Spring framework

【超入門】JavaのSpring Frameworkとは?その特徴や導入するメリットを解説

Java言語には、アプリケーションやシステム開発の効率を向上させるためのさまざまなフレームワークがあります。その中でも本記事では、特に人気のある「Spring Framework」にフォーカスして、初心者にもわかりやすく解説していきます。具体的には、このフレームワークの概要や特徴、導入するメリット、デメリットについて解説していきます。

目次

Spring Frameworkとは?

まず初めに、Spring Frameworkとはどのようなフレームワークであるのか、そもそもフレームワークとは何かについて簡単にご紹介します。

Spring Frameworkは、Rod Johnsonによって2003年6月に初めてリリースされた、Javaプラットフォーム上で動作するオープンソースのアプリケーションフレームワークです。Spring Frameworkは、軽量で、モジュール化されたJava EEアプリケーションの開発に適しています。

そもそもフレームワークとは、システムやアプリケーション開発において、再利用可能で汎用的な構造や機能を提供する、基盤となるプログラムのことです。これにより、開発者は記述しなければならないコード量が減り、開発効率を向上させることができます。

Spring Frameworkには、DI(Dependency Injection)機能、AOP(Aspect Oriented Programming)機能、MVCフレームワーク、ORM(Object-Relational Mapping)フレームワークなど、様々な機能が提供されています。これらの機能を使用することで、容易にJavaアプリケーションの開発やテストを実施することができます。

また、Spring Frameworkは、多数のサードパーティライブラリとの統合が可能であり、他のJavaプロジェクトや技術との連携が容易であるというメリットも挙げられます。

さらに、Spring Frameworkは、Javaアプリケーションの開発において広く使用されているため、豊富なコミュニティやドキュメントが存在しています。Spring BootやSpring Cloudなど、Spring Frameworkをベースにした多くのプロジェクトが存在しており、Javaアプリケーションの開発において重要な位置を占めているといえるでしょう。

※Spring Frameworkは、バージョンアップに伴い、新しい機能が追加されており、現在はSpring Framework 6.0が最新バージョンとなっています。

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Spring Frameworkの特徴

Spring Frameworkの概要の中で、簡単にその特徴について触れました。この項では、もう少し深くそれぞれの特徴について解説していきます。

DI(Dependency Injection):依存性の注入

Spring FrameworkはDI(Dependency Injection)を提供しており、オブジェクト間の依存関係を疎結合にすることができます。依存関係を疎結合にすることで、コンポーネント(構成要素)の再利用性や保守性が向上し、テストも実施しやすくなります。

※疎結合とは、システムやネットワークの要素が、ごく一部だけが密につながり、残りの要素は疎につながっている状態を指します。つまり、要素同士の影響や相互作用が限られていることを意味します。

具体的には、DIではオブジェクトが自身で他のオブジェクトを生成するのではなく、別のオブジェクトから依存関係を受け取ることができます。例えば、クラスAがクラスBに依存している場合、クラスAが直接クラスBを生成するのではなく、別のオブジェクトからクラスBを受け取ることができます。これにより、クラスAとクラスBの依存関係を疎結合にすることができます。

また、DIには2つの方法があり、1つは、コンストラクタインジェクション、もう1つはセッターインジェクションです。コンストラクタインジェクションでは、依存関係を受け取るためのコンストラクタを定義します。セッターインジェクションでは、依存関係を受け取るためのセッターメソッドを定義します。

DIを利用するためには、Spring Frameworkが提供するDIコンテナ(ApplicationContext)を利用する必要があります。DIコンテナは、アプリケーションの中でDIの設定を管理し、オブジェクトの生成と依存関係の解決をします。

DIはSpring Frameworkの中でも非常に重要な機能であり、Spring Frameworkを利用する際には必ず理解しておく必要があると言えます。

AOP(Aspect Oriented Programming)

AOP(Aspect Oriented Programming)は、Spring Frameworkが提供する機能の一つで、アプリケーション全体にまたがる機能をモジュール化し、コードの再利用性や保守性を向上させるための手法です。

