ナレッジマネジメントとは？ 【2023年版】おすすめのナレッジマネジメントツール
ビジネスが拡大すると、顧客・社員・ドキュメントなどあらゆる情報が増えます。ナレッジマネジメントツールは増大する社内の情報やリソースを整理するのに役立ちます。本記事では、「ナレッジマネジメントとは何か」を説明し、最適なナレッジマネジメントプラットフォームのリストを提供します。
1. ナレッジマネジメントとは？
ナレッジマネジメントとは、組織が持つ知識を、従業員が容易にアクセスできる形で収集、整理、共有、分析するプロセスです。この知識には、トレーニングドキュメント、技術資料、よくある質問などが含まれます。
ナレッジマネジメントの主な目的は、組織の効率を向上させ、知識を簡単にアクセスできる形で保存することです。ナレッジマネジメントの目的は、適切な情報を適切な人に適切なタイミングで提供することです。
次のような方法で実施されます。
- 特定のビジネスタスクやプロジェクトに対応するために、ナレッジマネジメントシステムに知識を取り込み、整理する。
- 知識を活用できる人たちと知識を共有する。
- 知識へのアクセスを容易にするためにプロセス改善し、テクノロジーを導入する。
- 継続的な学習のための新しい知識の創造を奨励する。
ナレッジマネジメントの計画には、企業目標の調査と同時に、ビジネスニーズに対応するために利用可能なツール（従来型とテクノロジー型の両方）の精査が必要です。ナレッジマネジメントシステムを選択する際の課題は、計画全体の文脈に適合し、従業員がシステムを使用して情報交換することを奨励するソフトウェアを購入または開発することです。
2. おすすめのナレッジマネジメントツール
2.1. ナレッジベースとウィキソフトウェア
ナレッジベースソフトウェアやウィキソフトウェアなどは、適切な人が適切なタイミングで適切な知識にアクセスできるようにすることを目的としているため、一般的にナレッジマネジメントシステムの基盤として機能します。
Confluence
Confluenceは、JiraやTrelloなどのアトラシアン製品を既に使用しているチームにとって最適な選択肢となり得ます。このソフトウェアはこれらのツールとシームレスに統合され、組織内の全員の間で情報を自由に行き来させることができます。四半期ごとの計画文書から新入社員のブログまで、チームが必要とするあらゆる種類の文書をこのプラットフォームで保管することができます。
Confluenceは、プロジェクトコラボレーション機能を備えたナレッジベースを必要とする企業に最適な選択肢でもあります。ドキュメントを素早く作成するために75以上のテンプレートから選択でき、アドイン・マーケットプレイスのアプリケーションを通して機能や統合を追加することができます。
特徴：
- アプリと統合
- アナリティクス
- サンドボックス
Notion
Notionは、ナレッジマネジメント、プロジェクトマネジメント、その他のタスクを1つのシステムに統合できるオールインワン・ソリューションを求める企業に適したオプションです。
多数の別々のツールを使用する代わりに、既存のナレッジドキュメントをNotionに簡単に移行することができます。Notionは、重要性、事例、価値に基づいてコンテンツを自動的に配置し、優先順位を付けます。Notionは、社内のナレッジベースを構築するのに最適なツールです。顧客向けのナレッジベースを作成するのに役立つ、より多くの組み込み機能を備えたナレッジベースをお探しの場合は、Notionの代替製品をご検討ください。
特徴：
- カテゴリ分類
- コンテンツ管理
- マークダウン・エディタ
Document360
Document360は、顧客向けセルフサービス型ナレッジベースと社内向けナレッジベースの両方を作成できるSaaS型ナレッジベース・プラットフォームです。
Document360は、コンテンツの作成、整理、公開のための様々なツールや機能を備えており、ナレッジの共有を促進し、組織全体の効率化をサポートします。
特徴：
- コンテンツエディター
- 製品やウェブサイトをナレッジベースに接続するナレッジベースアシスタント
- APIアクセス
2.2. ドキュメントマネジメントシステム
ドキュメントマネジメントシステム（Document Management Systems：DMS）は、電子文書や画像の管理、保管、追跡を支援するソフトウェアアプリケーションです。ナレッジマネジメントの場合においては、DMSは方針、手順、技術ガイドなどの重要なビジネス文書を保存、整理し、ユーザー企業のスタッフが容易にアクセスできるようにするために使用されます。
ConcordNow
Concordは、契約書の保管に特化したクラウド型DMSです。
Concordは、契約書の作成から実施に至るまで、契約書の全プロセスにおいて役立ちます。
特に、Concordを利用することで、以下のことが可能になります。
