Excel/AccessとCRMシステムによる顧客関係管理とは｜おすすめのCRMソフト5選
インターネットが発達した現代において、顧客に関するあらゆるデータを収集することは非常に容易になりました。しかし、データを収集すること自体にはあまり価値はなく、それらを管理し、企業活動に有効に活用することで初めて恩恵を享受することができます。収集した顧客情報を上手く活用できた企業は、顧客満足度を向上させることができ、結果として企業利益の向上に繋がります。そのような点でCRM（顧客関係管理）というキーワードは近年注目を集めています。
本記事では、CRM（顧客関係管理）とは何で、Excel/AccessやCRMシステムによる顧客関係管理にはそれぞれどのようなメリットとデメリットがあるのかを説明し、最後には、無料で使えるおすすめのCRMソフト5選を紹介します。
目次
1.CRMとは
概要
CRMとは、“ Customer Relationship Management ” の略であり、日本語では「顧客関係管理」と訳されます。広義の意味では、「お客様との良好な関係を継続的に築いていくための管理」を意味します。自社の顧客に付随するあらゆるデータを一元管理し、必要な情報を最適なタイミングで企業活動に活かすことを目的とされます。顧客に関するデータとは、具体的に年齢や性別、氏名、所属企業、役職、過去の購買情報などです。これらを会社全体でまとめて管理し、営業やマーケティング、カスタマーサクセスなどの部署を問わず、必要な時に誰でも取り出せるように管理することで、自社のサービスの品質を高め、顧客満足度を向上させ、顧客との良好な関係を長期的に築くことが可能になります。その結果、企業の利益を最大化させることにも繋がります。
また、狭義の意味では、単に米Salesforce等が提供するCRMシステムやツールのことを指す場合もあります。
2.Excel・AccessによるCRMとは？
CRMという単語を聞いた時、すぐに浮かんでくるのはSalesforceなどのCRMシステムではないでしょうか。しかし、全ての企業がそれらのシステムを導入しているわけではなく、中にはExcelやAccessによって顧客関係管理を行っているという企業もあります。ここでは、Excel・AccessによるCRMの概要やメリット・デメリットについて紹介します。
概要
まず、Excelは読者のみなさんにとっても馴染みのあるソフトなのではないでしょうか。Excelとは、マイクロソフト社が提供する表計算ソフトのことです。一方、Accessは、同社が提供するデータベース管理ソフトです。Accessでは、データベースの作成やデータの追加、更新、削除などを行うことができ、大規模なデータを管理するのに利用できます。Accessを活用することで、短い時間で複数人で効率よく作業を行ったりすることができます。
メリット
①馴染みがあり、操作しやすい
ExcelもAccessも同じマイクロソフト社が開発し、提供しているソフトであるため、汎用性が高く、企業に務めている人であれば一度は使ったことがあるのではないでしょうか。使い慣れているソフトであれば、今までと同じ操作性でCRMに応用でき、他のCRMシステムよりも扱いやすいことが最大のメリットと言えます。
②導入コストがかからない
もう一つのメリットは、導入時にコストが追加で発生しない点です。ExcelやAccessを日常的に使用している企業が多いため、それらのソフトを導入するために追加でコストが発生したり、使い方を指導するためのコストや時間が発生しません。
デメリット
①CRMに特化したソフトではない
当然のことですが、ExcelやAccessはSalesforceなどのCRMシステムと異なり、最初からCRMに特化しているわけではありません。ExcelもAccessもデータを管理するための関数が用意されているのは事実ですが、それらが顧客管理ツールとして最適という理由にはなり得ません。CRMシステムと比較すると、複数人による入力や共有が困難であり、情報を一元管理がしづらいです。また、そもそも管理できる件数が限られていたりします。
②マーケティング活動や営業活動に活用しづらい
ExcelやAccessによるCRMは、顧客データをまとめるというという点においては問題がありません。しかし、CRMシステムのようにそれらのデータを自動分析する機能などが備わっているわけではないため、収集したデータをマーケティング活動や営業活動に活用しづらいというデメリットがあります。
３.CRMシステムとは？
概要
CRMシステムとは、自社の顧客に関するあらゆるデータ（氏名、年齢、性別、所属企業、役職、購入履歴など）を一元管理し、それらを同じシステム内で部署やチームを超えて、必要に応じて参照、共有できるシステムのことを指します。また、収集したデータをAI（人工知能）によって自動で解析する機能や単なる顧客関係管理のみならず、マーケティングや営業と連携できる機能も備えられている商品もあります。
メリット
①あらゆるデータを一元管理し、全員がアクセスできる
会社全体で情報の入力、管理、活用を1つのシステム内で行うことが可能です。そのため、CRMシステムを導入することで、今まで各部署や担当者が保有していた情報に全員がアクセスすることが可能になります。それは、今まで以上にサービスの品質を高め、顧客満足度を向上させることに貢献します。それはまた、顧客満足度の向上は企業の利益最大化に繋がります。
②チームやプロジェクトごとに管理できる
CRMシステムの中には、プロジェクトやチームごとに顧客情報を管理できるものがあります。それにより、プロジェクトの進捗状況やチームメンバーの取り組み状況を瞬時に把握したり、プロジェクトごとに欲しい情報を容易に抽出したりすることが可能です。
③営業部やマーケティング部の効率化が進む
