本コラムでは、コンテンツマネジメントシステム(CMS)の概要と特徴、選定方法などをご紹介いたします。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)とは?オンラインにおいてどのようにビジネスのアピールを支援してくれるのか?

目次

はじめに

今や、すべてのビジネスにおいてWebサイトが必要です。

Webサイトを持つことで、世界中の誰もが簡単にビジネスの詳細を見つけ、読むことができるようになります。

Webサイトを収益チャネルとして発展させるためには、コンテンツを頻繁に更新して価値ある知識を提供し、潜在的な顧客を惹きつける必要があります。

そして、コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、Webサイトをより早く構築できるだけでなく、ユーザーがWebサイト上のコンテンツを簡単に作成、管理、修正することを可能にしてくれます。

本コラムでは、コンテンツマネジメントシステム(CMS)の概要と特徴、選定方法などをご紹介いたします。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)とは?

インバウンドマーケティング関連などのソフトウェアを提供する米HubSpot(ハブスポット)社によると、コンテンツマネジメントシステム(CMS)とは、コードの知識がなくても、Webサイトの作成や管理ができるソフトウェアです。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、ユーザーフレンドリーなインターフェースを使って、コンテンツの作成、管理、修正、公開を行うことができるシステムで、Webページの記事や写真の保存などを、システムの設計なしに行えるツールです。コンテンツマネジメントシステム(CMS)がすべてを代行してくれるので、Webサイトの戦略やコンテンツの作成に、より集中することができます。テンプレートやプラグインをダウンロードまたは購入するだけで、Webサイトの外観や機能を変更することも可能です。また、複数のユーザーが、同時にバックエンドで作業することもできます。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の特徴は?

コンテンツマネジメントシステム(CMS)には主に7つの機能があります。

コンテンツ制作・編集

これは、コンテンツマネジメントシステム(CMS)の必須の機能で、コンテンツの作成、編集、公開が簡単にできるようになっています。

簡単に利用できれば、それだけコンテンツ戦略に集中できる時間が増えます。

明確なワークフローとコンテンツのカテゴライズ

コンテンツ制作では、チームで協力して作業することが多いので、コンテンツマネジメントシステム(CMS)がコンテンツの作成、編集、承認から公開、プロモーション、レポートの最初から最後まで、コンテンツの仕様を追跡できるようにする必要があります。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)でワークフローを柔軟に定義・管理することで、全員が効果的にコラボレーションし、期限を守ることが容易になります。

また、レポートツールやダッシュボードなどの機能により、承認待ちのコンテンツやトピック別のコンテンツなど、さまざまなタイプのコンテンツを把握することができます。

ユーザーと役割に基づく管理

コンテンツや機能にアクセスできる権限を管理することで、ミスを防げます。

個人だけでなく、グループ単位でアクセスを管理することができます。

ユーザー管理をカスタマイズでき、ニーズの変化に合わせて拡張できるコンテンツマネジメントシステム(CMS)を選ぶことをおすすめします。

セキュリティ

Webサイトにおいて自社および顧客のデータを保護することで、提供する製品やサービスの信頼性を損なわずに済みます。

多くのコンテンツマネジメントシステム(CMS)は、強力な認証技術でセキュリティを向上させ、重要なデータへの望ましくないアクセスを防いでいます。

すでにコンテンツマネジメントシステム(CMS)を導入済みの場合は、セキュリティプロバイダーやサードパーティの認証ソリューション連携可能かどうかを確認しましょう。

内蔵型SEO

優れたコンテンツマネジメントシステム(CMS)には、ユーザーと検索エンジンの両方に最適化するためのSEO機能が組み込まれています。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、ディスクリプションやページタイトル、GoogleやBingなどの検索エンジン用のURLの作成もサポートします。

写真に素早くaltタグを追加したり、アクセシビリティの要件を遵守したり、コンテンツの重複を避けることもできるコンテンツマネジメントシステム(CMS)を選びましょう。

また、構造化データをサポートするコンテンツマネジメントシステム(CMS)を選べば、検索結果の見栄えも向上させられます。

分析

チャネル間の相互作用をトラッキング(追跡)することは、コンテンツ戦略を実行する上で重要です。CMSは、Google Analytics(グーグル・アナリティクス)などの一般的な分析ツールと統合しており、ダッシュボードから直接KPIをモニターできるようになっています。