- テンプレートや作成済みのドキュメントを使用した新しい契約書の作成
- 社内および第三者とのオンライン・オフラインでの契約書のレビュー
- 契約書の承認と署名
- 契約書やその他の文書の保存と管理
Concordは、デジタル契約書の作成と文書化を容易にすることで、生産的かつ効率的に契約書を作成することを可能にします。
長所：
- 直感的なユーザーインターフェイス
- ワークフローのライフサイクルにおける管理・追跡機能
- サードパーティとの統合
短所：
- 別のツールから移行する際に課題がある
M-Files
M-Filesは、お客様の組織における文書関連プロセスを合理化し、全体的なビジネスパフォーマンスを向上させることを目的としたDMSです。
M-Filesは、お客様のチームが電子文書の作成、保存、検索のためのワークフローを作成できるようにすることでこれを実現します。その結果、冗長性を制限し、競合を回避し、データ損失から保護することが可能になります。
M-Filesを使用することでデジタル文書を完全に可視化し、管理することができます。
長所：
- 持ち運びが簡単
- 高いカスタマイズ性
- 統合と移行のプロセス
短所：
- テクニカルサポートとドキュメンテーションが不十分
2.3. ラーニングマネジメントシステム
学習管理システム（Learning management systems：LMS）は、組織全体の学習効果を高めるために、専門的なオンライントレーニングや開発プログラム、その他の教育リソースを保存、追跡、配布するソフトウェアアプリケーションです。LMSは、教育用ビデオ、記事、クイズなどの学習教材を保存・整理し、構造化・組織化された方法で従業員に配布できるため、特にナレッジマネジメントに役立ちます。
Docebo
Doceboは、マルチメディアレッスン、コース、その他の教育コンテンツの作成、保存、配信を可能にするAI搭載の学習管理システムです。
インタラクティブで魅力的な体験型学習教材に簡単にアクセスできるため、チームメンバーは新しいスキルと知識をを迅速に習得することができます。
長所：
- ユーザーフレンドリーで直感的なオンボーディングプロセスとUI
- あらかじめ用意されたウィジェットによりプロセスが簡素化される
- ソフトウェアの継続的な改善
短所：
- サードパーティツールとの統合が困難
- 不完全なアップデートに起因するバグが多い
Travitor
Travitorは、ライブおよびオンデマンドのトレーニングプログラムを作成、開発し、従業員に提供することができます。
Travitorは、LMSの基本的な機能に加えて、学習教材に対する従業員の取り組みに関する完全なレポートと分析機能を提供します。
これにより、管理者は従業員の長所と短所をよりよく理解し、それに応じて今後のトレーニングセッションに集中することができるようになります。
長所：
- ユーザーフレンドリーなオンボーディングとトレーニング
- ナビゲーションのしやすさ
- 高いカスタマイズ性
短所：
- 他のオプションと比べ、レポートが充実していない
2.4. 意思決定支援システム
意思決定支援システム（Decision support systems：DSS）とは、意思決定者がデータを分析し、より多くの情報に基づいた意思決定を行うことを支援するために設計されたコンピュータベースのシステムです。ビジネス、行政、医療など様々な場面で、資源配分、リスク管理、戦略立案などの意思決定を支援するために使用されます。
Salesforce Analytics Cloud
Salesforce Analytics Cloud では、さまざまなデータポイントを組み合わせて実験することで、次のようなことが可能になります。
- さらなるインサイトの収集
- 因果関係やその他の関係の特定
- 組織や業界における重要な問題への対応
Salesforceユーザーにとって、Analytics Cloudは常に企業に効率良く迅速にインサイトを提供します。
長所：
- 高度にカスタマイズ可能なダッシュボード
- 技術的に高速で効率的
- 高い安全性
短所：
- Salesforceが必要であり、分析にはSalesforceを通してパイプされたデータのみを使用される
- 高い技術的知識が求められる
Directorpoint
Directorpointは、C-suiteチームが簡単に会議を管理することができる役員管理ツールです。
Directorpoint を使用すると、計画段階で会議のカレンダー、アジェンダ、およびその他のコンテンツ関連の資料を作成し、時間になったらこれらの資料を必要な人物に配信することができます。
さらに、Directorpoint は、リアルタイムによるコミュニケーションとコラボレーションを可能にします。ドキュメントやファイルの送信、アンケートやその他のインタラクティブな資料の配信など、Directorpointは、遠隔地の会議があたかも一つの物理的な場所で行われているように進行することを保証します。
