Amazon RDSとは? 特徴、長所と短所

本記事では、リレーショナルデータベースをクラウド上で展開、スケーリング、保守するためにAWSが提供するフルマネージドサービスであるAmazon RDS (Amazon Relational Database Service)についてご説明します。RDSは、MySQL、Oracle、MariaDB、PostgreSQL、Microsoft SQL Serverなど、複数のデータベースエンジンに対応しています。

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Amazon RDSとは?

Amazon Relational Database Service (RDS) は、Amazon Web Services (AWS) のマネージドSQLデータベースサービスです。Amazon RDSは、データの保存と整理のために様々なデータベースエンジンをサポートしています。また、データ移行、バックアップ、リカバリ、パッチ適用を含むリレーショナルデータベース管理タスクをサポートしています。

Amazon RDSは、クラウドにおけるリレーショナルデータベースの展開と管理を容易にします。また、クラウド管理者が、クラウドデータベースのリレーショナルインスタンスをセットアップ、運用、管理、および拡張するために使用されます。Amazon RDSはそれ自体がデータベースではなく、リレーショナルデータベースを管理するためのサービスです。

Amazon RDSの特徴

  • レプリケーション:RDSはレプリケーション機能を使って読み取り専用の複製を作成します。これはデータベースインスタンスの読み取り専用コピーで、元の本番データベースに変更を加えることなく、アプリケーションによって使用されます。管理者は、RDS Multi-AZ の展開と同期データレプリケーションにより、異なるアベイラビリティゾーン間での自動フェイルオーバーを有効にすることもできます。
  • ストレージ:RDSは3種類のストレージを提供しています。
    • 汎用ソリッドステートドライブ(SSD):Amazonにおいては、このストレージをデフォルトの選択肢として推奨しています。
    • プロビジョニングされた1秒あたりの入出力操作数(IOPS):I/O集中型のワークロードを持つアプリケーションのためのSSDストレージです。
    • マグネティック:より安価な選択肢です。
  • モニタリング:Amazon CloudWatchサービスにより、マネージドモニタリングが可能です。容量やI/Oのメトリクスを確認することができます。
  • パッチ:RDSは、ユーザーが選択したデータベースエンジンのパッチを提供します。

バックアップ:障害検知および復旧も大きな特徴です。RDSはトランザクションログを含むマネージドインスタンスバックアップを提供し、ポイントインタイムリカバリーを可能にします。ユーザーは保存期間を選択し、その期間内の任意の時点におけるデータベースを復元することができます。また、手動でインスタンスのスナップショットを作成し、それを削除するまで保存しておくことも可能です。

RDSにおいては、バックアップ処理の時間や期間を設定することができる。また、バックアップやスナップショットを保存する期間も指定できる。

  • 従量課金制:ユーザーは起動したインスタンスに対して月額料金を支払います。
  • 暗号化:RDSは、自動バックアップ、データ スナップショット、リードレプリカ、および保存されているその他のデータを、公開鍵暗号化により安全に保護します。

Amazon RDSの長所と短所

長所

Amazon RDSの主な長所は、組織が大規模なリレーショナルデータベースを管理する煩雑さを改善するのに役立つということです。その他の長所は以下の通りです。

  • 使い勝手の良さ:管理者は、特定のデータベース管理ツールを習得する必要がありません。また、管理コンソールを使用して、多数のデータベースインスタンスを管理することができます。RDSは、MySQLやOracleなど、ユーザーがすでに慣れ親しんでいるデータベースエンジンと互換性があります。 また、手動によるバックアップとリカバリのプロセスを自動化することができます。
  • 高い費用対効果:ユーザーは使ったリソースの量により利用料金が請求されます。また、バックアップやパッチ適用などの保守作業が自動化されるため、インスタンスの管理にかかる時間が短縮されます。
  • リードレプリカを使用することで、読み込みの多いトラフィックがプライマリデータベースインスタンスから遠ざかり、そのインスタンスの作業負荷が軽減されます。
  • RDS は計算機とストレージを分離しているため、管理者はこれらを独立して拡張することができます。

