MVP開発とは?定義、メリット、開発プロセスについて解説

Spotify、Instagram、Uberなど、成功したアプリケーションに共通することは何でしょうか。それは彼らがMVP(Minimum Viable Product)プロセスを利用し、それぞれの製品の実現可能性をテストし、機能を構築してきたことです。MVPの開発を通じて、これらのアプリはユーザーテストのデータやフィードバックに基づき、時間をかけて徐々に進化していきました。

本記事においては、MVPの定義、MVPを選択する主なメリット、MVP開発のプロセスについて紹介いたします。

1. MVP開発とは?

MVP(Minimum Viable Product)とは、製品開発サイクルの早い段階において、初期導入ユーザーを惹きつけ、製品アイデアを検証するのに十分な機能を持つ製品です。MVPを開発することで、製品チームはユーザーからのフィードバックをできるだけ早く受け取り、製品の反復と改良に役立てることができます。

アジャイル開発においては、ユーザーからのフィードバックに基づき製品を検証し、反復することで成り立っているため、MVPは重要な役割を担っています。

2. なぜMVP開発が必要なのか?

  • アイデアをテストし、フィードバックを受ける

MVPは、制作やマーケティングにあまりお金と時間をかけずに、アイデアをテストすることができます。貴重なフィードバックを得られ、初期のユーザーベースを構築するのに役立ちます。顧客が、製品やその機能、良い点、悪い点をどのように感じているか、何が不足していると感じているか、ニーズを満たすために何を変更するべきかなどのフィードバックを得ることができます。。これらの情報は、最終製品が真の成功を収めるために、ソフトウェアをどのように再構築し、改善すればよいかのヒントとなるでしょう。

コメントへの対応が良ければ良いほど、初期のユーザーが開発プロセスを通じて継続し、貴社の最大の支持者になる可能性が高くなります。

  • 初期段階から顧客や投資家を惹きつける

MVPは、強力なユーザーベースを確立するのに役立つのみならず、潜在的な投資家にアイデアを売り込むのに役立ちます。もし彼らが気に入れば、将来のすべての開発アップデートに対してさらなる資金援助を得られるでしょう。

  • 集中力の向上と開発期間の短縮

また、MVPは集中力を高め、開発効率を向上させるのに有効な手段です。フィードバックを得ることで、アイデアが多すぎることで起こりがちな雑念を排除することができます。ターゲットユーザーが何に反応し、どの要素に改善が必要かを正確に把握することで、意思決定のスピードを上げ、最も効率的な方法で製品を作り上げることができます。

  • 無駄を省いた最適な製品の開発

MVPといえば、最小限の投資ということになります。推測が少ないということは、開発やテストに費やす時間とお金の無駄が少ないということです(ただし、MVPにもローンチ前のテストが必要であり、UATテストは有効な方法です)。必要な機能を定義し、実用性の低い機能を早い段階で認識することで、最小限の予算で製品を成功へと導くことができます。さらに、最大のペインポイントをターゲットにしたマーケティングキャンペーンを修正し、製品の利点を簡単に伝えることができるようになります。

  • 市場投入までの時間を短縮

MVPを展開することで、製品の実行可能性を迅速に構築し、測定し、検証することができます。また、ターゲットとなる市場の認知度を評価し、このまま進めるのか、それとも方向転換するのかを決定する機会になります。最終的には、ユーザーと投資家の両方の要求を満たす、完成度の高いソフトウェアが市場にリリースされることになります。

3. MVP開発のプロセス

MVP開発における5つの重要なステップ。

  • 市場調査
  • ゴールとメインユーザーの確認
  • ユーザーにとって最も関連性の高い機能の選択
  • MVPの開発
  • フィードバックの分析

それでは、この5つのステップについて説明いたします。

ステップ1:市場調査

どんなに革新的なアイデアであっても、経済的、時間的に大きな損失を避けるためには、市場調査を行い需要や競合他社を評価する必要があります。

市場調査は、MVPを作り始める前に、理想の顧客、アイデアの独自性と実現性、解決できる問題、顧客の要求を満たす製品を作る方法などを特定するのに役立ちます。

MVPの開発を成功させるための重要な要素は、ターゲットとなる顧客に、貴社の製品が提供できる価値を示すことです。そのため、市場調査の際には、ユーザーがどのような恩恵を受けられるのか、どのように顧客に価値を紹介できるのかを考えるべきです。

