AWS DMS:データベース移行の基本的な特徴と種類
データ移行とは、あるコンピューティング環境から別の環境へデータを転送することです。現在のデジタル化時代では、ビジネスデータが複数のソースに分散されているため、顧客インサイトやサービスデータなど、より良いビジネスビューのために情報を特定の場所に集約することが重要となっています。つまり、データマイグレーションは、データを1つのソースに集めて分析することで、より効果的なデータ管理を実現し、有益なビジネス上の意思決定を可能にします。
さらに、ハードウェア・システムのアップグレードが必要な場合、特にストレージ・コストの最適化・削減を重視する企業にとって、効率的で安全なデータ移行が可能になります。
継続的な技術革新に適応するために、移行だけでなく、全体のビジネスデータベースをバックアップしたい場合、現在最も一般的なコンピューティングのクラウドマイグレーションを選択するべきです。AWS DMSと呼ばれるAmazonのデータ移行サービスについて説明します。
1.AWS DMSとは?
現在、起業家は、データベースの重要性と、価値ある競争力のある意思決定のための革新的な技術への追随を理解しており、クラウドデータ分析を広く採用しています。 クラウド上のデータベースで最も使用されている移行サービスの1つは、最大のシェアを誇るAmazon Web ServicesのAWS DMSです。では、このようなAmazonのサービスはどのようなものなのでしょうか。ここでは、その定義をご紹介します。
AWS DMSの定義
AWS DMSとは、AWS Database Migration Serviceの略で、Amazonクラウドサービスの中でも、データベースを安全かつ徹底的に、最短時間でAWSクラウドに移行することを支援するサービスの一つです。このサービスは、専門的なツールを使用し、ソースデータと同期しながら、あらゆる種類のデータを移行先に転送することを可能にします。
つまり、AWS DMSはデータレプリケーションサーバーとも言えます。具体的には、移行元と移行先を明確にすることで、データ移行作業を計画的に行うためのサーバーを用意します。また、移行先のテーブルや関連キーがない場合、AWS SCTツールでユーザー自身が手動で事前作成する以外に、AWS DMSの関連サービスにその作業を依頼することもできます。
2.AWS DMSの基本的な特徴
以下は、Amazonのデータ移行サービスの開始時の機能です。
自動移行が可能
このAmazonのデータベース移行サービスは、他のインストールをすることなく、自動化されたツール(またはオートメイトマネージャーと呼ばれる)の助けを借りて、ユーザーのデータ移行を簡単に行うことができます。ユーザーは、AWSマネジメントコンソールから数回クリックするだけで、自動化ツールによるデータ移行、バックアップ、パッチ適用、エラー検出、レポート作成にアクセスすることができます。さらに、バックアップとしてレプリケーションサーバーを使用することで、ユーザーはデータ損失やエラー発生時のソフトウェアの中断を心配する必要がありません。
高度なセキュリティ・継続的なデータレプリケーション
AWS DMSは、データの保存と移行の両方に、AWS Key Management Service(KMS)とAWS Secure Socket Layers(SSL)を使った暗号化メカニズムであり、高いレベルのセキュリティを保証しています。
データ暗号化の安全性とは別に、AWS DMSのユーザーは、データソースとターゲット先のデータを同期するためのデータ複製作業を継続する際にも、バックアップサーバーを確保することができます。これにより、移行プロセスのレイテンシーを最小化するだけでなく、継続的なデータ転送プロセス(中断した時点から移行プロセスを再開して継続する)を可能にします。
複数のデータソースと送信先に対応
クラウドサービス分野のリーダーとして、AWSのデータ移行サービスは、自己管理型、オープンソース、オンプレミス、あるいは商用データベースまで、あらゆる種類のデータベースエンジンソースを支援します。例えば、Oracle、Microsoft-SQL Server、MySQL、MariaDB, PostgreSQL、Amazon Aurora、SAPなどのデータベース管理システムからのデータ移行をサポートします。また、AWS DMSのOracle移行やSQL Server、PostgreSQL、MySQL、Amazonの移行先(Amazon Redshift、Amazon S3、Amazon RDS、Amazon Auroraなど)など、複数の移行先を指定することも可能です。
AWS DMSの利用は、データ管理システムの多様性、互換性、可用性の面で大きなメリットをもたらすことは明らかです。さらに、Amazonのサーバーに移行することで、ユーザーは分析、リレーショナルデータベース、ストレージなど、他のAWSのデータサービスにアクセスすることができるようになります。
コストの最適化
AWSのサービスの顕著な特徴として、「従量課金制」があります。AWS DMSの料金も同様で、ユーザーは移行プロセスで使用するコンピューティング・インフラ(ストレージ機能を含む)に対してのみ料金を支払う必要があります。これにより、企業はデータ移行サービスに費やす費用を最適化することができます。
3.AWS DMSの方式と使い方の種類
ユーザーの要望とデータレプリケーションの範囲から、AWSのデータベース移行サービスの主な3つのタイプを紹介します。
フルロードマイグレーション方式
フルロードマイグレーション方式では、その時点のすべてのデータベース(移行時までの初期固定データベース)を移行し、その後のデータベースの変更は複製されません。
適した使用例は以下の通りです。
- ビジネス上、一度だけ移行したい場合
- 継続的な変更記録を作成する必要がない場合
フルロード:CDCコンビネーションマイグレーション方式
フルロードとCDC (Change Data Capture)方式は、移行時のソースデータベースのみならず、その後のデータソースの追加変更も含めて移行・複製することを支援するものです。つまり、既存データと最新データを移行先に転送しながら、中断することなく作業を進めることができます。
適した使用例は以下の通りです。
- 移行中もソースと同期し、データベースを更新することがビジネス上要求される場合
- タスクを継続しながら、最新のデータを受信する際に、データ移行を継続させる必要がある場合
CDCマイグレーション方式
CDC(Change Data Capture)マイグレーションは、最初の2つの方法とは異なり、データの変更点のみを複製するものです。
適した使用例は以下の通りです。
- すでに他の方法でデータベースを移行しているが、更新された情報が必要である場合
- 移行元データベースと効果的かつ安全なデータ変更の同期を求めるビジネスニーズがある場合
まとめ
データ移行サービスに関しては、AWS DMSがすべての自動化された機能で際立っており、複数のデータ管理システムをソースとターゲットとしてサポートし、テラバイトサイズのデータベースを転送するためのコストを最適化していることは明確です。
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