コンテンツ戦略をさらに改善するために、Webサイトの管理者は、重要なオーディエンスがどこに拠点を置いているのか、どのようなテクノロジーを使っているのか、どのプラットフォームでどのように情報と接しているのか、どのコンテンツが最も人気があるのか、といったことも理解しておく必要があります。

これらの情報は、コンテンツマネジメントシステム(CMS)の分析機能から得ることができます。

ソーシャルメディアの統合

コンテンツマネジメントシステム(CMS)では、ユーザーにコンテンツを共有してもらうための、人気サイトのソーシャルメディア共有ボタンを、どのページやコンテンツにも簡単に追加できるようになっています。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の構成要素とは?

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、技術的なレベルでは、主に2つの要素で構成されています。

コンテンツマネジメントアプリケーション(Content Management Application - CMA)

マーケターやマーチャンダイザー(マーケティングから仕入れ、販売までの権限を持つ商品担当者)などのコンテンツ制作者は、コンテンツマネジメントアプリケーション(CMA)を使うことで、IT部門を介さずにコンテンツを直接扱うことができます。

コンテンツ配信アプリケーション(Content Delivery Appication - CDA)

コンテンツ配信アプリケーション(CDA)は、Webサイトのバックエンドとして、テンプレートに入力されたコンテンツを世界中の訪問者がアクセスできる機能的なWebサイトに変換する役割を果たします。

これらのアプリケーションを組み合わせることで、バックエンドのすべてのコード、データベースクエリ、およびインフラを処理することができ、Webページの更新作業者はサイトのフロントエンドに集中することができます。

どうしてコンテンツマネジメントシステム(CMS)を使う必要があるのか?

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、すべての企業にとってWebサイトの作成と管理のプロセスを容易にしました。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)のおかげで、多くの企業が、より迅速かつ効率的にオンラインでの存在感を高められるようになったのです。

コーディングの知識がいらない

コンテンツマネジメントシステム(CMS)を活用すれば、開発者ではない人でもコーディングなしでWebサイトを作成できます。コーディングをしなくても、コンテンツの作成や管理、Webサイトのスタイル調整、機能を追加する拡張設定などが可能です。これが、Web制作に革命をもたらしました。

技術的なスキルや時間のない人でも、自社のための洗練されたWebサイトを作ることができます。

チームで作業が行える

コンテンツマネジメントシステム(CMS)のバックエンドでは、複数の人が同時にアクセスして作業することができます。

たとえば、マーケティング担当者はコンテンツを作成し、IT担当者はセキュリティルールを設定し、開発者はテーマにカスタムコードを追加するといったことが同時にできます。

デザインテンプレートを利用できる

ほとんどのコンテンツマネジメントシステム(CMS)には、デザインテンプレートが用意されており、それらを利用することでWebサイトの見た目を簡単に変更することができます。

テンプレートはサイトの機能にも影響を与えます。たとえば、レスポンシブ・テンプレートを使えば、どんなデバイスでもきれいに表示されます。テンプレートによって、公開前のデザインにかかる時間を短縮できるだけでなく、Webサイトのオーバーホールをより迅速かつ簡単に行うことができるようになります。

ブログの運営が簡単に行える

ほとんどのコンテンツマネジメントシステム(CMS)にはブログ機能(またはプラグイン)が用意されているので、簡単にブログコンテンツを公開できます。

コンテンツのスケジューリングは、コンテンツマネジメントシステム(CMS)のボタンをクリックするだけで簡単に行えます。

コンテンツをアップデートしやすい

ビジネスの変化に伴い、Webサイトのコンテンツも変更していく必要があります。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)を使えば、Web制作会社の手を借りずに自社で変更できるので、より効率的でスピーディな対応が可能になります。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、成長が速いビジネスとともにWebサイトを常に更新し、リフレッシュしてくれます。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の種類とは?

