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RPAとは?RPAの意味、メリット、選定のポイント

RPAという言葉をご存知でしょうか?RPAは、事業プロセス自動化を促進する技術です。少子化や労働生産性の低下による人手不足の中、ここ数年、大幅なコスト削減と長期的な成果をもたらすために、企業で広く導入されています。この技術の魅力は何なのか、この記事でRPAや関連するトピックについて見てみましょう。

1. RPAとは?

RPAはPC上のロボットを 「デジタルワーカー 」として活用します。

定義

RPA(Robotic Process Automation)は、ほとんど手を加えることなく繰り返し行われる人間の手作業を代替し実行するための有効な手段として機能します。つまり、データ入力や文字起こしなどの退屈な日常業務を、あなたやあなたの従業員が実施するのではなく、業務用PCに追加したロボットを使ってすべて自動化するのです。

産業用ロボットを商品化することで生産性が向上するという産業革命を目の当たりにしたのです。ブルーカラー労働者は、このような「デジタル労働」の便利さを感じていましたが、今度はホワイトカラー労働者が、デジタルアシスタントによって定型作業を終わらせる番です。また、企業はRPAを、コストの最適化だけでなく、労働能力を活用する機会としてとらえています。24時間365日、疲れを知らないスタッフが利用できるとしたら、なんということでしょう。

すなわち、要するにRPAとは、コンピュータのソフトウェアに組み込まれたロボットを使用して、作業を自動化する技術のことなのです。

RPAの3大特徴

RPAロボット(ボット)は、知的ソフトウェアの一形態で、ロボット労働者として企業のバックオフィス業務を支援します。下記はRPAボットの3つの主な機能です。

RPAシステムの対話能力
RPAシステムの対話能力
  • 他システムと連携する能力

ボットは、他のソフトウェアアプリケーションやWebサイトと統合することで、複雑なルールに基づいて様々な作業を行うことができ、別の複雑なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を構築したり、使用されているアプリケーションを変更する必要がないため、効率的なシステム管理ができます。

  • 意思決定能力

RPAボットは、統合されているバックオフィスシステムからデータを収集し、意思決定技術を駆使して与えられたタスクを実行します。

  • ボットプログラミングインターフェースの存在

APIは必要ありませんが、ボットの設定や人間による介入には、シンプルなプログラミングインターフェースが重要です。

2. RPAはどのように機能するか(能力)

バックオフィスタスクの自動化が数々のアプリケーションに繋がっていると言う複雑さに依存していると言う事は嘗ては本当に妨げでした。

企業は、完全なAPIやシステム全体を開発する必要があり、時間とコストがかかります。それは今で、RPAの導入ですべて解決できています。

RPAのIT運用とは?RPAは、複数のアプリケーションを連携させ、繰り返し行われるバックオフィス業務を引き出してくれる、非常に容易でわかりやすいものです。

RPAロボットは、デバイスやアプリケーション上で人間のワークフローをコピーして

まず、RPAを使って、ソフトウェアボットで自動化しようとする仕事を記録します。次に、フローチャート化された作業工程をシンブルな手順で編集し、RPAロボットを開発するのです。具体的に言うと、RPAは、作業に複数のアプリケーションやツールが関与していても、プログラミング知識がなくても、テクノロジーデバイスの画面の人間のキーボードやマウス操作(フロントエンドの情報)や既存のITシステムの情報(バックエンドの情報)を記録し模倣する仕組みで、構築されるのです。また、正確性を確保するために、スピードやワークフローなどの記録されたアクションを調整することでカスタマイズすることができます。さらに、特定のスケジュールを設定することで、すべてのタスクが人間のように画面上で時間通りに完璧に行われるようになります。

では、日常の業務の中でRPAはどのように活用されているか、ご存知ですか?

