デプロイとは|定義と4つの手法を紹介
ソフトウェア開発のゴールは、プログラムを書き終えることではありません。構築したプログラムを想定されている実際の環境に移し、動作する状態にすることがゴールになります。デプロイとは、「構築したプログラムをユーザーがアクセスできるような本番環境に移し、意図した通りに動作する状態」にすることを指します。本記事では、デプロイの定義や種類、デプロイを全て自動化することのメリットについて紹介します。
1.デプロイとは
定義
まず、本記事のメインキーワードである「デプロイ」の定義を確認していきましょう。デプロイを英語表記すると、「deploy」となり「(部隊や兵力を)配備する、配置する、展開する」という意味になります。つまり、デプロイとは、「いつでも戦闘を開始できる状態にしておくこと」と言い換えることができます。
一方で、ソフトウェア開発におけるデプロイとは、「構築したプログラムをユーザーがアクセスできるような本番環境に移し、意図した通りに動作する状態」にすることを指します。当然のことですが、プログラムを構築しただけではソフトウェア開発が完了したとは言えません。想定している環境においてプログラムが動作し、ユーザーが問題なく利用できる状態にして初めて開発の目的を達成したことになります。また、デプロイの類義語に「リリース」という言葉がありますが、デプロイはリリースの中の1つのステップになります。
デプロイの自動化
消費者のニーズが急速に変化する近年のソフトウェア・システム開発において、開発チームと運用チームが連携および協力することで柔軟かつ迅速な開発を行う手法であるDevOpsが導入されるようになりました。この手法では、細かい変更点をテストし、リリースしてフィードバックを得るというサイクルをいかに短期間で回せるかというポイントが重要になってきます。
本記事のテーマと関連付けると、デプロイプロセスにおいても、迅速な実行が求められる機会が多くなったということです。デプロイプロセスを迅速に実行するためには、このプロセスを自動化させる必要があります。デプロイを自動化することで、プロジェクトメンバーが担当する手作業を減らすことができ、ソフトウェアのリリースが遅れるという事態を回避するとともに開発スピードを早めることができます。
なお、デプロイプロセスを自動化するツールは、様々な企業によって提供されています。その中でも、AWSはデプロイの自動化における便利なサービスを多数提供しています。詳細はこちらのURLから確認することができます。
2.デプロイの種類
デプロイという単語の定義を理解したところで、次にデプロイの方法を見ていきましょう。デプロイは、実施する環境や要件によって選択される方法が異なります。本記事では、デプロイによってダウンタイムが生じにくい4つの方法を紹介します。
①ブルーグリーンデプロイメント【Blue/Green Deployment】
旧バージョンであるブルー環境と新バージョンであるグリーン環境の2つのサーバーを用意し、ロードバランサーなどで切り替えができるようにします。2つのサーバーを同時に起動させることができるため、グリーン環境の構築中においてもブルー環境を引き続き起動することができ、システムを継続して利用することができます。さらに、万が一新環境であるグリーンにおいて問題が生じたとしても、ブルーにロールバックすることができるため、安心です。この手法では、システムを停止させるダウンタイムがあまり発生しないのがメリットですが、2つのサーバーを常に起動させる必要があるため、運用コストがかさむというデメリットがあります。
②イミュータブルデプロイメント【Immutable Deployment】
イミュータブルデプロイメントはブルーグリーンデプロイと類似点は多いですが、旧サーバーを残さないという点に大きな違いがあります。グリーン環境への移行が問題なく完了した際に、ブルー環境は消去されます。そのため、旧サーバーを残すブルーグリーンデプロイ手法と比較し、運用コストを節約できるというメリットが挙げられます。
③シンボリックリンクデプロイメント【Symbolic Deployment】
シンボリックデプロイとは、上述した2つの方法と異なり、サーバー環境が2つではなく1つである点に特徴があります。具体的には、1つのサーバー上で、仮想環境を2つ用意し、1つを旧システム、もう一方を新システムとしてデプロイを実施します。デプロイが一通り完了した後に、「Symbolic link」により、環境を新システムへ移行します。この手法のメリットは、サーバーの増設を必要としないことによる低い運用コストやデプロイ作業の自動化が容易に行える点が挙げられます。反対に、弱点はサーバーが1つであることにより、再起動が求められたり、サーバーエラーが発生した際に、複数のシステムが影響を受けてしまうというデメリットが考えられます。
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④ローリングデプロイメントメント【Rolling Deployment】
ローリングデプロイとは、アプリケーションが実行されているインフラを完全に置き換えることによって、古いバージョンのアプリケーションを新しいバージョンに順次置き換えることでデプロイを行う方法です。ローリングデプロイは上記で紹介したブルーグリーンデプロイと比べ、高速に実行されますが、古いバージョンと新しいバージョンのサーバーが混在し、分離することができないため、リスクが増大し、デプロイが上手くいかなかった際のロールバックプロセスが複雑になることがあります。
まとめ
本記事を通して、デプロイの概要やデプロイのよく使用される手法について理解していただけましたでしょうか。消費者のニーズの変化が激しい今日においては、最先端のIT技術に関する知識や経験が豊富で、柔軟な開発や開発チームを提供できるパートナーを見つける必要があります。ソフトウェア・システム開発の効率化やコスト削減を考えている企業様は、是非CMC Japanをパートナーとしてご検討してみてはいかがでしょうか。CMC Japanは30年の開発実績と2200人以上のIT専門家を擁するベトナム第2位のICT企業の日本法人です。お客様の要望に最適なITソリューションを提供いたしますので、お気軽にお問い合わせください。