性などのメリットを享受しています。柔軟性やスピードが求められる今日のビジネス環境において、コストを最適化し、競争力を維持するためにもレガシーシステムからクラウドへの移行が不可欠と言えます。 

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