いくつかのユースケースをご紹介します。

  • 顧客からの質問をそのままメールに書き起こす(メールマーケティングへの活用)
  • 従業員の情報をシステム上で更新し、同期させる(人事・総務の業務に活用)
  • 販売実績データを把握するための月次報告書の更新 等

つまり、RPAは単純作業や定型作業の置き換えに活用されています。

3. RPAとAIとVBAの違い

現在、市場にはさまざまな自動化ツールがありますが、企業は最も良い選択を行うために、それぞれのツールの主要な特徴を理解する必要があります。以下は、RPAとAI、VBAの主な違いについて説明します。

RPAとAIの違い

稼働メカニック 意思決定 ユースケース
RPA (Robotic Process Automation) ・人間のワークフローをテクノロジーデバイス上で 「人間が手作業している」かのように模倣し、記録する   ・ルール化された業務プロセスを正確に自動的に行う   ・実用化する時間を短縮する ・事前意思決定の支援  (メモ、記録、基礎分析、予測など)   ・人間の意思決定 定型作業を自動化し、業務遂行能力と生産性を向上させたいと考えている企業むけ
AI (Artificial Intelligence) ・機械学習により、人間の脳機能を活性化する   ・膨大な量のデータベースを基にして、迅速なデータ分析、戦略的な予測、イベントへの対応を自動化する   ・実用化には時間がかかる ・AIはデータプールに基づき正確な判断と意思決定を行う 膨大な量のデータベースから正確な判断をするための自動化ソリューションをお探しの企業むけ
先端技術といえば、まずAIが頭に浮かぶと思います。この2つの概念を取り違えてしまうこともあります。 簡単に言うと、RPAは、スケジュールされた一連の指示でデジタル従業員である機械に「教える」ようなものです。一方、AIは、処理し、分析し、判断できるように、大量の背景データを提供する必要があります。つまり、RPAとAIの大きな違いは、意思決定能力です。

RPAとVBAの違い

 自動化能力ユースケース

RPA

(Robotic Process Automation)

・クロスシステム、アプリケーション操作に関するタスクを自動化する

・プログラミングの知識はほとんど必要ない

複数のアプリケーションを使用する業務に適している

VBA

(Visual Basic for Application)

・他のすべての Microsoft Office アプリケーション (Word、Access 等) に関して、Excel に限定されたタスクを自動化する

・プログラミング言語VBAの知識が必要

バックオフィスの事務作業やペーパーワークの自動化のみを要求する企業に適している

 

RPAはプログラミングの知識がなくてもさまざまなアプリケーションを連携して作業を自動化できるのに対し、VBA(Excelマクロ)はOfficeアプリケーションの作業のみを行い、ITプログラミングのスキルが必要な点がRPAとVBAの違いです。

4. RPA導入のメリットとデメリット

RPAとは何か、どのような技術なのかを簡単に説明しました。次に、組織におけるRPA導入のメリットとデメリットをご紹介します。

RPAのメリット・デメリット一覧
RPAのメリット・デメリット一覧

Benefits

メリット

Increase productivity and outcome quality

生産性向上と成果物の品質向上

Improve accuracy in operational process

運用プロセスの精度向上

Reduce personnel + administrative cost

人件費・管理費の削減

Drawbacks

デメリット

Require quite high level of expertise experience

かなり高度な専門的経験が必要

Need skilled personnel to monitor and maintain RPA bot

RPAボットの監視・保守に熟練した人材が必要

メリット

  • 生産性向上と成果物の品質向上

RPAの登場は、従業員の満足度の向上と、反復的で退屈な作業をボットに振らせることによる生産性の向上につながります。そのうち、従業員は、専門知識やコミュニケーションなど、本来人間が行うべきクリエイティブな業務に専念すればよいのです。そうすれば、社員は「面倒な小さな作業」を気にすることなく、自分の真の価値を捧げることをより高く評価され、励まされます。つまり、従業員の満足度は、業務効率化によるビジネス能力の向上につながるのです。

また、RPAと人材が適切に連携することで、時間短縮、正確性、生産性など、より効率的に業務を進めることができ、望ましい結果が得られます。

  • 運用プロセスの精度向上

ロボットは人間と違って、長時間労働によって集中力の低下や作業精度の低下を起こしません。また、RPAは24時間365日稼働しており、決められた作業を高い精度で行うことができるため、より正確でエラー率の低い運用プロセスを実行することができます。

  • 人件費・管理費の削減

人的資源の必要性を減らすことができるRPAは、「デジタル労働」と呼ばれることもあります。ボットワーカー」を活用することで、企業は人的資源や業務コストを削減することができます。例えば、中小企業でRPAを導入すると、「自動化できる仕事」のための人材確保や給与、教育コストが不要になり、管理業務を少ない人員で効率的に行えるため、業務コストを最適化することができます。