時間の経過とともに、多くの種類のコンテンツマネジメントシステム(CMS)が登場しました。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)には、従来型、デカップリング型、ヘッドレス型の3つの種類があります。

どのアーキテクチャを選択するかは、どれだけ複雑なWebサイトを作るかによって決まります。

従来型

レイアウトおよび一般的な機能という点では、従来型のCMS(「結合型CMS」とよばれることもある)が最も基本的です。

ユーザーが、見たまま編集、またはHTMLエディターを使って、従来型のCMSでコンテンツを制作・編集すると、レイアウトに使われたCSSに従ってコンテンツが表示されます。

比較的シンプルなWebサイトを作るのであれば、従来型のCMSが良いでしょう。

デカップリング(分離)型

デカップリング型のメリットは、フロントエンドとバックエンドの操作を分離したアーキテクチャです。コンテンツの制作者は、バックエンドのコンテンツ管理にデータを入力するだけで、フロントエンドのシステムが制御するレイアウトを気にせずに済みます。

ヘッドレス型

コンテンツを表示する専用のフロントエンドを持たないため、「ヘッドレス」とよばれているアーキテクチャです。

コンテンツは単一のフロントエンドにリンクされるわけではないため、APIを介して多数のチャネルへ提供することが可能です。

ヘッドレスCMSのAPIは、フロントエンドのどのコンポーネントでもバックエンドからのデータ抽出に使用できるため、情報提示の柔軟性が格段に向上します。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)を選定する手順

コンテンツマネジメントシステム(CMS)を選定する際は、以下の6ステップで実施しましょう。

どのような目標を達成したいのかを決める

これは、プロジェクトを開始する際に、最初に自社に問いかけるべき重要な質問です。

現在の状況となりたい姿をしっかりと見極めることで、ビジョンを実現するために必要なコンテンツ、データ、ツール、連携性などのマッピングを始めることができます。

コンテンツ制作チームと協力して、どのツールを使えば日々の仕事が楽になるか、より詳細な情報やインサイトを提供してもらうこともできます。

CMSの機能を理解する

コンテンツマネジメントシステム(CMS)を導入する目的が決まれば、その目的を達成するためのコンテンツマネジメントシステム(CMS)を探し始めることになります。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の機能によっては、Webサイト関連のプロジェクトを前進させたり、日々の運用を迅速に行うことができます。そのためには、コンテンツマネジメントシステム(CMS)に関する基本的な知識を身につけておく必要があります。

強みは、コンテンツ制作のプロセスやビジネスの内部事情をすでに知っていることです。

あとはCMSを使って、社内のプロセスを目的のビジネスゴールに橋渡しするだけです。

コストを検討する

どんなプロジェクトにおいても、コストは重要な検討事項です。

特に、大規模なコンテンツマネジメントシステム(CMS)を導入する場合は、多額の費用がかかります。プロジェクトの全費用を把握しておけば、不意の出費を防ぐことができます。

投資収益率の算出

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の導入は投資であるため、利益を出す必要があります。

そのため、最初に考えるべきことは、投資収益率を計算して、このプロジェクトにどれだけの資金が正当かを判断することです。

既存のツールやシステムと連携できるかどうかを確認

もし自社が現在CRM、ERP、またはWeb解析ツールを導入している場合、それと連携するコンテンツマネジメントシステム(CMS)を探したいと思うでしょう。

社内に開発者がいる場合は、優れたAPIとドキュメントが必要になるかもしれません。

自社の規模に合った製品を検討する

Webサイトや企業の規模によって、必要な機能は異なります。

たとえば、大企業の場合、コンテンツマネジメントツールに対する要求はより複雑で、企業向けコンテンツマネジメントシステムでしか利用できない機能を必要とする場合もあります。

一方、小規模な企業では、ソフトウェアプログラムを扱うチームの規模が小さいことが多いため、使いやすく、メンテナンスが簡単なユーザーインターフェースを選択することに集中する必要があります。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の製品例

コンテンツマネジメントシステム(CMS)の導入を検討する際に候補として挙げられるのが、以下の8つの製品などです。

CMS Hub(R)(シーエムエスハブ)

対象:あらゆる規模の企業

CMS Hub(R)では、HubSpot CRM(ハブスポットシーアールエム)のデータに基づいて訪問者にパーソナライズされたコンテンツを作成したり、カスタムテンプレートやスタイルを開発したりすることができます。

