アプリ開発について徹底解説

アプリ開発について徹底解説!~アプリの種類や確認事項について~

(更新日:2022年1月4日)

ITが発達した昨今の社会、特にスマートフォンが普及した現在では、仕事や生活のあらゆる場面でアプリケーションソフトウェア(アプリ)が使われています。

最近ではノーコードやローコード技術のおかげで、プログラミングの知識がなくとも、アプリ開発ができるようにもなってきています。

本コラムではアプリ開発の基本から、オフショア開発を活用した外注方法(アウトソーシング)について、解説します。

 

目次

1.アプリ開発とは?

アプリケーションソフトウェア(アプリ)とは、特定の目的のために開発されたソフトウェアの中でも、コンピューター自体の操作を行うためではないもののことをいいます。特定の業界・業務向けに開発されたものから、一般消費者向けの娯楽や効率化のためのものまで、さまざまなアプリがあります。

アプリ開発とは、企業や個人があるターゲット・市場に向けて、製品(アプリ)を開発することを指します。開発規模や方法は、開発するアプリによって異なります。

開発のための人材・チーム・部門をもたない企業の場合は、アプリ開発を得意とする企業へ外注するパターンが多いです。外注先は国内の企業やフリーランス、後述するオフショア開発(コストを抑えるために海外企業へ発注する方法)などがあります。

2.アプリの主な種類

アプリには、いくつかの種類があります。

アプリ開発を検討する際は、開発したいアプリの種類を把握しておくと良いでしょう。

以下で、代表的なアプリの種類をご紹介します。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、PCやスマートフォン、タブレットなどの端末にインストールして使用するアプリのことです。

スマートフォンにネイティブアプリをインストールするには、アプリストア(Google PlayやApp Store)にアクセスします。ネイティブアプリは、ユーザーにインストールしてもらう手間がかかりますが、一度インストールしてもらえば、通知機能など、自社のサービスをお知らせできるため、利用を継続してもらいやすい傾向があります。

インターネット環境が動作に影響しない点もメリットです。また、カメラやマイク、各種センサーなどの機能を利用することができます。

Webアプリ

Webアプリとは、スマートフォンやパソコンからインターネットに接続し、Webブラウザ(SafariやGoogle Chrome)上で利用するアプリです。

ネイティブアプリとは異なり、インストールする必要がないので、手軽に利用できるのが特長です。

しかし、インターネット環境によっては動作が重かったり、不安定になることがあり、スマートフォンのカメラやマイクなどの機能を利用するのは難しいです。

ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリとは、端的にいうと、ネイティブアプリとWebアプリを組み合わせたものです。

ネイティブアプリで、Android向け・iOS向けに分けて開発をしなければなりませんが、ハイブリッドアプリでは、特定のフレームワーク(React NaviveやFlutter)を用いることで、複数の異なる仕様の機種やOSで動作させるられるので、開発コストを抑えることができます。

もう一つ特徴的なのは、WebViewを用いている点です。WebViewとは、アプリをWebブラウザのように使用するための機能で、アプリ内でWebサイトを表示できます。

PWA(プログレッシブWebアプリ)

PWA(プログレッシブWebアプリ)とは、WebサイトやWebアプリを、ネイティブアプリのようにスマートフォンのホーム画面にインストールすることができる、新しいタイプのWebアプリといわれています。

ホーム画面にインストールすることができますが、PWAの場合、アプリストアは不要です。

そのため、企業は、アプリストアのルールやガイドラインに縛られることなく開発を進めることができ、準備でき次第、すぐにリリース可能です。

ユーザーはホーム画面にインストールしたアイコンやURLから起動・利用でき、さらに、ソーシャルメディア、オンライン広告、QRコードなどで簡単に共有することができます。