AOPでは、アプリケーションの機能を横断する共通処理を、別のクラスに分離することができます。これにより、アプリケーション全体にまたがる共通処理を一箇所にまとめることができ、コードの重複を避けることができます。具体的には、ログ出力やトランザクション管理などが挙げられます。

AOPでは、共通処理を別のクラスに分離することをアスペクトと呼びます。アスペクトを作成するためには、Advice(アドバイス)とPointcut(ポイントカット)を定義する必要があります。Adviceは、共通処理の実装内容を定義し、Pointcutは、どの部分にAdviceを適用するかを定義します。Pointcutには、正規表現を用いたパターンマッチングなどが利用できます。

また、AOPを利用するためには、Spring Frameworkが提供するAOPコンテナ(AspectJ)を利用する必要があります。AOPコンテナは、アプリケーションの中でAOPの設定を管理し、アスペクトの生成と適用を行います。

AOPもDIと同様、Spring Frameworkの中でも、アプリケーションの保守性や再利用性を向上させるための非常に重要な機能であると言えます。

豊富な機能

Spring FrameworkはWebアプリケーション開発に必要な機能を豊富に提供しています。例えば、MVC(Model-View-Controller)フレームワーク、データアクセスのためのORM(Object-Relational Mapping)、セキュリティ機能などがあります。MVCフレームワークとORMは、Webアプリケーション開発において、非常に重要な役割を果たす技術です。

MVCフレームワークのMVCとは、Model-View-Controllerの略で、Webアプリケーションの設計パターンの一つです。Modelはアプリケーションのビジネスロジックやデータアクセスロジックを担当し、Viewはユーザーインターフェースを担当し、Controllerはユーザーからのリクエストを受け取り、ModelやViewを制御してレスポンスを返します。MVCフレームワークは、この設計パターンをベースにしたフレームワークであり、Webアプリケーションの開発効率や保守性を高めるために利用されます。Spring Framework以外にもStruts、Ruby on Railsなどが代表的なMVCフレームワークとして知られています。

一方で、ORMは、Object-Relational Mappingの略で、オブジェクト指向プログラミングとリレーショナルデータベースとの間で、データをマッピングするための技術です。ORMを利用することで、データベース操作におけるSQL文の記述を省略し、オブジェクト指向のコードでデータベースを操作することができます。ORMを利用することで、データベースに関する知識が少ない開発者でも、効率的にデータベースを操作することができます。代表的なORMとしては、HibernateやActiveRecordがあります。

コミュニティの活発さ

Spring Frameworkには、世界中に広がる大規模なコミュニティが存在しています。このコミュニティは、豊富なドキュメントやサンプルコード、ユーザーグループやカンファレンスの開催などを通じて、開発者のサポートを行っています。

Spring Bootの登場

Spring BootはSpring Frameworkをベースに作られたフレームワークで、簡単にWebアプリケーションを作成することができます。自動設定や埋め込みサーバーなど、便利な機能が豊富に提供されており、開発者の生産性を向上させることができます。

以上が、Spring Frameworkの主な特徴です。これらの特徴によって、Spring FrameworkはJavaアプリケーションの開発において、高い生産性や保守性を実現することができます。

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Spring Frameworkのメリット

Spring Frameworkを導入することで、以下のようなメリットが得られます。

生産性の向上

Spring Frameworkは、アプリケーションの開発に必要な機能を豊富に提供しています。これにより、本来なら開発者自身で実装する必要があった機能を簡単に利用することができます。例えば、データベースアクセス、セキュリティ機能、Webアプリケーション開発のための様々なフレームワークなど、多くの機能が提供されています。これらの機能を利用することで、開発者は自分で機能を実装する時間を節約し、開発の生産性を向上させることができます。

テストを容易に実施できる

Spring Frameworkは、DI(Dependency Injection)やAOP(Aspect Oriented Programming)など、テストを実施するためにも使用できる機能を提供しています。DIにより、依存関係の注入を簡単に行うことができ、これにより、テスト用のモックオブジェクトなどを注入することが容易になります。また、AOPを利用することで、例外処理やトランザクション管理など、共通の機能を一元的に管理することができます。これらの機能により、テストを容易に実施することができ、ユーザーエクスペリエンスに直結するアプリケーションの品質を確保しやすくなります。