CRMシステムには、SFA（Sales Force Automation）やMA（Marketing Automation）など、営業活動やマーケティング活動全体を自動化する機能がセットとなったものがあります。そのため、CRMシステムを導入することで、顧客情報を一元的に管理できるだけでなく、SFAやMAも活用することで、営業部やマーケティング部の生産性の向上を期待することができます。
デメリット
①導入・運用にコストと時間がかかる
上述したように、CRMにExcelやAccessを導入する場合、それらを既に利用している企業であれば、導入や運用において追加でコストが発生することはありませんが、CRMシステムの導入には費用がかかります。導入には、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2種類がありますが、いずれにしても費用は発生します。オンプレミス型は自社にサーバーを構築する方法で、導入に際してサーバー代が発生します。一方で、クラウド型はサーバー代がかからない反面、毎月固定で費用が発生してしまいます。また、CRMシステムに限らず、新しいシステムを導入した際には、ユーザーとなる従業員に対して使い方のレクチャーなどをする必要があり、その際の人件費や時間という追加コストの発生も想定されます。
②多機能すぎる
一般的にCRMシステムには、便利な機能が多く備わっています。これらは一見メリットのように思えますが、使い方によってはデメリットにもなり得ます。それぞれ便利であるのは事実ですが、全ての企業がそれらを全て使っているというわけではありません。数多くある便利な機能の中から自社に必要な機能だけをカスタマイズする必要があります。そのためにも、事前にCRMシステムを導入する目的を組織全体で明確にしなければなりません。
4.無料で使えるクラウド型CRMソフト5選
CRMシステムによる顧客関係管理の概要とメリット・デメリットを確認したところで、最後に無料（無制限または期間限定）で利用できる5つのクラウド型CRMソフトをご紹介します。
①Hub spot CRM
Hub spot CRMは、顧客管理に必要な機能を無料で利用できるクラウド型のCRMソフトです。最大100万件の顧客情報を登録することができ、利用できるユーザー数やストレージ量や無料期間の制限がありません。無料で利用できる機能には、「コンタクト、取引、タスクの管理」、「Eメールテンプレート作成とスケジュール設定」、「Eメールのトラッキング及びエンゲージメント通知」、「ミーティングのスケジュール設定」、「ウェブチャット」
「見積書の作成」などがあります。
業務を自動化し、チームの業務効率化を図り、営業力を強化したいと考えている企業におすすめです。
②Stock
Stockは、顧客やプロジェクトチームの情報を簡単にシンプルに保存できるクラウド型CRMソフトのことです。「ノート機能」を活用することで、テキストやファイルだけでなく、画像などを簡単に保存することができます。また、削除したデータが30日間保存される「ご削除防止機能」やノートの編集履歴を自動的にバックアップし、過去の状態をいつでも復元できる「バックアップデータの保持機能」、「権限管理機能」、「データの完全暗号化」、「充実したサポート」などさまざまなメリットがあります。
さらに、他ツールとの連携にも優れており、SlackやEvernote、メール等と連携することができます。クリック1つでSlackのメッセージを保存したり、メールをStockに自動転送したりすることで情報を便利に保存・管理することができます。
③Fullfree
Fullfreeはダウンロード、カスタマイズおよびクラウド共有が無料で利用できるクラウド型データベースソフトです。使用期限がなく、自社に合った顧客管理システムを自由に設計することができ、複数端末による共有・同時編集が可能です。さらに、ユーザー毎にアクセス権を付与することができ、アクセスできるデータや機能を制限するなどの管理をすることもできます。
詳細はこちらhttps://www.fullfree.jp/
④Ambassador Relations Tool
Ambassador Relations Toolは、マーケティングに必要な全ての機能を初期費用および月額費用無料で利用することができるクラウド型のCRMソフトです。サイト上でポップアップによるアンケートやキャンペーンへの誘導などを自動化することができ、営業の機会損失を減らすことができます。また、顧客情報を分析し、自動的に6つのランクに分けられ、各ランクに応じて施策を行うことを可能にします。
詳細はこちらhttps://amb-r-t.jp/
⑤Sansan
Sansanは、顧客の「名刺管理」に適したクラウド型のCRMソフトであり、最大1か月間無料で利用することができます。AIと手動入力により、99.9％の精度で名刺データ化し、会社全体で共有することができます。また、Sansanは、金融機関でも活用されるほどの高いセキュリティレベルを誇っており、情報流出リスクを最小限に抑え、安全に利用できる点も魅力の1つです。
詳細はこちらhttps://jp.sansan.com/
まとめ
本記事では、CRM（顧客関係管理）の概要やExcel・Access・CRMソフトによる顧客関係管理のメリット・デメリット、おすすめのクラウド型CRMソフト5選について紹介しました。CRMシステムやCRMツールの導入を検討している方々の参考になりましたら、幸いです。本記事では、無料のCRMツールをご紹介しましたが、Salesforceなどの本格的な有料CRMシステムの導入を検討している企業様は是非CMC Japanにご相談ください。CMC Japanはベトナム第2位のICT企業である「CMC Corporation」の日本法人であり、官公庁向けにSalesforceのカスタマイズ開発した実績があります。お気軽にお問い合わせください。