また、多言語コンテンツのA/Bテストを実行したり、Webページを安全にリデザインしてリローンチしたり、パフォーマンス統計を監視したりすることが可能な、オールインワンの統合プラットフォームです。

CMS Hub(R)はユニークなCMSで、使いやすさと柔軟性を兼ね備えているため、時間をかけて成長していきたいと考えているマーケター、開発者、IT専門家などさまざまなチームを抱える企業に最適です。

WordPress(ワードプレス)

対象:中小企業やフリーランスの方

WordPressは、ダイナミックなWebサイトやブログを作成できる、無料かつオープンソースのコンテンツマネジメントシステム(CMS)です。

WordPressは、インターネット上で最も人気のあるブログプラットフォームであり、バックエンドのCMSと要素により、Webサイトの更新、カスタマイズ、管理を行うことができます。

プラグインやテーマを使って、フォームやライブチャット、サイト内検索を追加するなど、ブランドに特化したカスタマイズ体験を構築することができます。

Drupal(ドゥルーパル)

対象:企業や官公庁

Drupalは、巨大企業やNASAなどの政府機関でも使用されている、非常に汎用性の高いコンテンツマネジメントシステム(CMS)です。このプラットフォームの可能性を正しく活用するには、Webプログラミングのスキルが必要ですが、ゼロから始める必要もありません。

膨大な量のデータや大量のトラフィックを扱う複雑なサイトを開発するために、すぐに使える機能に加えて、ディレクトリにある4万7,000のモジュールや、テーマライブラリにある数千の無料テーマから選ぶことができます。

Joomla!(ジュームラ!)

対象:グローバル企業

Joomla!は、Webサイトや複雑なオンラインアプリケーションの作成に使用できるコンテンツマネジメントシステム(CMS)です。その優れたコア機能、使いやすさ、拡張性の結果、人気が高まっています。

また、Joomla!に搭載されている多言語サポートや高度なユーザー管理ツール、コンテンツ管理ツールは、競合他社とは一線を画しています。

会員制サイトやコミュニティサイト、ソーシャルネットワーキングサイトに最適です。

Magento(マジェント)

対象:Eコマース事業者

Magentoのセルフホスティング版であるMagento OpenSourceは、Eコマース分野のDrupal(ドゥルーパル)であるといえるでしょう。

柔軟性と安全性に優れていますが、内蔵されている機能や拡張機能をすべて理解して使いこなすのは困難です。

Webflow(ウェブフロー)

対象:Webデザイナーや代理店

Webflowは、ホスティングやセキュリティ、パフォーマンスを気にすることなく、Webサイトの開発や修正に専念したいと考えるWebデザイナーのために、市場の隙間を埋めることを目的としたビジュアルコンテンツマネジメントシステムです。

Webflow Designerを使用してゼロから作り始めることも、数百種類のプリセットされたテンプレートを利用することもできます。

Sitecore(サイトコア)

対象:エンタープライズ企業

Sitecoreは企業向けのヘッドレスCMSで、Webサイト、メール、SNSの投稿、モバイル体験などをパーソナライズすることができます。

Sitecoreのヘッドレスアーキテクチャにより、オンライン、ソーシャル、音声、POSなど、さまざまなチャネルで適切な顧客体験を提供することができます。

Blue Monkey(ブルーモンキー)

対象:中小企業から大企業

Blue Monkeyは、日本発のコンテンツマネジメントシステム(CMS)で、上場企業のCMS導入数ランキングにおいて国産CMSで3位にランクインしています。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)に不慣れな人でも扱いやすい直感的な操作で更新作業が行え、Webサイト担当者の負担を軽減してくれます。

まとめ

コンテンツ制作は長いプロセスであり、うまく管理できなければチームが燃え尽きてしまう可能性があります。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)は、コンテンツの計画、作成、レビュー、保存、公開のすべてのステップを容易にします。顧客獲得のための戦略において、コンテンツが重要な役割を果たしているのであれば、CMSの利用をおすすめします。

コンテンツマネジメントシステム(CMS)のようなテクノロジーは、日々の業務をより効率的にするために作られています。経験豊富なチームリーダーは、いつ、どのようにそれらを使うべきかを知っています。

CMSに関して疑問をお持ちの場合は、CMC Japanまで、お気軽にお問い合わせください。

CMC Japanについて

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