FileMaker(ファイルメーカー)とは

FileMaker(ファイルメーカー)とは|概要からメリット、課題、料金まで詳しく解説

FileMaker(ファイルメーカー)とは、1985年にAppleの子会社によって開発された「リレーショナルデータベースをローコードで簡単に開発できるソフトウェア」のことです。ローコードとは、プログラミングの専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップと少ないコーディングで開発が進められることを目的とした開発手法であり、企業のDX推進においても注目されています。本記事では、ローコードで比較的簡単に開発できるFileMakerの概要からメリット・デメリット、料金、種類まで詳しく解説していきます。

目次

FileMakerの概要

まず、FileMakerの概要とできることを簡単にご説明します。

概要

FileMaker(ファイルメーカー)とは、1985年にAppleの子会社Claris International Inc.によって開発された「リレーショナルデータベースをローコードで簡単に開発できるソフトウェア」のことです。ローコードで開発できるため、自前でちょっとした業務改善や単純作業の自動化をしたい場合に最適です。

 

※リレーショナルデータベース(RDB)とは、複数のデータ(氏名、連絡先、取引先など)を表形式でまとめ、互いに関連付けたデータベースのことで、複雑な検索や集計などのデータ処理が可能です。

 

※ローコードとは、プログラミングの専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップと少ないコーディングで開発が進められることを目的とした開発手法です。誰でも、簡単に、すぐに扱えるというメリットから、DX推進において非常に注目されています。

FileMakerでできることとは

FileMakerでは、Excelのように「列」と「行」を使用したデータベースを作成することが可能です。FileMakerの特徴は、Excelと比べデータの管理や抽出がしやすい点にあります。具体的には、簡単なデータベースの作成および管理であれば、慣れ親しんだExcelの方が扱いやすいかもしれません。ただし、管理項目や扱うデータ量が増えたり、複数人で入力業務を行いたい場合には、ExcelよりもFileMakerの方が適した選択肢となりそうです。

 

また、マスタデータと関連アプリを同期することができるため、例えば、人事管理や経費計算、顧客管理、在庫管理システムのデータを自動反映・一括管理することが可能です。さらに、権限設定機能もあるため、従業員によってアクセス権を付与したり、制限したりなどアクセスを管理することでデータの安全性を高めることができます。

FileMakerの魅力

この項では、FileMakerを導入することのメリットについてご紹介します。具体的には、以下の通りです。

専門知識がなくても使える

これは、FileMakerの最大の特徴です。上述した通り、FileMakerは、ローコードで開発が可能なソフトウェアです。そのため、学習コストが低く、プログラミングに関する専門知識やコーディング経験がなくても、簡単なデータベースであれば、ドラッグ&ドロップで簡単に作成することが可能です。

費用の削減

基幹システムを独自に開発しようとすると通常数千万円から数億円かかる場合があり、資金力のある企業でなければ、このような金額を捻出するのは簡単ではありません。しかし、FileMakerを使用することで、自社のビジネスに合わせたシステムを安価に作成することができます。

オンプレでもクラウドでも使用可能

FileMakerは、オンプレミスとクラウドの双方で利用することができます。オンプレミスであれば、社内にサーバマシンを設置し、FileMaker Serverをインストールして運用するイメージです。一方で、クラウドにおいては、FileMaker Cloudというマネージドサービスを利用することになりますが、サーバーの管理業務をプロバイダーであるClaris社が引き受けてくれる点に特徴があります。FileMakerの導入が決定したら、次は、自社のビジネス要件にオンプレミスとクラウドのどちらの方が適しているかを考えてみてください。

マルチプラットフォーム対応

FileMakerは、WindowsやMacOSのみならず、WebブラウザやiPhoneなどマルチデバイスに対応したデータベースです。そのため、CSVやXMLなどさまざまなファイル形式でデータが保存されている場合でも、自動的に取り込むことができるため、シームレスな開発が可能です。

豊富なコンテンツ

ソースコードを書かずに直感的に利用できるデータベースの目的別テンプレートが多数用意されているだけでなく、Claris公式HP展開や統合のためのガイドや各製品に関するドキュメンテーションが豊富に掲載されています。他にも、初めてカスタムAppを作成する人用のガイドブックやさまざまな機能の実装方法をわかりやすく解説した短い動画も、オンデマンドセミナーも提供されており、安心して開発を進めることができます。

複数人で共有できる

作成したデータベースを複数人でシェアすることで、リアルタイムのデータを全体で把握することが可能になります。6人以上で同時接続したい場合は、FileMaker ServerやFileMaker Cloudを使用する必要があります。

