ラボ契約

ラボ契約とは|請負契約との違いや契約する際の注意点

日本において、オフショア開発は長年利用されてきた開発方法ですが、近年ラボ契約が注目を浴びています。従来のオフショア開発では、請負契約が主流でしたが、消費者のニーズの変化が速く、柔軟に開発を遂行していかなければならない今日では、ラボ契約が選択される機会が増えてきました。本記事では、ラボ契約の概要や請負契約との違い、それぞれのメリット・デメリット、契約する際の注意点などについて解説します。

1.ラボ契約とは?

まず、オフショア開発には、2つの代表的な契約方式があり、それらは「ラボ契約」および「請負契約」です。ここでは、それぞれの概要や相違点、メリット・デメリットについて見ていきましょう。

ラボ契約とは

概要

ラボ契約

ラボ契約とは、システム開発をする上で、オフショア企業から一定期間日本よりも安く開発要員や開発提供してもらう際に結ぶ契約のことです。英語では、「Lab Contract」といいます。社内リソースが不足している場合や広範なスキルセットを有しているIT人材を国内より安く安定的に確保したい場合に活用されることが多いです。また、ラボ契約によるオフショア開発は「ラボ型開発」や「ラボ型オフショア開発」などと呼ばれます。

請負契約

請負契約とは、ユーザー企業がベンダーに対して、定義した仕様や要件に沿って開発を委託する際に結ぶ契約のことです。開発するシステムやアプリケーションの仕様や要件が決まっている場合は、ヒアリングの内容を元に見積書を提案し、契約を結ぶステップへと進んでいきます。詳細がまだ定まっていない場合は、要件定義などの上流工程から明確にしたうえで開発体制の確認や見積書の提出というステップを経た後に、契約を結びます。

相違点/メリット・デメリット

それぞれの概要がわかったところで、ここからはラボ契約と請負契約の相違点およびメリット・デメリットを以下の表で比較します。
ラボ契約 請負契約
目的 契約期間内におけるITリソース提供および業務の遂行 契約期間内におけるプロジェクトの完成
契約形態 準委任契約 請負契約
向いているプロジェクト ・中長期で新しいシステムを安定した開発チームで開発したい場合 ・要件や仕様の変更が多く予想される場合 ・優秀なエンジニアを一定の期間確保したい場合 ・短期間で開発フェーズとテストフェーズを繰り返し行いたい場合 ・明確に要件定義がされている場合
開発モデル アジャイル開発の場合が多い ウォーターフォール開発の場合が多い
メリット ・開発体制の調整や仕様変更、追加修正を自社の裁量で柔軟に行うことが可能 ・高いスキルセットを持ったIT人材を安く安定して確保することができる ・IT人材の採用・育成をしなくても即戦力となる人材を確保することができる ・ノウハウの蓄積やスピード感を持った開発を行うことができる ・要件定義が明確であれば、受託企業が開発プロセスを担当してくれるため、自社リソースを開発以外の領域にアサインすることができる ・開発企業に納期や品質を担保する責任がある
デメリット ・プロジェクトのマネジメントを自社で行わなければならない ・プロジェクトが契約より早く完了した場合、追加の仕事がなければ、残りの契約期間においてコストが発生してしまう ・チームビルディングや文化理解に時間を要する場合がある ・開発企業が中心となって開発を進めるため、途中での仕様変更が困難であり、追加費用が発生する ・開発のノウハウが蓄積されない

ニアショア開発におけるラボ契約との違いは?

