クラウド レンダリング

クラウドレンダリングとは? 長所と短所

1996年に誕生したクラウドコンピューティングは、実質的にあらゆるデバイスからデータを保存し、処理し、アクセスするための強力なソースとして進化してきました。これは、安定したインターネット接続を介して、レンダリングタスクのオフロード、ビデオゲーム、映画、テレビのストリーミング、および大規模なデータセットの処理に使用できるリモートサーバーのネットワークです。

では、クラウドコンピューティングは、3Dの世界にどのように関係してくるのでしょうか?本記事では、クラウドレンダリングとは何か、そしてそれがどのようにユーザーに創造性の向上やコスト削減などのメリットをもたらすのか、またその課題とは何かについて解説します。

1. クラウドレンダリングとは?

レンダリングの準備が整うまで、長時間待たされた経験はありませんでしょうか。もしかすると、納期に間に合わなかったり、レンダリングが終わることを待つだけで大きなストレスを感じたことがあるのではないでしょうか。。クラウドレンダリングは、それらの悩みを解決するシンプルかつ迅速なソリューションです。

まず、アニメーションや3Dビジュアライゼーションは、光や反射、影などを表示するために計算される必要があり、このプロセスをレンダリングと呼びます。前述したように、これは簡単かつ迅速なプロセスではなく、相当量のコンピューティングパワーと、時間を要します。

クラウドベースのレンダリングサービスを利用すれば、レンダリングのプロセスをはるかに速くすることが可能になります。このクラウドベースのレンダリングサービスは、レンダーファームサービスとも呼ばれます。

レンダーファームは、3D画像の計算に特化した多数のコンピューターシステムで構成されています。これらのシステムはレンダーノードと呼ばれ、あなたのプロジェクトをレンダリングできるように必要な3Dソフトウェア、レンダラー、プラグインが搭載されています。

その上、ハードウェアはCPUとGPUのレンダリングに最適化されており、大規模なレンダーファームにおいては、最大で数千のレンダーノードが含まれることがあります。

クラウドレンダリング blender

例えば、1秒のシークエンスがあったとして、それを1つのローカルシステムではなく、100のレンダーノードでレンダリングした場合、10日間を要するレンダリングが約2.5時間に短縮されます。

2. クラウドレンダリングの長所

  • 高速レンダリング

クラウドレンダリングの分散レンダリングは、多数のサーバーをオンラインにしてレンダリングを行うため、レンダリング速度を大幅に向上させることができます。

  • バッチレンダリング

クラウドレンダリングは、多くのファイルを同時にレンダリングすることができるため、ローカルマシンでは不可能なマルチタスクや大幅な時間短縮が実現可能です。

  • ローカルスペースの解放

レンダリングはローカルコンピュータの容量をすべて使うことがあり、動作が遅いだけでなく、高温になり、ローカルコンピュータの寿命を大幅に縮め、企業のコストを増加させることがあります。

レンダリングのために作品をクラウドにアップロードすることに成功した場合、3d Maxのプログラムを終了し、ローカルコンピュータの電源を切ることができます。クラウドレンダリングに移行することで、ローカルコンピュータの容量を解放し、その他のタスクをモデリング、ドローイングし、継続しながら消耗を減らすことができます。

  • 常時稼働

レンダリング プラットフォームにログインするだけで、ワンクリックで作品を完全に自動的にパッケージ化して送信し、ファイルを複数行でアップロードおよびダウンロードし、リアルタイムでレンダリングをプレビューして進行状況を追跡することができます。

  • 24時間365日対応カスタマーサービス

ほとんどのレンダーファームは便利なカスタマーサービスを提供しています。クラウドレンダリングを利用する全プロセスにおいて、ユーザーは自力で解決しようとしますが、時には解決できない問題も発生します。。そのような問題に迅速に対処するために、ほとんどのレンダーファームサプライヤーは24時間365日体制のカスタマーサービスを提供しています。

  • 柔軟な料金プラン

クラウドレンダリングサービスプロバイダーは、個人または組織のニーズに合わせ、幅広い料金プランを提供しています。中には、基本的な機能と帯域幅を備えた無料のクラウドレンダリングサービスをユーザーに提供しているところもあります。組織は、高度な機能と帯域幅の増加のために、20ドルから始めることができます。

3. クラウドレンダリングの短所

  • インターネット接続が必要

多くの都市やオフィスにおいては、無料の無線LANが利用できるにもかかわらず、クラウドレンダリングにはインターネット接続が必要なことがネックになっています。大した問題ではないかもしれませんが、異常気象や一時的な停電が発生した場合、安定したインターネット接続が確保できないことは、レンダリングを行いたいデザイナーにとって非常に不便です。

  • 制御の低下

プリレンダリングの段階で、クラウドレンダリングプラットフォームは、一般的にいくつかの設定を提供し、それをオンまたはオフにすることができます。これは、最終的な画像とその品質が、プロジェクトにおいてレンダラーが光の処理をどのように選択するかによって決定されることを意味します。クラウドレンダリングプラットフォームでレンダリング時間を短縮するために、このような限られた選択が必要な一方、デザイナーは、レンダリングした作品を早く戻すために、追加のコントロールをあきらめなければならないでしょう。

  • 品質は導入するソフトウェアに依存する

最終的な品質は、ソフトウェアに実装されている技術に依存します。クラウドレンダリングプラットフォームを検索する場合、最新技術を取り入れているか、どのようなコンピュータグラフィック技術(例:レイトレーシング)を使用しているかを確認することが重要です。また、サンプルプロジェクトがあるかどうかも重要なポイントです。それらを確認することで、、彼らのサービスがあなたの基準に合うかどうかを判断することができるでしょう。

まとめ

高品質かつフォトリアリスティックな3Dアニメーションを作成するための3Dレンダリングソフトウェアサービスはたくさん存在します。その中から、自社やクライアントのニーズに最も適したクラウドレンダリングソフトウェアを見極め、ソフトウェアレンダリングエンジンや強力なレンダーファームでワークフローの最適化、間接費の削減、レンダリング時間の短縮を実現しましょう。利用するレンダリングクラウドプロバイダーを選ぶ際には、コストのみならず、手続きの容易さ、クラウドサービスのソフトウェアとの相性、カスタマーサービスが充実しているかどうかにも注意する必要があります。

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