
今注目の「ベトナムIT人材」の魅力とは?
「Tholons Services Globalization Index 2019(英語)」によると、ベトナムは世界のデジタル国家トップ50の中で13位にランクされています。ベトナムが経済を再開する中、多くの外資系企業はベトナムを投資先の最上位に位置づけており、特に新興のテック分野での投資が注目されています。ここでは、ベトナムのIT人材が今後さらに注目される理由をご紹介します。
ベトナムのIT人材は、若くて技術に精通した人口層、STEM(科学・技術・工学・数学の教育分野)に特化した教育システム、魅力的な所得水準など、多くの有望なポテンシャルがあります。これらの要因により、ベトナムは信頼され、有力なITアウトソーシング先となっています。
目次
人口動態(デモグラフィック)
「TopDev」の最新レポート(ベトナム語)によると、ベトナムのIT人材の数は2019年には400,000人に達しています。そのうち53.2%が20~29歳、15.8%が30~34歳。つまり、ベトナムのIT開発者の大半はミレニアル世代であり、ポジティブな働き方や「やればできる!」のマインドセットを持つ世代であることがわかります。

地理的に見ても、ベトナムのIT人材の圧倒的多数は、ハノイ(34.7%)とホーチミン市(55.3%)を中心としたベトナムの主要都市に集中しています。特にハノイ市(34.7%)とホーチミン市(55.3%)は、新興都市のダナン市と並んでベトナムのビジネスの中心地であり、社会的・政治的条件が安定していることから、外国人投資家の間で最も人気な都市となっています。そのため、ベトナムトップクラスの人材へ比較的簡単にアクセスすることができます。

STEM(科学、技術、工学、数学)教育を強化

ベトナムのIT市場は、国の教育政策と数学・科学への重点的な従来の取り組みのおかげで、大きな恩恵を受けています。長い間、STEM科目(科学・技術・工学・数学)は高く評価されており、若い学生は社会で活躍する人材になるため、数学と科学に秀でていることを奨励されています。
この考え方は、STEMを重視した教育システムにも反映されています。ベトナムの生徒は、中学2年生からコーディングやIT科目を導入しています。また、ベトナムはOCEDのPISA(2015年)でも8位にランクされており、科学と数学の分野では、韓国やアメリカなどの先進国を上回っています。
高等教育に関しては、「statista.com(英語)」によると、ベトナムは工学系の卒業生が最も多い10カ国の中にランクイン。153以上の教育機関が専門的なITトレーニングコースを提供しており、ベトナムのIT人材は年間5万人の新卒者を輩出しています。

以前、外国との仕事をする際、言語の壁はベトナム人開発者にとって大きな課題でした。政府がすべてのベトナム人学生のための第二言語を強化し、開発者自身がより良い仕事に就くため、英語を勉強する努力をしているおかげで、ベトナム人IT人材の言語スキルは急速に向上しています。また、ベトナムは日本語学習者数は東南アジアにおいて、インドネシア・タイについで3位となっています(出典:国際交流基金「2018年度海外日本語教育機関調査結果」)。
収入レベル
情報技術の分野は、金融/投資、銀行、マーケティング、建築の他に、ベトナムで最も給料の高い産業のトップ5に常にリストアップされています。給与水準は、新卒の場合は338~520ドル、上級職や幹部職の場合は2,000ドル以上となっています。現地のベトナム人にとっては、他の職種と比較して非常に魅力的な収入水準です。これが、多くの若いベトナム人がITでのキャリアを選択している理由です。


まとめ
新型コロナの大流行により各国の企業がテレワークに移行する中、ITアウトソーシングは多くの国際企業にとって注目の的となっています。ベトナムは新型コロナへの対応が広く評価されたことにより、これまで以上に可能性を秘めたアウトソーシング先としてグローバル市場で存在感を放っています。またIT人材の利点と相まって、ベトナムはデジタル大国としてさらに発展し続けることでしょう。
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この記事を書いた人
Hien(ヒエン)
ベトナムハノイ貿易大学のビジネス日本語学部卒。2018年に東京でインターンシップ、その後4年間マーケティング業務に従事。「マーケティングで、社会を変える奇跡を作る」ことを目標に、2020年からはB2B市場を中心に活動。趣味は自己改善、読書、座禅。