最適なオフショア開発先とは?国ごとの特徴と価格を比較!
目次
国によって特徴があるオフショア開発
オフショア開発とは、システムやアプリなどの開発業務を海外の開発会社や海外子会社に委託することです。
オフショア開発を委託する国によって、コストや文化など特長が異なります。
この記事では、オフショア開発で良く候補にあげられる5つの国と、各国の人月単価の相場についてご紹介します。
オフショア開発で候補に挙がる5つの国
中国
- 面積:約960万平方キロメートル(日本の約26倍)
- 人口:約14億人
- 首都:北京
- 公用語:中国語
- 経済成長率(実質):2.3%増(2020年、中国国家統計局)
- 物価上昇率:2.5%(消費者物価)(2020年、中国国家統計局)
- 平均フライト時間:3時間10分(東京発)
中国は日本よりも賃金が安く、地理的にも近いため、これまで多くの日本企業が開発費用を抑えるために中国をオフショア先として選んでいました。また、言語教育やIT教育が促進されているため、経験豊富なIT人材が多いという特徴があります。
ただし、中国は近年著しい経済成長を遂げており、人件費もそれに伴って上昇しています。また、政府による規制という国特有のリスクもあります。中国政府は、インターネットの検閲をしていると言われており、情報の漏洩リスクも考えられます。
インド
- 面積:約328万平方キロメートル(日本の約9倍)
- 人口:13億6,641万人(2019年世銀資料)
- 首都:ニューデリー
- 公用語:連邦公用語はヒンディー語、他に憲法で公認されている州の言語が21
- 経済成長率:4.2%(2019年度:インド政府資料)
- 物価上昇率:7.6%(消費者物価指数)、1.5%(卸売物価指数)(2020年10月:インド政府資料)
- 平均フライト時間:約9時間30分(東京初)
インドも中国と同様に日本と比較した際に、人件費を安く抑えられるという理由でオフショア先としてのニーズがあります。インドのIT人材は、数学が得意なだけでなく、プログラミング教育が進んでおり、また英語によるコミュニケーションが円滑に行えるというメリットがあります
ただし、人件費が日本より安いとは言っても、ベトナムやミャンマー、インドネシア、フィリピンなどの人材と比較すると高い水準にあると言えます。また、日本と3時間半の時差があることや、仕事に対する考え方の違いなども考慮する必要があるでしょう。
フィリピン
- 面積:約299万平方キロメートル(日本の約0.8倍)。7109の島々がある
- 人口:約1億98万人(2015年フィリピン国勢調査)
- 首都:マニラ
- 公用語:国語はフィリピノ語、公用語はフィリピノ語及び英語。80前後の言語がある。
- 経済成長率:5.7%(2019年、IMF)
- 物価上昇率:2.5%(2019年、フィリピン国家統計局)
- 平均フライト時間:約4時間35分(東京発)
オフショア先としてのフィリピンの魅力は、本記事で紹介する5つの国の中でも比較的最も安い水準の人件費であること、9割以上が英語話者であること、日本から地理的に近く、時差が1時間であることが挙げられます。
ただし、フィリピンの人々は家族が最優先であるという日本との文化の違いや、品質への認識の違いなどの課題も挙げられます。そのため、オフショア先としてフィリピンを選択する場合は、彼らの文化への理解や細かい認識のすり合わせが必要となるでしょう。
ミャンマー
- 面積:約68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
- 人口:5,141万人(2014年9月(ミャンマー入国管理・人口省発表))
- 首都:ネーピードー
- 公用語:ミャンマー語
- 経済成長率:5.7%(2020/21年度、IMF推計)
- 物価上昇率:6.2%(2020/21年度、IMF推計)
- 平均フライト時間:約15時間30分(東京発)
オフショア先としてのミャンマーの魅力は、フィリピンと同様に最も安い水準の人件費にあります。また、真面目さや勤勉であり、あまり主張をしないという国民性は日本人と似ている部分があります。さらに高い日本語能力もメリットとして挙げられます。
ただし、ミャンマーはまだオフショア開発先としての歴史が浅く、ITエンジニアが不足している点や政治情勢や治安状況が不安定である点などがデメリットとして挙げられます。
ベトナム
- 面積:約32万平方キロメートル(日本の約0.9倍)
- 人口:約9,762万人
- 首都:ハノイ
- 公用語:ベトナム語
- 経済成長率:2.91%(2020年、越統計総局)
- 物価上昇率:3.23%(2020年、越統計総局)
- 平均フライト時間:約5~6時間(東京発)
ベトナムのメリットは、中国やインドと比べ、人件費が安く日本の1/3程である点や、国をあげてIT人材教育を実施している点、親日である点、時差が2時間である点、高い日本語能力が挙げられます。また、政治情勢も安定しているため、その点においてもリスクは少ないと言えるでしょう。
オフショア開発の相場は?
オフショア開発の最も大きなメリットは、人件費を抑えることができる点です。
オフショア開発といえば、中国やインドが日本のオフショア開発の黎明期から活躍していますが、近年では、経済規模の発展に伴い、人件費が高騰している傾向があります。そこで、中国やインドに比べ、人件費の安い東南アジア各国が新たなオフショア開発先として選ばれるケースが増えています。
オフショア開発の単価相場は国・都市、エンジニアの経験年数や技術力によって異なるので、一概には言えませんが、下記では、当社のクライアントからの情報をもとに、国ごと(中国、インド、フィリピン、ミャンマー、ベトナム)のエンジニアの単価相場をまとめました。
国 | 人月単価 |
中国 | 42~55万円 |
インド | 35~60万円 |
フィリピン | 36~49.5万円 |
ミャンマー | 24.5~38万円 |
ベトナム | 31.5~40万円 |
※ブリッジSEの人月単価は含めていません。
上記はあくまで参考情報になるので、実際の金額に関してはオフショア企業に直接確認することをおすすめします。
オフショア開発で価格が低いのはベトナム!?
結論から言うと、ベトナムは東南アジア諸国のオフショア開発において、最安値ではありません。
しかし、日本の人月単価と比べて十分に安いです。中国やインドは、オフショア開発の老舗ということもあり、日本の人月単価と同等もしくは高くなる場合があります。
一方、フィリピンやミャンマーはベトナムより安いですが、ベトナムに比べてオフショア開発の経験年数が浅いことや、経済・政治状況が不安定、インフラ整備が整っていないケースもあります。
ベトナムのオフショア開発は、経験・実績、政治・経済やインフラの安定性も加味した場合、コストパフォーマンスが高い選択肢であるといえます。
まとめ
上記で紹介したように、オフショア開発先によって人月単価は異なりますが、オフショア開発を検討している企業は、まずコストメリットを確保したい場合が多いのではないでしょうか。
しかし、表面的な価格・人月単価にとらわれすぎないことも、オフショア開発を進める上で重要です。オフショア開発企業の経験・実績や文化もしっかり吟味し、自社に合う「パートナー」を選ぶことを強くおすすめします。
オフショア開発に関することでご不明やご質問があれば、こちらからご連絡ください。
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