CIOが直面するGenAIの課題:Cスイートとの優先事項の違い
ガートナーが2024年に実施したCIO調査によると、CIOのGenAIに対する理解は2023年の調査以来向上しており、より多くのCIOが自身を「熟練者」や「上級者」と評価しています。また、CIOは、CスイートがGenAIの理解や探求に、より多くの時間を割いていると感じています。
調査対象のCIOの多くは、GenAIの価値を「中程度」または「広範」と捉えており、特に生産性の向上、顧客体験の強化、デジタルビジネストランスフォーメーションが主な価値領域として挙げられています。一方で、Cスイートの優先事項としてGenAIを「中程度」と評価する者が増えた一方で、「緊急の優先事項」と考える者は変わっていませんでした。
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目次
CIOのGenAIに対する知識とCスイートのGenAI探求への投資が増加
調査に参加したCIOは、GenAIの価値に対する理解が引き続き向上していると報告しています。CIO自身によると、GenAIに関する知識が向上し、52%が「熟練者」または「上級者」と評価しています。これは9か月前の38%からの大幅な増加です。また、CIOは42%のCxOがGenAIの理解に時間を投資していると報告しており、9か月前の33%から増加しています。しかし、回答者の53%は自社のCxOを「初心者」と評価しています。GenAIに関する知識と理解は向上しているものの、CIOはCスイート全体でのさらなる理解促進に向けた取り組みを続ける必要があります。
出典: Gartner
CIOが信じるGenAIの潜在的価値とCスイートの優先度にギャップが存在
調査に回答したCIOの95%が、GenAIには中程度から広範にわたる潜在的価値があると信じています(「GenAIの価値に対する回答者の認識」を参照)。一方で、CIOが報告するところによると、58%のCスイートはGenAIを中程度の優先事項として捉えており、これは9か月前と比べ13%の増加を示しています(「GenAIイニシアチブに対するCスイートの優先度に対するCIOの認識」を参照)。しかし、GenAIを高い優先事項と見なすCスイートの割合には統計的な変化は見られませんでした。
このギャップは、CIOがGenAIの価値を企業に提供できると強く信じている一方で、Cスイートはこれを依然として中程度の優先事項と捉えていることを示しています。これは、CIOが同僚にGenAIの価値を理解させるために、さらに積極的な取り組みが必要であることを示唆しています。また、CスイートがGenAIとは異なる成果、例えば追加の収益や成長に焦点を当てている可能性も考えられます。
GenAIの優先事項は主に生産性向上に向けられている
CIOの報告によれば、ビジネスにおける主な価値領域は、生産性の向上、顧客体験の改善、デジタルビジネスの変革が挙げられ、74%の回答者が生産性向上を最も重要な価値として位置付けています。これに対し、収益や利益率の向上に関連する価値領域は比較的低い結果となりました。
- 収益性向上 = 12%
- 市場シェア拡大 = 5%
- 収益拡大 = 3%
この結果から、GenAIは日常的な技術として位置づけられており、画期的な技術というよりも、日常的な業務の効率化に主に役立つと見なされていることが明らかです。
CIOは企業におけるGenAI導入の主導的役割を担う責任がある
調査結果によると、48%のCIOが、企業におけるGenAI導入の取り組みに対して直接的な責任を負っていると報告しています。さらに、28%は企業のGenAI戦略策定において責任を持つチームメンバーとして活動しています。責任を負っているCIOの52%は、この責任が他の幹部と共有されていると述べています。
結論
生成AIは、企業にとって生産性やイノベーションを飛躍的に向上させる変革の機会を提供します。しかし、その価値を最大限に引き出すためには、CIOがCスイートとのギャップを埋め、AIイニシアチブを戦略的優先事項と整合させることが不可欠です。この取り組みを主導することで、CIOは生成AIを企業全体で運用効率と長期的な競争優位性の重要な推進力として活用できます。
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