長所：
- 直感的なUI
- マルチメディア、コンテンツ、データのリアルタイム共有
- サポートサービス
短所：
- カスタマイズにおける課題
2.5. イントラネットソフトウェア
イントラネットは、組織が従業員間で情報やリソースを共有するために使用される内部ネットワークです。組織内の情報や文書を一元的に保存・共有するためのプラットフォームを提供するため、ナレッジマネジメントソフトウェアの一種として利用することができます。
イントラネットのソフトウェアには、文書ライブラリ、Wiki、フォーラムなどの機能があり、従業員間で知識を整理して共有するために使用することができます。また、イントラネットの中には、検索機能など、ナレッジマネジメントに特化した機能を備えているものもあります。
Microsoft SharePoint
Microsoft SharePoint は、組織のコラボレーションとコンテンツ共有を可能にするWebベースのプラットフォームです。ドキュメント管理、コミュニケーション、コラボレーション、カスタム開発機能など、さまざまなツールや機能が含まれています。
SharePointは、デジタル資料を保存・整理するための一元的なリポジトリや、コラボレーション、コミュニケーションツールを提供するため、ナレッジマネジメントソリューションとして頻繁に使用されています。イントラネットサイト、ドキュメントライブラリ、その他のコラボレーションスペースを作成し、チームメンバーが知識を共有し、コラボレーションを行うために使用することができます。
特徴：
- ドキュメント、プレゼンテーション、およびスプレッドシートを含むデジタル資産を保存、整理、管理するためのツールがある
- ディスカッションフォーラム、Wiki、ソーシャルネットワーキング機能などのコラボレーションおよびコミュニケーションツールも含まれている
長所：
- Microsoft Suite内の他のアプリケーションと統合しやすい
- 非常に高いカスタマイズ性
- 社内向け、顧客向けなど様々な用途に使用可能
短所：
- Microsoft Suite以外のアプリケーションとの連携が少ない
- 権限に関する機能がわかりづらい
- 初めての人にとってあまり使い勝手が良くない
2.6. CRMツール
HubSpot CRM
HubSpotのCRMは、顧客に関するあらゆるデータを一元的に保管する場所として機能します。
HubSpotを使用してデータを一元管理することで、チームメンバー全員が顧客に関する最新の情報を常に把握できるようになります。
これには、顧客のペルソナや行動プロファイルに関する情報、お客様のビジネスとのエンゲージメント履歴などが含まれます。
顧客とコミュニケーションを取る際に、チームで同じデータにアクセスできるようにすることで合理的な顧客体験を提供することができます。
また、ハブスポットはリードのスコアリングや、顧客に関する既知の情報に基づいて顧客をセグメント化する際にもチームを支援します。その結果、顧客ベースの特定の顧客に響く、関連性の高いコンテンツやオファーを生成することができます。
長所
- 直感的なUIとシンプルなオンボーディング
- 強力な統合機能
- 成長するビジネスへの拡張性
短所
- カスタマイズの柔軟性に欠ける
- バグやクラッシュが報告されている
Salesforce Sales Cloud
Salesforce Sales Cloudは、顧客データをリアルタイムで取得し、更新できるカスタマイズ可能なCRMです。
Sales Cloudを使用することで、特定の顧客セグメント、あるいは個々の顧客に対してカスタマイズされたセールスパイプラインを作成できます。そして、最も効率的な方法でこれらの目標を達成するためのワークフローを作成することができます。
ワークフローを設定することで、Sales Cloudのレポートと分析ダッシュボードで成果を把握できるようになります。ここで、ファネル内の漏れやバイヤージャーニー内のギャップを検出し、必要に応じてこれらの領域の修正に取り掛かることができます。
長所：
- カスタマイズされた機能性
- 数千のツールと統合可能
- Salesforceチームによる継続的なアップデート
短所：
- Salesforceツール全体の学習に関しては、ITのスペシャリストが在籍していない企業にとって複雑すぎる可能性がある
- 企業によっては、導入および運用にかかるコストが高すぎる可能性がある
まとめ
本記事を通して、ナレッジマネジメントとは何かを理解していただけましたでしょうか。また、自社に適したナレッジマネジメントツールを見つけられましたでしょうか。組織が成長するにつれ、管理すべき情報が増えていくことは間違いないでしょう。適切なナレッジマネジメントツールを導入することで、チームを組織的に追跡し、価値の高いインサイトを特定や重要な情報へ容易なのアクセスを支援できます。
