世界のEV関連企業はAIをどのように活用しているのか

2023年5月時点で、日本のEV販売比率は3.7%にとどまりました。一方で中国公安部の交通管理局(MPS)によると、2022年における中国のEV普及率は、23%であり、その販売台数は前年比81.6%ぞで536.5万台となっています。日本自動車販売協会連合会(自販連)などが発表した日本の2022年度におけるEV販売台数は、77,238台であったため、これと比較すると中国のEV生産の成長率の凄まじさがよく伺えます。世界のEVリーダーはテクノロジー(特にAI)をどのように駆使し、EVを普及させることを計画しているのでしょうか。 

目次

日本

日本政府は、2035年までに乗用車新車販売における電動車の比率を100%とする目標を掲げており、それにあわせて公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラの数を2030年までに15万基設置まで伸ばし、ガソリン車並みの利便性実現を目指すとしています。 

世界のEVにおけるAI活用事例の前に、トヨタの事例をご紹介します。トヨタは、EVの航続距離を最大化するためにジェネレーティブAIの積極的な活用を計画しています。自動車業界では、世界的にデザインのインスピレーションとして生成AIツールが利用されることが多くなりましたが、当然複雑なエンジニアリングや安全性にはまだ考慮されていません。

トヨタ自動車の研究開発部門であるトヨタ・リサーチ・インスティテュート(TRI)のAI技術は、空気抵抗、車高、キャビンの寸法など、設計プロセスに正確な工学的制約を直接組み込むことができます。そのうえ、Text to Imageの変換技術を用いることで、設計者はテキストプロンプトを使用して初期スケッチを修正することも可能になります。 

また、TRIチームはEVの航続距離を考える際に肝となる要素である「空気抵抗の軽減」にAIを活用できないか注目しています。

トヨタは、2026年~2028年において全固体バッテリーを導入し、現行の電気自動車モデル「bZ4X」より航続距離が2倍、更に充電時間は短くなるとしています。 

アメリカ

国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)の発表によると、アメリカの2022年の新車販売台数におけるEV・PHEVの比率は、約8%でした。前年の4.5%から1.7倍と大幅に伸びています。バイデン大統領が2030年に新車の50%を電気自動車にすると公言しており、EVの普及に欠かせないEV充電器などのインフラ整備費用として、75億ドルの助成金プログラム(CFI)が盛り込まれるなど、EVの推進に積極的です。約80キロごとに充電ステーション設置の義務付けも求めています。 

アメリカにおけるEV企業のAI活用の事例として、Rivian Automotiveの例をあげます。Rivian は、FleetOSと呼ばれるフリート管理ソフトウェアに接続された専用配送車両をAmazonに提供しているEVメーカーです。同社はAIを活用してバッテリーシステムを改善し、その結果、電気自動車の航続距離と性能を工場させました。Rivianは、予知センサーを組み込むことで、問題の物理的な兆候を待つという従来のアプローチから脱却し、問題を検出して予測できるようになります。 

さらに、同社は、Databricks Lakehouseプラットフォームを利用して、データ、分析、AI を統合します。この採用により、Rivianはイノベーションを加速し、コストを削減し、最終的には顧客に向上した運転体験を提供できるようになります。  

中国

中国公安部の交通管理局(MPS)のデータによると、2022年に535万台のEVが販売され、年間販売台数2,323万台の23.05%に相当し、EVが急速に普及していることがうかがえます。中国でEVが普及している理由として、50万円台の安い車体価格や1㎞1円とランニングコストが安い点、補助金などを含む政府からの優遇措置、「ダブルクレジット」と呼ばれる独自の評価制度の導入などがあげられます。 

ここでは、中国のEVスタートアップである上海蔚来汽車(NIO)のAI活用事例をご紹介します。NIOは、中国の高級EV市場におけるパイオニアであり、「スマートで高品質な電気自動車を提供し、喜びに満ちたライフスタイルを創造する」というミッションのもと2014年に設立されました。 

同社は、大手の自動車メーカーに挑戦する形でIT、オートモーティブ、ライフスタイルの領域の統合に取り組みました。その中でも、Starと連携し開発した人工知能「Nomi」は注目に値します。 

Nomiは世界初の車載人工知能であり、車と乗車者との感情的なつながりの構築に着手しました。 

NOMIには、魅力的な顔のようなインターフェイスを備えた人工知能が組み込まれており、今までにない新しい顧客体験を提供しています。NOMIは、時間の経過とともにユーザーの好みを学習し、所有者との関係における車の特定の状況を理解します。たとえば、ユーザーは、NOMIに口頭でコマンドを与えて、車内の温度を調整したり、窓を開けたり閉めたり、車内で自撮り写真を撮ってラジオ画面に表示したりすることもできます。NOMIは、あなた個人にとって正しいことをする方法を知っており、それによって感情的なつながりが深まります。 

NOMIはさらに、ユーザーの日常生活や旅行パターンを理解し、リアルタイムで最適な交通ルートを提案したり、家族やビジネスの約束について通知を提供したり、感情が高ぶったときにウインクしたりうなずいたりすることでユーザーと関わります。ユーザーは、NOMIに個人的な名前を付けてカスタマイズすることもできます。 

自動運転車が採用されれば、NOMIにより、ユーザーはデジタルコックピットで生産的で楽しい自由時間を過ごすことができるようになります。NOMIは、映画、番組、ゲーム、ウェブ会議、ソフトウェア アプリケーションを提供することができ、また単に静かで暗くして、乗客が移動中に簡単な昼寝をすることもできます。NIOは、NOMIが私たちの生活をより楽しく、より生産的で、平和にすることで私たちの生活を向上させるという有望な未来を思い描いています。 

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