ステップ2:ゴールとメインユーザーの確認

このステップにおいては、ローンチの成功を測定する明確で具体的な指標を構築する必要があります。アプリを開発しているのであれば、以下のようなデータを測定することができます。

  • 一定期間内のダウンロード数
  • ダウンロードの総数
  • レビューとフィードバックのスコア
  • ユーザーがアプリに費やした時間
  • その他、MVPが顧客のニーズを満たしているか、調整が必要かを確認するのに役立つもの

事実や統計は、現実的な視点を提供し、明確な目標や成功がどのようなものかを特定するのに役立ちます。

ステップ3:ユーザーにとって最も関連性の高い機能の選択

ユーザーにもたらす価値、ビジネスの目標、そしてこの2点をどのように組み合わせるかが明確になるのであれば、実際に製品がどのようなものになるかを決める段階に入ります。

最終ユーザーの立場で考えるカスタマージャーニーをマッピングすることで、ユーザーの行動に基づく情報が得られ、ユーザーの問題を解決するための一連の行動を特定することができます。

また、ユーザージャーニーには、ユーザーが行動を起こすに至った思考、感情、意思決定が含まれます。ジャーニーは、お客様と製品との関係を視覚的に表現するものです。

ユーザーが何を考え、何を感じて製品を使用しているかを考慮することは、ユーザーの意思決定プロセスに大きな影響を与えるため、忘れないようにしましょう。また、この情報は、製品内のある機能から別の機能へユーザーを誘導する際にも役立ちます。

ユーザーのジャーニーを理解するには、ユーザーとその性格、意思決定のプロセス、最終的なゴール、そしてそのゴールを達成するためにユーザーが取るべき一連の行動を特定するための質問に答える必要があります。

いくつかのタイプの潜在顧客を定義した場合、最も迅速に価値を提供できる顧客に集中します。そうすることで、テスト結果を分析する際の時間を節約することができます。

開発プロセスのこの段階において、どの機能をMVPに含め、どの機能を含めないかを定義する必要があります。製品の中核としてユーザーに最も大きな利益をもたらす部分に集中すべきです。

これらの機能は、事前に顧客調査を通じて、特定した問題を正確に解決しなければなりません。

ステップ4:MVPの開発

必要な情報がすべて揃ったところで、いよいよMVPを開発します。

プロトタイプは、開発したい製品全体を反映する物のため、ユーザーフレンドリーで魅力的なものでなければならず、品質基準を下回ってはなりません。

ユーザーにできるだけ早くソリューションを提供するための重要な機能に集中する必要があります。

プロトタイプが公開された時には、最終製品の開発でどの機能を優先させるかを決めるとよいでしょう。

ステップ5:フィードバックの分析

MVPの開発プロセスで最も重要なのは、結果を測定することです。これは、製品の実現可能性を試す真のテストであり、最終的な製品開発の今後の方向性を決定するものです。

ユーザーの声には細心の注意を払う必要があります。市場にいるすべてのユーザーを満足させることはできなくても、彼らのフィードバックは、機能を改善するための非常に的確なアイデアを提供してくれるでしょう。修正や微調整は製品開発プロセスの一部であり、市場の需要に製品を適合させるための準備が必要です。

最終製品を開発する準備が整うまでに、何度も調整を伴うテストを行う必要があります。MVPをテスト用に調整し最適化することは、一見不要なステップに思えるかもしれませんが、製品を顧客のニーズに完璧に適合させる機会を与え、最終版がリリースされたときに、より高いエンゲージメントと利益をもたらすことができます。

まとめ

MVPは多くのビジネスや多様な製品開発プロジェクトにとって実用的な解決策になります。MVPを開発することで、少ない費用で大きな成果を上げることができます。

CMC Japanにおいては、あらゆる種類のプロジェクト、Webサイト、アプリケーションのMVPを開発してきました。弊社は、最低限実現可能な製品開発のための完全なコンサルティングを提供いたします。MVPの開発に興味がある方、MVPの作り方について質問がある方は、お気軽にお問い合わせください。

>> MVP開発に関する無料相談はこちら