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【2023年版】本当にITエンジニアは不足しているのか

近年、IT産業は日本の経済成長の主要な推進力となっており、ITエンジニアへの需要は着実に増加しています。本ブログでは、日本におけるITエンジニアの不足の原因を探り、その主張の真実性を検証します。また、今後特に需要が高まると予測されるIT職種を見て、日本におけるITエンジニア不足に対処するための対策を推奨します。

本当にITエンジニア人材は不足しているのか

IT技術は著しい進歩を遂げ、IT産業にとどまらずビジネス企業の製品やサービスの開発に不可欠な存在となっています。かつてITベンダーが主導していたシステム開発の分野でも、外注せずに自社内で製品を生産するために、ますます様々な企業がIT人材を採用するようになっています。

また、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する企業が増加していることもあります。DXを推進し、デジタル技術を活用したビジネス改善やプロジェクトの企画を行うリーダーであるIT人材の需要が急増しています。そのため、IT人材不足が深刻化しています。

経済産業省によると2030年には最大79万人のIT人材が不足

経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査※」によると、IT関連市場規模の拡大に伴い、2018年を基準として2030年までIT人材の不足は年々増加すると予測されています。

需要の伸び率別に高位(約9~3%)・中位(約5~2%)・低位(1%)の3つのシナリオをもとに試算したところ、仮に高位シナリオの経過をたどった場合、2030年には最大約79万人のIT人材が不足する見込みであるとの結果になりました。

ITエンジニア不足の原因

日本でのITエンジニア不足の原因は、複数の要因が絡み合っています。以下は、主要な原因について説明します。

IT市場の拡大

IT技術が進歩し続ける限り、IT関連市場の規模は拡大することが期待されており、IT需要が縮小することは現在考えられていません。日本は中小企業におけるITの導入が遅れていると言われていますが、年々多くの企業がITを採用しています。

一方で、すでにITを導入している大企業は、システムを問題なく運用するために常に維持・管理・改善を行い、最新のシステムへの移行が期待されています。企業によって規模は異なりますが、IT需要は今後も続くことが予想されます。

内部システムの導入や更新に加え、ビジネス企業が製品やサービスを提供する上でも、IT技術は必要不可欠です。この意味でも、あらゆる産業においてIT需要は引き続き拡大することが期待されます。

エンジニアの高齢化が進んでいる

日本では、人口が高齢化し出生率が低下しており、労働力が減少しています。ITエンジニアの需要が増えている一方で、労働力の供給が不足している状況を生み出しています。さらに、IT業界は若者の間での就職の優先度が低いため、これも人材不足のもう一つの理由となっています。

以下のグラフは、前述の経済産業省「IT人材需給に関する調査」から、「IT人材の年齢分布の推移」です。

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

2010年から2030年までの傾向を見ると(2020年以降の見積もりに基づく予測)、50歳以上の人々の数が毎年増加していることがわかります。逆に、35歳から49歳の中年層は減少傾向にあります。

退職やその他の理由により、年配のエンジニアが現場を離れるでしょう。対照的に、新卒者がエンジニアになる数は、以下のグラフに示すように、あまり増えるとは予想されていません。

【「情報処理・通信技術者」としての就職者数及び IT人材としての就職割合】

出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)
出典:「IT人材需給に関する調査」(経済産業省・みずほ情報総研株式会社)

このギャップは、少子高齢化の影響もあって埋めにくく、エンジニア不足につながっています。

IT技術の進展による需要構造の変化

IT分野は急速に進化し、新しい技術が次々と生み出されるため、高度な技術を扱えるIT人材の不足が常に続いています。

経済産業省は「IT人材の需給動向調査」を実施し、IT人材を従来型と先進型に分け、供給と需要を予測し、供給と需要のギャップを見積もりました。調査によると、従来型のIT人材の供給はやがて需要を上回るようになる一方、先進型のIT人材の需要は増加し続け、不足が生じる見込みです。

先進型のIT人材は、AI、IoT、ビッグデータなど第4次産業革命に対応する技術と知識を持ち、付加価値の創造や業務効率の向上に貢献する人材と定義されています。第4次産業革命が進むにつれ、先進型IT人材の需要はさらに増加することが予想されます。

今後特に需要の高まりが見込まれるIT職種

以下のデータは、情報処理推進機構(IPA)が発表した「DX白書2021」におけるデジタルビジネスに利用可能な「量」の人材に関するものです。

【「デジタル事業に対応する人材の「量」の確保状況」】

出典:「DX白書2021 日米比較調査にみるDXの戦略、人材、技術」

報告によれば、主に不足しているのは以下の職種です:

  • プロダクトマネージャー(PdM):製品開発からマーケティング戦略まで、製品管理の最終責任を持ち、顧客満足度と利益性を確保します。
  • ビジネスデザイナー:市場のニーズに応えるデジタルビジネスやサービスを計画、開発、構築します。
  • データサイエンティスト:ビッグデータを分析し、企業の問題解決のためのソリューションを見つけ出し、改善案や新規ビジネスを提案します。

これら全てに共通しているのは、ITスキルだけでなくビジネスやマーケティングの観点からのマネジメントスキルも必要とすることです。

日本では、このような人材の養成がまだ需要に追いついていません。

ITエンジニア不足を解消するには?

ITエンジニア不足を解消するためには、以下のような対策をお勧めします。

外国人IT人材の採用

外国人IT人材を積極的に採用することで、日本のIT人材不足を解消することが可能です。外国人IT人材を採用する際に、日本の労働環境や文化について理解を深めるためのサポートが必要です。CMC Japanは、ベトナム第二位のICTグループ「CMC Corporation」の日本法人です。30年にわたりCMCグループが培ってきた技術力やノウハウをもって、お客様のプロジェクト・開発体制をサポートします。ITサービスに関する無料相談はこちら!

待遇・労働環境を改善

ITエンジニアを含む労働者が、より働きやすい環境を整えることで、長期的な雇用の確保や生産性の向上が期待できます。フレックスタイムやテレワークなど、柔軟な働き方の導入が必要です。

AIやRPAなどの導入

AIやRPAなどの自動化技術を導入することで、労働者の負荷を減らし、ITエンジニアが持つ高度な知識や技術を必要としない業務を自動化することができます。これにより、ITエンジニアの負担を軽減し、人手不足を解消することが可能です。

社内のIT技術者の育成・活用

企業内に既にIT技術者がいる場合には、その人材を活用しつつ、より高度な知識や技術を持ったエンジニアを育成することで、人材不足を解消することができます。

これらの対策を総合的に実施することで、ITエンジニア不足を解消し、日本の産業発展に貢献することができます。

まとめ

まとめると、ITエンジニア不足は日本だけでなく世界的な課題であり、企業が対応する必要があります。適格なITプロフェッショナルの需要は今後も増加する見込みであり、企業が人材を確保するためには行動を起こすことが不可欠です。

CMC Japanでは、常に進化し続けるこの産業で企業が競争力を維持するために、幅広いITサービスとソリューションを提供しています。当社の専門家は、各クライアントの独自のニーズに応えるために最高品質のサービスを提供することに専念しています。お気軽にお問い合わせください。