拡張性の向上

Spring Frameworkは、機能をモジュール化して提供しています。そのため、プロジェクトに必要な機能だけを選択し、利用することが可能です。また、カスタム機能を簡単に追加することも可能です。このように、Spring Frameworkは柔軟性が高く、アプリケーションの拡張性を容易に向上させることができます。

容易なリファクタリング

Spring Frameworkは、DIやAOPなど、コンポーネントベースのアーキテクチャを採用しています。このアーキテクチャにより、アプリケーションのコンポーネントを分離し、疎結合な設計を実現することができます。これにより、コードの保守性が向上し、リファクタリングが容易になります。

セキュリティの向上

Spring Frameworkには、セキュリティ関連の機能も豊富に提供されています。例えば、認証や認可、暗号化などの機能があります。これらの機能を利用することで、アプリケーションのセキュリティを向上させることができます。また、Spring Securityというフレームワークを利用することで、セキュリティ関連の設定を簡単に行うことができます。

コミュニティの活発さ

Spring Frameworkは、オープンソースのフレームワークであり、世界中の開発者が利用しています。そのため、コミュニティが活発であり、豊富な情報やノウハウに容易にアクセスすることができます。また、バグの修正や新しい機能の開発なども、コミュニティの力を借りることができます。

 

以上のようなメリットがあるため、Spring Frameworkは多くの企業や開発者に利用されています。特に、Javaを用いたWebアプリケーションの開発において、Spring Frameworkは非常に有用なツールとなっています。

Spring Frameworkを利用することで、開発効率の向上や保守性の向上、拡張性の向上など、多くのメリットを享受することができるでしょう。

Spring Frameworkのデメリット

Spring Frameworkに限らず、各フレームワークにはそれぞれメリットとデメリットがあります。それでは、Spring Frameworkを導入する上で、どのような障壁があるのでしょうか。具体的なデメリットは、以下の通りです。

学習コスト

Spring Frameworkは、機能が豊富で複雑なフレームワークであるため、学習コストが高いというデメリットがあります。例えば、先ほど解説したSpring Frameworkの中心的な機能であるDIを理解するためには、Javaまたは一定のプログラム経験がある方でなければ、困難です。アプリケーションはさまざまな機能を組み合わせることで構築されるため、一定のスキルと知識が求められます。

特に、初めて利用する場合は、フレームワークの理解や設定方法の把握に時間がかかることがあります。

これらが、Spring Frameworkの学習コストが高いと言われる所以です。

メモリ使用量の増加

Spring Frameworkは、AOP(Aspect Oriented Programming)やDI(Dependency Injection)などの機能を実現するために、多くのオブジェクトを生成する必要があります。そのため、アプリケーションのメモリ使用量が増加する可能性があります。特に、大規模なアプリケーションを開発する場合は、メモリ使用量の増加に対する対策が必要です。

フレームワークの依存性

Spring Frameworkを導入することで、アプリケーションはフレームワークに依存することになります。そのため、フレームワークのアップデートや修正が必要になった場合は、アプリケーションの修正も必要となることがあります。

実行速度の低下

Spring Frameworkは、多くの機能を持っているため、実行速度が低下する可能性があります。特に、アプリケーションの処理が複雑である場合は、その影響が大きくなることがあります。

プログラミング言語として、初心者にも人気の高いJavaですが、以上のようなデメリットがあるため、Spring Frameworkを導入する場合は、自社の利用環境や人的リソース、アプリケーションの要件などを十分に考慮したうえで、利用することが望ましいとされています。

まとめ

Spring Frameworkは、Rod Johnsonによって2003年6月に初めてリリースされた、Javaプラットフォーム上で動作するオープンソースのアプリケーションフレームワークです。このフレームワークは、DIやAOPなど、大規模なアプリケーション開発をも可能にする豊富な機能を提供しています。しかし、機能が豊富かつ複雑であることにより、ある程度のJavaを用いたプロフラム経験が求められるのも事実です。そのため、社内にプロジェクト要件を満たすスキルを兼ね備えた人材が不在の場合は、専門家にアウトソーシングするか、エンジニアリングサービスを利用するという選択肢も検討してみる必要があるでしょう。

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