組み込みソフトウェア

組み込みソフトウェアとは?定義、事例及び種類

50年以上前に、最初の組み込みソフトウェアが誕生しました。現在、組み込みソフトウェアは私たちの身近にあり、IoT(Internet of Things)デバイスの開発にも欠かせない要素となっています。本記事では、組み込みソフトウェアの定義、事例、種類について詳しくご紹介します。

1. 組み込みソフトウェアとは?

組み込みソフトウェアとは

組み込みソフトウェアとは、明確に定義された1つのタスクを繰り返し実行するように設計された、特別な目的のハードウェア上で動作するコードのことです。

例えば、Bluetoothヘッドフォンの唯一無二のタスクは、Bluetoothで他の機器に接続して音楽を受信し、それを再生することです。Bluetoothヘッドホンは、他のアプリケーションをインストールし、その機能を変更することはできません。したがって、Bluetoothヘッドホンを制御するソフトウェアは、組み込みソフトウェアの一例といえます。

組み込みソフトウェアは、洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、Xboxコントローラー、スマートウォッチ、血圧計など、主要な演算コンポーネントとしてマイクロコントローラーが使用されているカスタムハードウェアを搭載した機器にも搭載されています。

もしチップを内蔵しているがコンピュータではない機器を購入した場合、おそらくそれは、組み込みソフトウェアが動作している機器です。

2. 組み込みソフトウエアの適用

組み込みソフトウェアの適用で最もシンプルな例は、スマートフォンに搭載される前に使われていた古典的な電卓です。 テレビのリモコンやデジタルカメラもそのような単純な適用の例です。これらはすべて、組み込みシステムによって動作しています。

ここでは、より革新的な適用例をいくつかご紹介します。

  • コネクテッドカー向けソフトウェア:コネクテッドカーは新しい技術であり、一定の品質と安全性の基準をクリアする必要があります。何千行ものコードが、これらの車のために書かれています。
  • デジタルスマートカメラの内部システム:顔識別や認識機能を備えたセンサー付きカメラは、内部に組み込まれたプログラミングにより動作しています。カメラを人工知能や機械学習と統合することも可能です。
  • スマートパーキングに内蔵されているソフトウェア:スマートパーキングアプリも同様の原理で内蔵された電子システムがアプリの心臓部となり動作します。

3. 組み込みシステムの特徴

一般的なコンピュータシステムと異なり、組み込みシステムは限られた時間の中で一つの目的を果たすものです。例えば、洗濯機はノートパソコンのようにマルチタスクを実行することができません。このような観点から、組み込みシステムの特徴をご紹介します。

洗練された機能

組み込みシステムのアプリケーションにおいて、同じ機能を持つものはありません。例えば、洗濯機の機能と電子レンジの機能は異なります。しかし、ノートパソコンとデスクトップパソコンの機能はほぼ同じです。

リアルタイムオペレーション

ライブオペレーションという意味ではなく、ソフトウェアがハードウェアをプログラムし、時間に依存する形で動作させることを意味します。また、2つのモードがある場合もあります。ハードモードとソフトモードがあり、前者は決められた時間内にタスクを終了させなければならないことを示し(例:時計)、ソフトモードは決められた時間以上にシステムを使用することができます(例:電子レンジ)。

低い製造コスト

組み込みシステムは、特定の目的に合わせて設計されるため、柔軟性のある一般的なコンピューターシステムよりも製造コストが低く抑えられます。また、それにより組込みシステムは演算を行うための消費電力も少なくなります。

プロセッサとメモリ

プロセッサとメモリの要件は、タイプによって異なる場合があります。例えば、小型の組み込みシステムには少ないメモリで済みますが、高機能なシステムにおいては動作するためにマルチコアプロセッサのような、より多くのメモリが必要となります

厳しい設計制約

組み込みシステムの絶対的な性能を実現するためには、コスト、性能、サイズ、パワーを中心に考慮すべき設計上の制約が数多く存在します。そのシンプルな機能を確保するために、これらの設計要素を最小限に抑えています。

