【2023年版】NTPサーバーガイド |概要、種類、ユースケース
NTPを理解するには、まず、このデジタル時代の日常生活における時刻同期の重要性を理解する必要があります。
正確な時刻同期は、コンピューターネットワーク、サーバー、インターネットサービスや電気通信などをサポートし、トランザクションの記録、保存、および追跡の正確性を保証します。
セキュリティカメラを例として取り上げてみましょう。正確なタイムスタンプと速度は、カメラが適切に機能するための2つの主な要件であり、追跡・保存可能な出来事を記録し、将来の証拠として保持することを目的としています。つまり、時間が一致していないと、データが正しくないか、若しくは失われ、トランザクションが無効になる可能性があります。正確なタイムサーバーは、日常的に役立つだけでなく、国際的な文脈で日常業務を処理するための実用的かつ費用対効果の高いツールとして、ほぼすべての企業で使用されています。
ここまででNTPサーバーの有用性をご理解いただけたのではないしょうか。世界中の複数のコンピュータネットワークを同期させるには、NTPサーバーシステムが不可欠です。本記事では世界で最も広く使用されているサーバーであるNTPサーバーについて解説します。
1.NTPサーバーとは
NTPサーバーは、あらゆるインターネット及びコンピューターサービスの基本コンポーネントの1つとして、オンラインアクティビティのリアルタイムで通信における遅延を最小限のレベルで確保するために必要です。
NTPサーバーの概要
NTPサーバー(またはネットワーク・タイム・プロトコル・サーバー)とは、クライアントNTPと他の複数のサーバーとの間の時刻同期アプライアンスのことです。広く受け入れられている標準常用時であるUTC(協定世界時) に基づいて動作するNTP は、ミリ秒という待ち時間内でデータの転送、受信、理解、および応答を可能にします。つまり、効率的なデバイスの通信、セキュリティの強化、生産性の向上やビジネス内のサービスの改善につながります。
NTPサーバーの主な特徴
正確な原子時計(UTC使用)
NTPサーバーは世界時単位であるUTCを採用しているため、LAN内、さらには大規模なネットワーク内で正確な変化を検出することができます。そのため、NTPクライアント間の時刻同期に大きく貢献し、生産性や在宅勤務の効率を向上させます。
多層化・重層化されたシステムの使用
リクエストの過負荷やシステムの崩壊を防ぐために、NTPサーバーにはストラタム(stratum)と呼ばれる様々なレイヤーが含まれており、最大16レベルまで設定ることができます。具体的には、ストラタムレベルは0から16までの階層に分類され、階層の上から下に向かって機能します。
Stratum0はstratum1と同期してstratum2ソースから送信された複数のデータ要求を処理するメインのNTPサーバーとして機能します。そして、stratum2はstratum3からの要求を処理し、stratum16まで続きます。この階層システムによりNTPサーバーは多数の要求をスムーズに処理することができますが、個々のレイテンシーを持つ多層サーバーが追加されるため、ネットワークの遅延は避けられません。それでも、クライアントは常に各サーバーから時刻情報を取得するように要求することができます。
データのバックアップ・保存機能
前述の階層システムにより、NTPサーバーは正確な時間管理要素であることがわかります。また、stratum1はstratum0と同等の位置にあるため、タイミングに関して誤った要求や欠落した要求を回避するためのデータバックアップがあります。したがって、このNTPサーバーは、セキュリティ、病院、製薬、分析やネットワーク管理など、正確で一貫した出来事の記録を必要とするビジネスにとって不可欠です。
2.NTPサーバーの仕組み
NTPネットワークワークフローを完全に理解するには、NTPクライアント(同期が必要なデバイス) からのアクションとNTP stratumのレベルを理解する必要があります。
NTPクライアント サーバーが NTP サーバーに要求を送信する | → | NTPサーバーが要求を受け取り、タイムスタンプを作成する (使用されているstratumレベルによって複数のタイムスタンプになる) |
↓ | ||
NTPクライアントは、宛先のタイムスタンプを受け取る | ← | NTPサーバーは応答用に別のタイムスタンプを作成する (使用されているstratumレベルによって複数のタイムスタンプになる) |
タイムスタンプにより、ユーザーは内部時間遅延をミリ秒単位で割り当てることができるため、同期を維持するために変更を加えるかどうかを決定することができます。
3.NTPサーバーの種類
NTPサーバーは、使用状況に基づいて、公開NTPサーバーと内部NTPサーバーの2つに分類されます。
公開NTPサーバー
インターネット接続を介してサードパーティが所有・運営する、無料のNTPサーバーです。公開NTPサーバーをデプロイするにはオープンファイアウォールが必要です。公開NTPサーバーの利用を申し込むと、NTPサーバーへの接続確認が届き、利用を始めることができます。以下はそのメリットとデメリットです。
メリット |
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デメリット |
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公開NTPサーバーのユースケース
- 迅速かつ費用対効果の高いソリューションを求めている企業
- 時刻同期の精度を高くする必要がない場合
内部NTPサーバー
ローカルNTPサーバーとも呼ばれる内部NTPサーバーは、企業が独自に開発したサーバーであり、メインサーバーとNTPクライアント間の通信や要求をリンクします。内部NTPサーバーのメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット |
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デメリット |
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内部NTPサーバーのユースケース
- インターネット接続に依存しない高度なセキュリティレベルで、継続的な追跡や正確な時間データ (病院、セキュリティなど) を必要とし、資金力のある企業
- 大規模なシステムで使用する場合
まとめ
NTP(ネットワーク・タイム・プロトコル)サーバーは、ユーザーエクスペリエンスや要求応答の生産性速度の向上などをサポートする時刻同期のために、あらゆるネットワークで重要な役割を果たします。病院、銀行、セキュリティや製薬などの分野では、独自のNTPシステムを構築することをお勧めします。このローカルNTPサーバーは、財務、人員、そしてトレーニング・採用・開発にかかる時間などを含む膨大なリソースを必要とします。そのため、多くの企業がITアウトソーシングを利用して、専門家チームにソフトウェアを開発を委託しています。
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