FileMakerの課題

次に、FileMakerを導入するうえで事前に理解しておいた方が良い課題点をご紹介します。

細部の変更には、専門知識やスキルが求められる

FileMakerが提供しているのは、あくまでテンプレートであるため、自社のビジネス要件に合わせて細部を変更したい場合などは、プログラミングやデータベース設計における専門知識やスキルが必要となるでしょう。自社にそのような人材が不在の場合は、ITの専門家であるシステムベンダーにアウトソーシングした方が良いかもしれません。

処理速度がやや遅い

FileMakerは煩雑な手作業を自動化させるという意味で非常に便利です。ただし、処理速度に関しては、少量のデータを処理する場合には特に大きな問題とはなりませんが、膨大なデータや多くの同時接続数を処理する場合においては、他のデータベースソフトに少し劣ります。したがって、多くの人が一度にアクセスするWebサイトなどの開発には向かないでしょう。

ファイルメーカーの種類

次に、FileMakerの種類についてご紹介します。FileMakerには、以下の5つの種類があります。

・FileMaker Pro

・FileMaker Go

・FileMaker WebDirect

・FileMaker Server

・FileMaker Cloud

それぞれの詳細は以下の通りです。

FileMaker Pro

FileMaker Proは、WindowsおよびMacでアプリが開発できるツールになります。提供されているテンプレートを使用し、必要な機能を実装することで、デスクトップやPC、モバイルで実行できるアプリを開発することができます。

FileMaker Go

FileMaker Goを使用することで、FileMaker Proで開発したアプリを、iPad・iPhone上で実行できるようになります。

FileMaker WebDirect

FileMaker WebDirectを使用することで、FileMaker Proで開発したアプリを、Webブラウザ上で実行できるようになります。そのため、開発環境にFileMakerを用いることで、あらゆる端末から操作することが可能になり、生産性の向上を図ることができます。

FileMaker Server/FileMaker Cloud

FileMaker ServerおよびFileMaker Cloudは、FileMaker Proで開発したアプリを提供するためのツールになります。FileMaker Serverは、オンプレミスによる運用となるため、ハードウェア費用がかかったり、新たなIT人員を用意しなければいけなかったり、展開するのに時間がかかったりというデメリットがあります。

 

その点、FileMaker Cloudは、Clarisのマネージドサービスであるため、毎月サブスクリプション料金を支払うだけで、カスタムAppを数分で展開ができたり、煩雑な管理業務を代わりに引き受けてくれます。さらに、バックアップの自動取得や復元機能、迅速な拡張が可能である点もFileMaker Cloudの魅力と言えます。

FileMakerの利用料金

最後に、公式HPに掲載されているFileMakerの2つのプランについてご紹介します。詳細は以下の表の通りです。

 

 

Cloud Essentials

Cloud Standard

料金

2,365円(税込み)/年

4,840円(税込み)/年

利用できるユーザー数

5~10名

5~99名(100名以上は要問合せ)

共有App数の上限

3

125

ストレージ

1ユーザーごとに年間2GB

※アップグレード不可

1ユーザーごとに年間6GB

※アップグレード可能

API使用料

1ユーザごとに月間2GBの FileMaker Data API/OData アウトバウンドデータ転送

1ユーザごとに月間2GBの FileMaker Data API/OData アウトバウンドデータ転送

コンピュート

Largeのみ(CPU、8GBメモリ)※アップグレード不可

ユーザー数に応じて変動

※アップグレード可能

 

また、全てのプランにおいて、日本語によるサポート(月~金10:00~17:30)やエキスパートチームによる常時監視体制、セキュリティの担保が含まれています

 

さらに、最大45日間無料でFileMakerを体験できるため、実際に使ってみたうえで導入をするか検討することも可能です。

まとめ

本記事では、データベース管理ソフトウェアであるFileMaker(ファイルメーカー)の概要からメリット、課題、料金、種類などについて詳しく解説しました。FileMakerの魅力は、低価格で利用することができ、ローコードのためにドラック&ドロップと簡単なコーディングで簡単に開発・導入可能な点にあります。また、アジャイル開発との相性も良く、自社のニーズの変化に合わせて柔軟に開発を進めることが可能です。

 

一方で、ローコードで開発できるのは、FileMakerが提供しているテンプレートをベースとして構築する場合です。そのため、自社の要件に合わせて細かい部分を調整したい場合やAIやJavascriptを用いて高度なシステムを開発したい場合などは、プログラミングやデータベースの知識とスキルを要します。それらが困難だと感じる場合は、ITの専門家にアウトソーシングするのも検討してみてください。

 

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