オフショア開発によく似た言葉で「ニアショア開発」という言葉があります。システム開発における両者の違いは、オフショア開発が「海外」の企業と契約するのに対して、ニアショア開発は都市部の企業が「国内」の地方にある企業と契約する点です。両者の共通点は、「システム開発における人件費削減」および「安定した開発人材の確保」です。それぞれの開発手法を選択する際のメリット・デメリットは下記の通りです。

ラボ型オフショア開発

メリット

・ニアショア開発と比べ、人件費削減幅が大きい

→ニアショア開発が人件費を15~30%削減できるのに対し、オフショア開発は20‐50%以上削減することができます。

デメリット

・コミュニケーションの問題

→契約するオフショア企業によっては、日本との言語や文化、価値観の違いからコミュニケーション不足が発生し、想定していた成果物や精度が得られないという事態に陥る可能性があります。

※しかし、近年ではベトナムのように、高い開発スキルセットと日本語能力(N1またはN2)を兼ね備えた人材が多く輩出されている国もあるため、上述したデメリットは改善しつつあります。

ラボ型ニアショア開発

メリット

・地理的に近く、言語や文化、価値観の違いによるコミュニケーション不足が発生しづらい

→ニアショア開発企業は、国内企業であるため、ラボ契約においては「日本人」を一定期間提供してもらい、開発を進めていくことになります。そのため、言語や文化、価値観の違いによるコミュニケーション不足はあまり発生しません。

デメリット

・オフショア企業と比べ、コストメリットを存分に享受することが難しい

上述したように、ベトナム等のオフショア企業とラボ契約をした場合、日本と同じスキルを持った人材を最大50%以上安く確保することが可能です。その点、ニアショア開発企業は国内企業であるため、海外ほどのコストメリットを享受することはできません。

2.ラボ契約を成功させるためのポイント

上記では、ラボ契約の概要について説明してきました。では、オフショア企業とラボ契約をを成功させるためには、どのようなことに注意しなければならないのでしょうか。ここでは、ラボ契約を成功させるための注意点やポイントを解説します。

①コミュニケーションは円滑に進むのか

システム・アプリ開発を成功させるうえでコミュニケーションは最も重要な要素の1つです。綿密なコミュニケーションを取ることができるということは、イメージしていた完成物により近づくということを意味します。開発パートナーを選ぶうえで、その企業が提供する人材が「日本語」による円滑なコミュニケーションが可能であるかという点が、プロジェクトの成功決定要因となります。そのため、契約の検討段階で実際に開発メンバーと面談するなどを通して、確認してみることをおすすめします。

②契約書を作成する

日系企業・外資系企業問わず、何かの契約をする際には「契約書」を作成することが重要です。開発途中で契約を締結した際の条件や内容と異なる等のトラブルが発生する場合があります。特に、言語や文化、価値観が異なる外国企業と仕事をする際に、不完全なコミュニケーションによる誤解などを避けるためにも明確な契約書は有効です。

③契約期間におけるITリソースの最大限の活用

「メリット・デメリット」の部分で言及したように、プロジェクトが想定していたよりも早く完了した場合にもコストは発生してしまいます。そのような場合に備えて、余ったリソースをどのプロジェクトに配置するかをあらかじめ想定しておくことで、最大限に活用ができます。

④日本における豊富な開発実績があるパートナーを選ぶ

システム・アプリ開発を共同で開発していくうえでコミュニケーションが重要であることを上述しましたが、当然それだけではプロジェクトは成功しません。言語能力のみならず、日本企業におけるプロジェクトの進め方、日本人の価値観や文化などを踏まえた開発実績があると理想的だといえます。また、自社のプロジェクトに必要なスキルセットを持っている人材を抱えているのかを確認する必要があります。

まとめ

本記事では、ラボ契約の概要や請負契約との違い、メリット・デメリット、成功させるためのポイントについて紹介しました。日々消費者のニーズが多様化し、目まぐるしく変化する日本において、変化に合わせて中長期的に柔軟に開発するための開発環境が求められています。CMC Japanはベトナム2位のIT企業であるCMC Corporationの子会社であり、日本企業に向けて高品質かつリーズナブルなITリソースを提供してきました。本記事を通して、少しでもラボ契約やオフショア開発に興味を持ってくださった企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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