デメリット

  • かなり高度な専門的経験が必要

この分野の経験が浅い人にとってRPAを企業に導入することは難しいことです。RPAは技術的なプログラミングに比べれば理解も応用もしやすいのですが、やはりITの一種なので一朝一夕には習得できず、マニュアルやビデオでの学習に時間が必要です。

  • RPAボットの監視・保守に熟練した人材が必要

前述のように、RPAは決まったルールに沿って機能しますが、ルールに書かれていない想定外のイベントが発生すると、機能が停止してしまいます。その場合、人が介入して原因を究明し、必要な修正を行う必要があります。そのため、ロボットを効果的でシームレスに動作させるためにコンサルティング、監督、定期監査、監視、保守を行う専門家の存在が不可欠となるのです。

5. RPA開発における3つのクラス

RPAは、膨大な量のデータの処理、システム間でスケジュールされた任意の時間での一定の繰り返し作業などに広く利用されています。RPAは用途に応じて、RPA、EPA、CAの3つのクラスに分類されます。それぞれのクラスを見てみましょう。

RPAのソフトウェア能力の成長レベル
RPAのソフトウェア能力の成長レベル

RPA’s Revolution Levels

RPAの革命レベル

RPA(Robotic Process Automation)

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)

EPA(Enhanced Process Automation)

EPA(より強力な手段の自動化)

CA(Cognitive Automation)

CA(経験的知識に基づいた自動化)

  • RPA

RPA(Robotic Process Automation)は、RPAの基本機能をすべて備えた最も代表的なもので、基本的な定型業務のみを自動化する技術です。単純で時間のかかる入力・検証作業(人事・経理・データ入力など)に多く利用されています。

【活用事例】

  • バックオフィスのデータ入力作業(事務作業)を軽減する
  • データ管理サポート:最新データの継続的な更新、スケジュール化されたワークフローに沿ったリレーショナルデータの整理
  • データの計算ミスなしや在庫追跡のための販売管理、コストと収益の追跡を支援し、より効果的な販売決定を計画するための迅速な行動を取れるようにする
  • EPA

EPA(Enhanced Process Automation)は、クラス1の典型的なタイプの機能の他、AI統合でデータ分析を自動化できるRPAの一種です。作業範囲は、通常のRPAシステムでできない非構造化データの読み取りやリレーショナルデータベースへの分析などです。画像解析ベースと音声解析ベースの両方が利用可能です。

【活用事例】

  • ログ解析の安全性確保:コンピュータが生成した記録データを確認・解釈・理解する過程でのセキュリティ強化
  • 売上予測:ユーザーがカスタマイズして選択できるように、複数の要素について売上予測を支援する
  • 生産性と成果を上げるためのWeb広告の推奨
  • CA

CA(Cognitive Automation)は、RPAの最高クラスで、ビジネスプロセスだけでなく、組織における意思決定の自動化にも高度なAIが活用されるようになったことを指します。機械学習、文脈言語解析などの最新技術により、CAクラスにおけるRPAシステムは膨大な量のデータを扱うことができ、人間のビジネス上の意思決定に対して、完全分析された価値ある判断をリアルタイムに提供することができます。

【活用事例】

  • 季節や天候に左右される家畜市場など、常に変化の激しい専門分野での価値ある予測を提供する
  • 政治、経済、法律、社会の需要動向などの市場のマクロ環境要因の考慮や、より良い経営判断の伝達を支援する

 

6. RPAの分類とユースケース

RPA の最もよく知られている分類は、インストールの主な基盤に基づく、デスクトップ型、サーバー型、およびクラウド型です。以下の分析情報を参考にし、企業のニーズに合わせて最適なものを選択しましょう。

デスクトップ型

  • ソフトウェアインストール:クライアントの PC セット 
  • 対象: 中小企業と大企業
  • ユースケース:主にオフラインまたはバックオフィス業務 (データ処理、事務処理など) を小規模から自動化したい新規企業
  • 保管場所:オンプレミス

サーバー型

  • ソフトウェアのインストール: クライアントのサーバー (又はPC)
  • 対象: 大企業
  • ユースケース:大規模な自動化タスクのニーズがあるRPA の経験を持っている企業
  • 保管場所:オンプレミス

クラウド型

  • ソフトウェアのインストール: オンラインプロバイダーのサーバー上
  • 対象: 中小企業
  • ユースケース: オンラインで作業を自動化し、小規模から活用を拡大することを考えている企業
  • 保管場所:クラウド

