Flutterとは|概要、ユースケースメリット・デメリット
Flutterは、高速かつ美しく、優れたパフォーマンスを発揮するアプリやクロスプラットフォームモバイルアプリの開発に最適です。また、Flutterはグローバル展開に対応しているため、世界中の視聴者にリーチするための優れた選択肢です。
1.Flutterとは
Flutterとは、ネイティブモバイルアプリを開発するためのUIフレームワークです。
Flutterを利用することで、iOSおよびAndroidアプリケーションにおける迅速な開発を可能にし、さらに単一のコードベースによってモバイルアプリを作成することができます。
Flutterフレームワークは、開発者がiOS、Android、Mac、WindowsやLinuxなどの高性能で忠実度の高いアプリケーションを作成できるようにするUIツールキットです。基本的に、開発者は複数の状態を持ち、特定のイベントに反応するウィジェットを使用してアプリケーションのUIを作成することができます。
Dartというプログラミング言語を利用したFlutterフレームワークを使用すると、上記のプラットフォーム全体にデプロイする単一のコードベースを維持することができます。これにより、様々な画面の種類、縦横比や向きに対応する、スムーズで応答性の高いアプリケーションを実現することができます。
モバイルアプリケーションテクノロジーのより広範なGoogleオープンソースポートフォリオの一部であるFlutterフレームワークは、Swift、JavaやJavaScriptなどのコア言語の能力を模倣します。その結果、開発されたすべてのアプリケーションは、各プラットフォームにネイティブに見えます。これにより、スムーズなアプリが作成され、開発や保守の時間を最小限に抑えることができます。
いくつかの例を見てみましょう。
Eコマースアプリを開発したいとしましょう。Flutterを使用することで、iOSバージョンをiOSの方法でビルドするか、AndroidバージョンをAndroidの方法でビルドするかについて悩む必要がなくなります。Flutterにより、両方のプラットフォームで同じDartコード、ツールやライブラリを使用することができます。リスト、マップ、スクロールやモーションなどのウィジェットは、両方のプラットフォームで利用することができます。また、カスタマイズすることもでき、変数を変更するのと同じくらい簡単に実行できます。コードが完成したら、それがiPhone、iPad、またはAndroidデバイスのいずれに使用されているかは関係なく、最終的に各プラットフォームでネイティブに実行されるeコマースアプリが完成します。
Flutterフレームワークは、一貫性のあるカスタマイズされたUI、高速化されたパフォーマンスや信頼性の高いクロスプラットフォームサポートをユーザーに提供します。Flutterフレームワークで構築された優れたアプリケーションの例としてGoogle広告が挙げられます。
2.Flutterのユースケース
Flutterのユースケースは無限にあります。企業から教育機関まで、Flutterを使用することで、誰もがデスクトップ、モバイルやウェブで直感的なアプリケーションを構築することができます。Flutterを利用する業界には、金融、ゲーム、ヘルスケア(主にヘルストラッキング)、メディア、Edtech、自動車やeコマースなどが含まれます。
企業は様々な方法でFlutterを活用しています。アプリの開発時間やエンジニアリングの労力を節約するためにFlutterを使用する企業はありませんが、様々なデバイス間でパフォーマンスや信頼性を向上させるために使用する企業はあります。例えば、トヨタはFlutterのEmbedder APIを利用することで、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、よりシームレスで応答性の高い開発エクスペリエンスを実現しました。
3.Flutterのメリット・デメリット
3.1.Flutterのメリット
- 高い生産性
Flutterはクロスプラットフォームであるため、iOSアプリとAndroidアプリに同じコードベースを使用することができ、それは時間とリソースの両方を節約することにつながります。
- 優れたパフォーマンス
Dartはネイティブコードにコンパイルされます。また、Flutterには独自のウィジェットがあるため、OEMウィジェットにアクセスする必要はありません。そのため、アプリとプラットフォーム間の仲介された通信が減ります。Flutterは、JavaScriptブリッジを必要とせずにリアクティブビューを提供する唯一のモバイルSDKであると言えます。これはアプリの起動時間を短縮し、パフォーマンスの問題を軽減するのに役立ちます。
- 迅速かつ容易な開発
Flutterの最も評価の高い機能の1つにホットリロードがあります。これにより、エミュレーター、シミュレーターやハードウェアのコードに加えられた変更を即座に表示することができます。1秒もかからずに、再起動することなくアプリの実行中に変更されたコードがリロードされます。これはUIの構築や機能の追加だけでなく、バグ修正にも最適です。シンプルさに関して、Flutterは、「オブジェクト指向言語の経験は確かに役に立ちますが、プログラマーでなくてもFlutterアプリを作成することができます」と主張しています。つまり、Flutterにおけるプログラミングは非常に簡単であり、プログラミングの予備知識はあまり必要ないということです。
- 互換性
ウィジェットはプラットフォームではなくアプリの一部であるため、様々なOSバージョンで互換性の問題が発生することはほとんどありません。これにより、テストに費やす時間が短縮されます。
- オープンソース
FlutterとDartはどちらもオープンソースで無料で使用することができます。また、問題が発生した際に役立つ豊富なドキュメントとコミュニティサポートを提供しています。
3.2.Flutterのデメリット
- 不十分なサードパーティライブラリ
Flutterは比較的新しいテクノロジーであるため、Flutterで使用できるサードパーティライブラリの数が限られています。サードパーティライブラリは開発時間を大幅に短縮するのに役立つため、これはFlutterを用いた開発における大きなデメリットです。
- 大きなファイルサイズ
Flutterを使用して作成されたアプリのほとんどは、モバイルデバイスのみを対象としています。現在のモバイルデバイスは大容量のストレージを備えていますが、ファイルサイズは依然として重要です。例えば、Flutterで作成されたHello Worldアプリには、4.7MBから6.7MBの容量を必要とすることがあります。同じアプリをネイティブJavaで作成した場合、約500KBで済むため、その差は歴然です。
- 新たなスキルが求められる
Flutterは使いやすく、プログラマーでなくても習得することができますが、開発者はまずDartを習得する必要があります。そのような追加の学習フェーズがあるため、プロジェクトの時間やコストが増加する可能性があります。そうは言っても、開発者がJava/C#に精通していれば、簡単にDartに学習することができます。また、FlutterのDartプログラミング言語はプログラミング経験がほとんどない人でも簡単に習得することができます。
プエロジェクトへFlutterを導入する前に、Flutterが適していない次の場合をご確認ください。
- 希少なネイティブライブラリを使用したアプリの開発
- プログレッシブウェブアプリおよびインスタントアプリ(小型アプリ)の構築
- デバイスハードウェアとのポイントインタラクションが多い
- AR/VRアプリの制作
まとめ
Flutterは現在市場で最も革新的なモバイルテクノロジーの1つです。iOSとAndroidの両方で利用できるアプリケーション、または優れたUIや高性能を備えたアプリケーションを作成したい場合は、Flutterが最適なオプションです。
Flutterは万能なツールではありませんが、適用範囲の広さや実装の速さを考えると、有望なフレームワークです。Flutterの専門家チームを探している場合、またはFlutterに関する疑問点がある場合は、CMC Japanにお気軽にお問い合わせください。