3.アプリ開発の前に準備すべきこと

ここでは、アプリ開発に着手する前の準備段階として、どのようなことをすべきなのかについて、解説します。

市場調査

金融サイトInvestopediaによると、新しいサービスや製品の実現可能性を、潜在的な顧客に対して調査・決定するプロセスを、「市場調査」としていいます。

市場調査を行うことで、企業はターゲット市場を発見し、製品やサービスに対する消費者の関心についての意見や、その他のフィードバックを得ることができます。

基本的に市場調査では、自分の製品(この場合はアプリ)にニーズがあるかどうかを、仮説立て・検証することができます。また、ニーズがある場合、競合はどの程度なのか、すでに存在する主要なプレイヤーはどこなのかも調査します。

これらの情報をもとに、自社のアプリを他のアプリよりも際立たせるユニークなポイントを開発することができます。

ユーザー調査

ユーザー調査とは、ターゲットとなるユーザーのニーズやペインポイント(顧客の悩みの種)などを調査することで、問題点や重要な情報を明らかにする調査です。ユーザー調査を行うことで、アプリのデザイン段階でのインスピレーションを得ることができます。

コーチング組織開発(OD)コンサルティングなどを提供するインタラクションデザイン社によると、これらの事実を明らかにするためには、構造化された方法でユーザーからデータを収集する必要があるといいます。

まず、リサーチの目的に合った方法、そして最も明確な情報を得ることができる方法を選択します。

その後、必要なインサイト(消費者の購買の裏側にある要因)を得るためには、データから得られた結果を解釈します。

プロダクトリサーチ

カナダのeコマース企業であるShopify社によると、プロダクトリサーチとは、製品のアイデアを検証し、それが成功するかどうかを確認する方法とされています。

製品開発プロセスの一環として、顧客のニーズを把握し、自社のアイデアが市場の需要を満たせるかどうかを確認するためのものです。その結果、製品の投資収益率が向上します。

プロダクトリサーチの参考として、「クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法(Creative Confidence)」という本をご紹介します。

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法 | デイヴィッド ケリー, トム ケリー, 千葉 敏生 | ビジネス・経済 | Kindleストア | Amazon

本の長さ:496ページ

発売日:2018年7月2日

通販サイト(Amazon):https://amzn.to/3nLiDdH

本著の中では、最もシンプルなプロトタイプを素早く作り、テストグループのユーザーに体験してもらい、さらなる改善のためのフィードバックをしてもらうことが、有効的なプロダクトリサーチとされています。

4.アプリ開発における基本的な確認事項とは

ここからは、アプリ開発において確認すべき基本事項について解説します。

プラットフォーム

アプリをリリースする際には、上述の「アプリの種類とは?」にあるように、ネイティブアプリやWebアプリなどがあります。

それぞれにメリットとデメリットがあり、アプリの性質によって適切なプラットフォームを選択することが必要です。

デバイス

ユーザーの属性から、アプリを使って何をしようとしているのか、そしてその行動はどのようなデバイスで行うのかなどをふまえ、どのデバイス向けにアプリを作るかを決める必要があります。

必要な情報は、調査や分析ツールを使って得ることができます。最も重要なのは、それらのデータの背後にある「理由」を知ることです。ひとつの行動には多くの意味があり、ユーザーが解決しようとしている核心的な問題にたどり着くためには、「なぜ」を問う必要があります。

マネタイズ(課金方法)

アプリのマネタイズには数多くの戦略がありますが、そのどれもが万能ではありません。あるアプリタイプに有効なマネタイズ手法は、別のアプリには適切ではないかもしれません。

アプリのマネタイズ戦略には、4つのタイプがあると言われています。

  • サブスクリプション
  • 広告掲載
  • フリーミアム
  • 有料ダウンロード

開発を始める前に、マネタイズ戦略を決めておく必要があります。

開発手段:内製or外注

アプリの開発には、最初の開発からリリース後の、改修・保守も考えると長い時間がかかります。開発人材・チームがいる企業では、内製も可能ですが、多くの企業は開発体制がない場合が多いのではないでしょうか。

