ベトナムIT人材のガイド
レベルや得意とする技術とプログラミング言語をご紹介!

日本では、IT人材不足が依然として深刻な課題となっています。2025年現在、国内のIT人材の供給は需要に追いついておらず、このギャップは年々拡大しています。経済産業省の予測によると、2030年までに数十万人規模でIT人材が不足する と見込まれており、企業のDX推進や新技術の導入において大きな障害となる可能性があります。
このような状況の中で、ベトナムは日本企業にとって有力なオフショア開発拠点としての地位を確立しつつあります。ベトナム政府はIT分野への投資を強化しており、その結果として優秀なITエンジニアが次々と輩出されています。また、日本との文化的な親和性の高さや、コミュニケーションの円滑さ も、日本企業がベトナムを選ぶ大きな理由の一つとなっています。
本記事では、ベトナム人ITエンジニアのスキル、得意とする技術、年齢層などの基本情報を詳しく解説し、日本企業にとってのメリットを紹介 します。
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目次
IT領域における急成長
TOPDevの2024 – 2025年 ベトナムIT市場レポート、ベトナム最大級のIT人材採用プラットフォームから、ベトナムのITエンジニアについての主要な情報をお伝えします。
このレポートによると、現在ベトナムのソフトウェア業界は56万人がITエンジニアとして働いていると記されています。
日本のITエンジニア人口が約120万人であることから、これは日本の40%に相当します。
さらに、ベトナムでは毎年、55,000~60,000人のソフトウェア専攻の学生を輩出されています。
このような状況は、毎年約6万人のIT専門教育を受けた人材が安定して供給される基盤となり、ベトナムのIT分野における急速な成長を促進していると言えます。
平均年齢は日本より10歳若い
同レポートに基づくと、ベトナムのITエンジニアの中で、20代が半数以上を占め、平均年齢も30歳前後です。
対して、日本のITエンジニアの平均年齢は40歳前後のため、ベトナムより約10歳高いです。
ベトナム全体の国民の平均年齢も31歳であり、ベトナムのITエンジニアの平均年齢は国民の平均年齢とほとんど同じです。
平均年齢の若さは、見方によって長所と短所の両方があるかもしれません。ただし、技術が迅速に進化し、変化が激しいITの分野では、若さが多くの場合において有益であると言えるでしょう。
ミドルの経験年数が多い
ベトナムのITエンジニアの年齢層では、20代が引き続き半数以上を占めており、経験年数3年以下のエンジニアが全体の約46% となっています。4年以上の経験を持つエンジニアは、4〜5年が約30%、6年以上が約24% を占めています。
ITエンジニアのスキルレベルの分布は以下の通りです:
- フレッシャー(Fresher):12%
- ジュニア(Junior):34%
- ミドル(Middle):30%
- シニア(Senior):18%
- リーダー以上(Leader以上):6%
ジュニアレベル以下のエンジニアが全体の約46% を占める一方で、ミドル以上のエンジニアが54% を占め、ベトナムのIT市場は若手から中堅・リーダー層までバランスよく成長を続けています。
よく使われるプログラミング言語
ベトナムのITエンジニアが特に得意とするプログラミング言語には、JavaScript、Java、C# (.NET)、PHP、Python などがあります。
フレームワークに関しては、Bun(64.3%)、Spring Boot(45.2%)、.NET Core(46.2%)、Laravel(60.5%)、Django(35.1%) などが特に人気が高く、広く使用されています。これらは、日本企業が求める技術スタックとも親和性が高く、オフショア開発の際に適した選択肢と言えます。
また、データベース分野ではMySQL(78%)、SQL Server(59.9%)、MongoDB(36.1%)、PostgreSQL(31.4%) などがよく使用されており、クラウドプラットフォームとしては AWS(38.3%)、Azure(25.2%) が特に多く採用されています。
これらの技術に精通したITエンジニアが豊富に存在するため、ベトナムのオフショア開発企業では、さまざまな開発ニーズに柔軟に対応可能です。特定のプログラミング言語やフレームワークを必要とする場合、開発パートナーを選定する際に、その技術への対応可否を事前に確認することをおすすめします。
得意分野と技術トレンド

ベトナムのITエンジニアは、AI(人工知能)、機械学習、データサイエンス、ブロックチェーン などの先端技術への関心が高く、日常業務においても積極的に活用しています。近年では、ChatGPT、Poe、Google Bard などの生成AI(GenAI)を活用するエンジニアが増えており、GitHub CopilotなどのAI支援ツールも広く普及しています。
特に、エンジニアの60.5%が日常業務で生成AIを活用しており、24%が今後の利用を検討している というデータが示すように、ベトナムの技術者は新しいツールの導入に積極的です。AIの活用は、コーディングの生産性向上や作業効率の最適化に大きく貢献しています。
また、使用するOSや開発環境に関しては、Windows(44.5%)、MacOS(36%)、Linux(19%) の順で利用されており、開発ツールとしてはVisual Studio Code、Eclipse、Android Studio がトップ3に挙げられます。日常業務で頻繁に使用されるツールには、Jira、Confluence、Slack、Zoom、Microsoft Teams などが含まれ、プロジェクト管理やコミュニケーションの効率化が図られています。
これらの最新技術への適応力と高い学習意欲が、ベトナムのIT人材の競争力を支える要素となっています。今後もAIやデータサイエンス分野での活躍が期待され、特に日本市場においても重要な開発パートナーとしての役割を果たしていくでしょう。
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