ベトナムオフショア開発が選ばれる理由とは?
ベトナムは今、ITオフショア開発先として世界各国から選ばれています。
この新たなトレンドの背後には何があるのでしょうか?
国際的に注目を浴びているといっても、まだ日本へ進出していない企業の方が多いため、日本におけるベトナムオフショア開発企業の知名度は高くありません。そのため、オフショア開発を検討していても、どこへ依頼すれば良いかわからないとお悩みのご担当者様も多いでしょう。
そこで本記事では、ベトナムがIT業界において重要なオフショア開発先となる理由や、ベトナムのITアウトソーシングサービス企業の検討に役立つポイントをご紹介します。
ベトナムオフショア開発は日本と比べて「安い」コストでエンジニアを活用できる
ベトナムではIT専門家の数が増加していますが、その大多数の給与は東南アジアの同業者よりも低いものとなっています。ベトナムで高度なスキルを持ったエンジニアの年収は約100万円以上で、これはマレーシアの平均的な年収よりも50万円ほど低くなっています。
また、同じスキルを持ったエンジニアであっても、隣国のタイでは300万円近くの収入を得ています。
競争力のある人件費は、世界の企業がベトナムに注目する大きな理由になっています。Q&Aサイト「Stack Overflow」の調査によると、ベトナムは開発者層の給与の中央値で下位7位にとどまっています。
経済産業省とみずほ情報総合株式会社の「我が国における」の報告書によると、スキルアップ(勉強時間)に関する国際比較について、2017年度にIPA調査とした実施した国際比較調査では、各国のIT人材と比較して、ベトナム人材の場合、「業務上必要な内容があれば、業務外でも勉強する」の項目で第2位(56,5%)となりました。
このことからベトナム人材の勤勉さを伺うことができます。
また、ベトナムは「週あたりの平均勉強時間」においても、インドに次いで2位となっています。
ベトナムの人件費は、中国・インドと比較しても安価で安定しているので、オフショア開発先として、リーズナブルで学習意欲の高い人材を獲得しやすい傾向がありそうです。
ベトナムはITオフショア開発拠点のトップ5にランクイン
国際的な経営コンサルティングファームであるAT Kearneyの「2019年グローバルサービス立地指数(GSLI 2019)」の調査によると、ベトナムはITサービスプロバイダーのトップ5に入っています。「経済的な魅力」「人材のスキルと可用性」「ビジネス環境」という3つの主要な要素で5位にランクインしており、ベトナムが世界の大企業から魅力的な投資先として選ばれ続けていることがわかります。日本企業もITアウトソーシングやBPOを目的としてベトナムのサービスを利用しています。
ベトナムでは、高いスキルを持った労働力が成長しつつあり、より良いサービスで競争するために英語力の向上にも力を注いでいます。
ベトナムは、東南アジア地域のITサービスプロバイダーを牽引する役割を担っており、高度に熟練したIT労働力と発展途上の技術エコシステムにより、ベトナムは世界中の企業にとって好条件を揃えているといえます。
ベトナムの政治的・経済的な安定
ベトナムは社会的・政治的に安定しており、外資系企業に有利な条件を揃えています。
さらに、ベトナムのGDPは年間平均7.4%(CEIC)成長しており、アジア太平洋地域で最も急速に成長しています。
このため、プロジェクトを効率的に機能させられるのに必要な、安定した環境が整っているといえます。
東南アジア地域の「デジタルハブ」、ベトナム
CMC Corporationの代表取締役会長兼CEOであるNguyen Trung Chinhは「当社は、ベトナムを東南アジア地域のデジタルハブに変える上で重要な役割を果たしている」とコメントしています。
実際にCMCは、デジタルリソースを共有することを目的として、世界中の企業向けのエコシステム「COPE2N」を立ち上げました。これは、グローバル企業をベトナムに惹きつけることを目的にしたものです。
ベトナムは、東南アジアの主要なITサービスプロバイダーになりつつあります。
高度なスキルを持つIT労働力と発展途上の技術エコシステムを備えたベトナムは、世界のクライアントにとってより良いパートナーになるでしょう。