一般的な手段として、アプリ開発を専門とする企業へ外注する方法があります。

外注先として、国内の企業だけではなく、海外の企業へ外注するケースもあります。このケースを「オフショア開発」といいます。オフショア開発では、一般的に国内で開発するよりも、開発・運用コストを抑えられることが特徴です。

【関連記事】知っておくべき!オフショア開発とは?概要から注意点まで

5.アプリ開発とWeb開発の違い

アプリ開発とWeb開発は、どちらもソフトウェア開発の一部であり、それぞれ異なる特性と目的を持っています。以下に、その違いを詳しくわかりやすく解説します。

アプリ開発

アプリ開発は、主にデスクトップやモバイルデバイス向けのソフトウェアを開発するプロセスを指します。これには、オペレーティングシステム(OS)のAPI(アプリプログラミングインターフェイス)やフレームワークを活用して、アプリを構築することが含まれます。アプリ開発では、オフラインでの使用も想定されるため、パフォーマンスやセキュリティが重要な要素となります。また、アプリは、特定のOSやデバイスに依存することが多く、クロスプラットフォーム対応が求められる場合もあります。一般的なプログラミング言語としては、Java、C#、Swift、Kotlinなどが使用されます。

Web開発

一方、Web開発は、インターネットを介して提供されるWebサイトやWebアプリの開発を指します。Web開発は、フロントエンド(クライアントサイド)とバックエンド(サーバーサイド)の二つの側面があります。フロントエンド開発では、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)を重視し、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を使ってブラウザで動作するコンテンツを作成します。バックエンド開発では、データベースやサーバー上のロジックを構築し、フロントエンドと連携して動的な機能を実現します。バックエンド開発では、Python、Ruby、PHP、Node.jsなどの言語やフレームワークが利用されます。

これらの違いを理解することで、プロジェクトやビジネスニーズに応じてアプリ開発とWeb開発のどちらを選択するかを決定することができます。また、近年では、両者の特徴を組み合わせたハイブリッドアプリやプログレッシブウェブアプリ(PWA)など、新しい開発手法も登場しています。

6.アプリ開発の流れ

アプリ開発の流れは、プロジェクトの目的や規模によって異なりますが、一般的な手順は以下のようになります。

 

アイデア・コンセプトの立案:

アプリの目的、機能、ターゲットユーザーを明確にし、アイデアやコンセプトを立案します。競合他社の調査や市場分析も重要です。

 

要件定義:

アプリの主要な機能や要件をリストアップし、プロジェクトの範囲を明確にします。この段階で、アプリの動作環境や対応デバイスも検討します。

 

設計:

アプリの全体構造を設計します。これには、ユーザーインターフェース(UI)設計、データベース設計、アーキテクチャ設計、API設計などが含まれます。

 

開発:

設計を元に、プログラムのコーディングを行います。チームメンバーが分担して開発を進めることが一般的です。適切なプログラミング言語やフレームワークを選択し、コードを記述していきます。

 

テスト:

開発したアプリの機能やパフォーマンスを確認するために、様々なテストを実施します。ユニットテスト、統合テスト、システムテスト、ユーザビリティテストなどがあります。問題が見つかった場合、修正を行い、再度テストを実施します。

 

デプロイ:

アプリをリリース準備に移行します。アプリストアへの登録や、デスクトップアプリの場合はインストーラーの作成などが含まれます。

 

リリース:

アプリストアやウェブサイトでアプリを公開し、ユーザーがダウンロード・インストールできるようにします。

 

メンテナンス・アップデート: リリース後も、アプリのバグ修正や機能追加、パフォーマンス改善などを定期的に行います。ユーザーからのフィードバックを受け取り、改善に反映させることが重要です。

まとめ

本コラムでは、アプリの種類から、開発前に準備すべきこと、具体的な開発方法(とりわけオフショア開発を中心)について解説しました。

アプリで、既存事業の売上を伸ばしたい・新規事業を立ち上げたいなど、アプリ開発にはいろいろな背景があるかと思います。

まずはアイデアベースでも構いませんので、アプリ開発についてのご相談は当社にお任せください。