4. 組み込みシステムの種類

4.1. 機能及びパフォーマンス要件に基づく組込みシステム

独立動作型組み込みシステム 

このタイプの組み込みシステムは、独立して機能し、リンクされたデバイスにデータを表示するため、ホストコンピュータは必要がありません。アナログまたはデジタルの信号がポートで取得され、処理されます。適切な計算と変換の後、接続されたデバイスに最終的な結果が表示されます。独立して動作するにもかかわらず、高い適応性と効率性を備えている点がこのシステムの特徴です。独立作動型組込みシステムの一例として、洗濯機、MP3プレーヤー、携帯電話、腕時計などが挙げられます。

リアルタイム型組み込みシステム

リアルタイム型組み込みシステムは、特定の時間に出力が必要な場合に役立ちます。また、これにはソフト組み込みシステムとハード組み込みシステムの2つのタイプが存在します。

ソフト・ハードの両タイプにおいて、タイムラインが厳密に守られます。ハード組み込みシステムにおいては、タイムラインが経過すると、システム障害とみなされます。しかし、ソフト組み込みシステムにおいては、時間が経過しても、その結果を受け入れることができます。

ネットワーク型組み込みシステム

ネットワークは、あるプログラムが他の装置で動作しているときに作られます。これはネットワーク型組み込みシステムと呼ばれ、マイクロプロセッサやコントローラが動作プログラムを制御しています。このシステムは、LANまたはWANのネットワークに接続されており、無線や有線での接続は必要がありません。ネットワーク全体の制御やアクセスには、ウェブブラウザが使用されます。すべての接続は標準的なネットワークを介して行われ、あらゆるビジネスやハイテクパークにあるセキュリティシステムによって個別で管理されています。

モバイル型組み込みシステム

モバイル型組み込みシステムとは、携帯可能な機器全般を指す言葉です。メモリや機能には限りがあるものの、その携帯性と手軽さは多くのユーザーに恩恵をもたらします。携帯電話、ノートパソコン、電卓などは、私たちが簡単に接続できるモバイル型組込みシステムの代表的な例です。

4.2. マイクロコントローラのパフォーマンスに基づく組込みシステム

小型化する組み込みシステム

小型の組み込みシステムを構築するためには、16ビットや32ビットのマイクロプロセッサを搭載したマイクロコントローラが役立ちます。また、DSPやRISCを使用して作成することも可能です。ハードウェアやソフトウェアのプログラミングには、多くのコーディング言語が使われます。中型のシステムであっても、小型のシステムと同様にIDEを使用する必要があります。膨大なメモリと処理能力を必要とするハイエンドなアプリケーションでは、中規模なコンピュータが有効な選択肢となります。

洗練された組み込みシステムのハードウェアとソフトウェアは、誰にとっても価値があるものです。これらのシステムには、大容量のメモリレジス タ、拡張性のあるプロセッサ、IPが必要です。グラフィカルなスクリーン、タッチパッド、そして最先端の代替品には、その機能を最大限に発揮するためのソフトウェアとハードウェアが必要です。

中型組み込みシステム

16ビットまたは32ビットのマイクロコントローラを搭載した組み込みシステムは、中規模組み込みシステムと呼ばれています。この中規模の組み込みシステムの性能は、小規模な組み込みシステムより優れています。これらのシステムでは、ハードウェアとソフトウェアが複雑に統合されています。。中型の組み込みシステムの構築には、Java、C、C++などのプログラミング言語がよく使用され、コンパイラ,デバッガ,シミュレータなどのソフトウェア開発ツールも頻繁に利用されます。

高度かつ複雑な組み込みシステム

複雑な組み込みシステムを構築するためには、32ビットまたは64ビットアーキテクチャのマイクロコントローラを多数組み込む必要があります。これらのシステムは、大規模かつ複雑なタスクを処理するために設計されています。このようなシステムは、ハードウェア、ソフトウェアともに非常に複雑です。

まとめ

本記事を通して、組み込みソフトウェアとは何か理解していただけましたでしょうか。。現在または将来検討されるプロジェクトにおいて、組み込みソフトウェアの経験を持つ開発チームやチームエクステンションを採用する必要がある場合は、是非CMC Japanにご連絡ください。2200人以上の認定エンジニアをもって、お客様のプロジェクトをお手伝いさせていただきます。お気軽にお問い合わせください。

>> 組み込みソフトウェア開発に関する無料相談のお申し込みはこちら