まとめると、どのタイプを選べばいいのか、そのポイントは次の通りです。

  • デスクトップタイプ:小規模な自動化活動、人間の介入を制限し、自動化の範囲を拡大する場合に向く
  • サーバー型:大規模な業務や社内のPCをサーバーで管理し、RPAツールを運用する機能が必要な大企業向け
  • クラウド型:小規模なオンライン自動化、コスト削減(サーバー開発費、人件費の削減)が必要な中小企業向け

7. RPAソフトウェア選択時の主な検討事項

RPAの必要性を認識し、最適なRPAソフトウェアを選択しましょう。選択の主な基準をご紹介します。

  • ソフトウェアのレイヤー設計構造

これは、RPAがどのように、どこに関与し、ツール、変更、およびメンテナンス関連のタスクをどの側が制御するかを決定する重要な要素の1つです。RPAツールは、複数のPC上で「人間の介入」で動作する必要があるのか(オンデマンドで明確に定義され、スケジュールされたタスクの場合)、サーバースペースで支援を受けずに動作する必要があるのか(イベント対応タスクの場合)、あるいはその両方なのかによって、ツール選択が大きく左右されます。さらに、適切なレイヤー設計のRPAを選択するということは、業務ワークフローに追加する際の修正能力(管理ダッシュボード機能)についても、適切な制御範囲を検討することです。 

  • アプリ連携機能

RPAの大きな特徴の1つは、多くのシステムやテクノロジーと統合する能力です。強力な統合能力は、効率的で堅牢かつ継続的な自動化を行うことができます。人事や会計システムなどの企業のアプリから情報にアクセスし、そこから様々な技術を使って業務をつくることができる互換性を持つRPAソフトウェアを選択しましょう。

  • 拡張性

RPAは、企業内のあらゆる場面でより多くの自動化タスクを行う必要がありますが、特に無人タスク(イベント対応作業)では、将来の需要を満たすための拡張可能である必要があります。このように、VMsやコンテナ、追加のクラウドボットなど、クラウドの導入がスケーリングの問題を緩和する鍵となります。スケーラビリティには、プロセス制御、管理、メンテナンスなど様々なレベルがありますので、自分のニーズ、予算、使用目的に応じて選択しましょう。

  • 例外処理能力

導入時には、予期せぬ事態が避けられないため、エラーを簡単に検出して調整できるRPAシステムを見つけることが重要です。人間の介入の有無にかかわらず、システムの障害を追跡するプロセスは、望ましい結果を得るためにRPAを円滑且つ効果的に稼働させるのに役立ちます。

  • セキュリティと管理権限

RPAは、顧客データや民間企業情報などの機密データの処理において利用されています。そのため、セキュリティ対策は重要となるのです。システム・プロバイダーによって取り扱う市場が異なり、RPAの構築、制御、展開の手法も異なるため、企業のニーズと自動化するアクティビティに必要な適切なソリューションを見つけることが重要です。

また、ボットをエンタープライズ・アプリケーションに導入する前に、ボットにクレデンシャル情報を付与する必要があります。さらに、イベントに応答して特定のリソース上で実行される無人ボットに必要なものを準備しし、従業員によるRPAボットの作成と実行を許可する必要があります。また、ボットを監視するとともに、アクセス権限の例外を全従業員に適用しなければなりません。

では、おすすめのRPAは?Forrester Waveレポートによると、次はトップのシステムベンダーです。

  • UiPath
  • Automation Anywhere
  • NICE
  • Blue Prism
  • EdgeVerve
  • Hyland

まとめ

人材不足と技術の向上により、RPAは企業で広く活用されています。RPAの仕組みを理解するには、ITプログラミングの知識が必要ないため、それほど難しいことではありませんが、一朝一夕に理解することは不可能です。また、企業のニーズに合わせた最適なソリューションを提案してもらうために、RPAサービスプロバイダーへ依頼するのをお勧めします。

CMC Globalは、ITサービス分野で29年の経験を持ち、10以上のRPA Automation Anywhere認定資格を持つトップエキスパートチームが、RPAコンサルティングとシステムインテグレーション、およびRPA導入ソリューションを提供いたします。また、UiPath、Automation Anywhere、Blue Prismといったトップクラスのシステムをベースに、迅速なサービスと費用対効果の高いソリューションを提供します。お客様のRPAソリューションの選択として、CMC Japanにお任せください。

 

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