短所

Amazon RDSを使用する際の短所としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 不十分なルートアクセス:RDSはマネージドサービスであるため、ユーザーはRDSサーバーへのルートアクセス権を持っていません。RDSの特定の手順は、高度な権限を持つ人々のみがアクセス可能です。
  • ダウンタイム:パッチ適用やスケーリングの手順の中には、システムをオフラインにする必要があるものが含まれます。これらのプロセスのタイミングは様々です。スケーリングでは、コンピューティングリソースに平均数分のダウンタイムが生じます。

Amazon RDSデータベースエンジン

RDSは以下の6つのデータベースエンジンをサポートしています。

  • Amazon Aurora
  • PostgreSQL
  • MySQL
  • MariaDB
  • Oracle Database
  • Microsoft SQL Server

それぞれの詳細は以下の通りです。

Amazon Aurora

Amazon Auroraは、オープンソースデータベースのシンプルさと高い費用対効果、従来のビジネスデータベースの可用性とパフォーマンスを提供するためにクラウド向けに設計されたMySQLとPostgreSQLと互換性のあるリレーショナルデータベースです。

  • 標準的なMySQLの5倍の速さ
  • 標準的なPostgreSQLの3倍の速さ

価格:

価格は地域によって異なります。

AWS RDS PostgreSQL

RDSを利用して拡張性・可用性の高いPostgreSQLリレーショナルデータベースを展開し、接続することができます。PostgreSQLのインスタンスを展開するのに必要な時間はわずか数分です。RDS PostgreSQLは、従来のPostgreSQLと同じ機能を提供するため、ローカルのデータベースをRDSにダンプまたはアップロードするだけです。

価格:

  • データベースストレージ: 0.115ドル/GB/月
  • バックアップストレージ: 0.095ドル/GB/月

AWS RDS MySQL

MySQLは世界で最も人気があり、広く使われているリレーショナルデータベースで、Amazon RDSはセットアップ、運用、拡張を簡単に行うことができます。RDS for MySQLは、MySQLのすべてのバージョンをカバーしているため、現在記述しているコードを使用することができます。

価格:

  • データベースストレージ: 0.115ドル/GB/月
  • バックアップストレージ: 0.095ドル/GB/月

AWS RDS MariaDB

MariaDBは、MySQLのオリジナルクリエイターによって作成され、PHPベースのアプリケーションを作成するために非常に人気があります。MariaDBのすべてのバージョンは、Amazon EDSでカバーされています。

価格:

  • データベースストレージ: 0.115ドル/GB/月
  • バックアップストレージ: 0.095ドル/GB/月

AWS RDS Oracle

オラクルのリレーショナル・データベースは、Oracle Databaseと呼ばれています。

価格:

  • データベースストレージ: 0.115ドル/GB/月
  • バックアップストレージ: 0.095ドル/GB/月

AWS RDS Microsoft SQL Server

マイクロソフトのリレーショナルデータベースは、SQL Serverと呼ばれています。SQL ServerのExpress、Web、Standard、Enterpriseなど複数のエディション(2008 R2、2012、2014、2016、2017)がAmazon RDSにマージされているため、アプリケーションがどのようなコードで構築されていたとしてもRDS内で適用することが可能です。

価格:

  • データベースストレージ: 0.115ドル/GB/月
  • バックアップストレージ: 0.095ドル/GB/月

ただし、どのデータベースエンジンも、インターネットからの「データイン」は無料であり、「データアウト」のみ支払いが必要です。

まとめ

Amazon RDSは、移行、バックアップ、リカバリ、パッチ適用などのリレーショナル・データベース管理タスクを企業が処理できるようサポートします。Amazon RDSの主な機能は、レプリケーション、高性能ストレージ、および障害検出です。

Amazon RDSの最大の長所の1つは使いやすさです。管理者は、他のデータベース管理ツールを学ぶことなく、複数のデータベースインスタンスを処理することができます。これらの特徴により、RDSは、時間のかかるデータベース管理作業に関連するコストを削減し、AWSの高性能ストレージの使用に関連する隠れたコストを管理できるようにします。

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