物流業界の未来の動向に適応し、頑強な物流システムを築くための要点は何か?

物流業界の未来の動向に適応し、頑強な物流システムを築くための要点は何か?

環境に関する厳格な規制、労働力の不足、そしてテクノロジーの急速な発展など、世界的な大きな動きが背景にある中で、物流業界は6つの重要なトレンドに直面しています。 

これらのトレンドに適応するため、企業は積極的に投資し、従来の枠組みを超えた最適化や共有化の取り組みを推進する必要があります。 

目次

Connected~接続

「Connected」という最初のトレンドは、ブロックチェーンやWeb APIのような最新技術によって支えられています。これらの技術の進展により、サプライチェーン上でこれまで分断されていた商品の動きや状態の情報が集めやすくなってきました。これらの多様なデータを結びつけ、新たな価値を生み出す時代に移行しつつあると言えます 

実際に、北米では一部の大手スーパーマーケットチェーンがブロックチェーン技術を導入し、70社以上の運送会社との契約情報や出荷・納品情報を一つのプラットフォームに集約しています。これは、Connectedトレンドが物流業界にもたらす具体的な変化の一例です。 

Autonomous~自律

Autonomous~自律

物流作業の高度化と自動化は、「Autonomous」というトレンドの一環として、物流センター内での自動走行などの形で徐々に進展してきました。しかし、最近ではこの動きがさらに進化しています。具体的には、自動走行機能とピッキングシステムを備えた多機能ロボットの開発が進み、これらの機能を一つのロボットに統合する動きが見られます。 

さらに、これらの高度な自動化技術と人間の作業を組み合わせることで、より効率的かつ柔軟なオペレーションが可能になりつつあります。このように、自動化技術の進展は物流センターの運営方法を根本から変え、効率化と生産性向上に大きく貢献しています。 

Sharing~共有

日本では特に経済のシュリンクを前提に、「限られた物量を限られたアセットで効率良く物流オペレーションを回していかなければならない点が、この先10年の課題になってくると捉えています」という意見が多いです。 

すでに、食品業界のF-LINEや医薬品業界の日本通運のように、個々の企業ではなく業界全体で共通の物流プラットフォームを構築する動きが進んでいます。この流れは、飲料、アパレル、鉄鋼、化学、建設業界など、他の多くの分野にも広がっていくと予想されます。 

また、Sharingを支えるシステムとして、機能ごとに特化したプラットフォームの構築が進んでいます。これを提供する「デジタルフォワーダー」と呼ばれる新しい事業者も登場しています。さらに、各企業が独自に開発してきた物流プラットフォームを一つの基盤に統合し、個別の要件を加えていくことが可能なマイクロサービス技術も、この分野で重要な役割を担っています。これらの動きは、物流業界における共有と効率化の推進に不可欠な要素となっています。 

Sustainability~持続可能性

物流業界におけるサステナビリティのトレンドは、特にCO2排出量の削減とその可視化に焦点を当てています。この分野の取り組みは従来は企業イメージ向上のために行われてきましたが、今後は環境問題を経済的な機会に変える可能性があります 

また、このトレンドは個々の企業だけでなく、荷主企業のサプライチェーン全体にも及びます。CO2排出量を全体的に可視化し、その削減に向けた取り組みが、より一層求められるようになるでしょう。これは、サステナビリティを単なる環境問題としてではなく、ビジネスの持続可能性を高める機会として捉える動きを反映しています。 

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Optimization~最適化

Optimization~最適化

第五のトレンドは、物流ネットワークのさらなる複雑化に関するものです。これまでのサプライチェーンネットワークは、単純な1対1の移動から発展し、現在は「ハブ&スポーク型」と呼ばれる形態が主流です。この形態では、生産地から物流センターに集め、幹線輸送を経て消費地に近い地点まで運び、最終的にラストワンマイル配送を行います。 

しかし、2024年問題の影響と、テクノロジーの進展により、物流業界は更なる変革の時を迎えています。テクノロジーの進歩によって商品の状態をリアルタイムで把握できるようになることで、物流ネットワークは「リレー&ネットワーク型」という新しい形態へと移行していくと考えられています。この新型ネットワークでは、複数の中継地点を経由しながらの配送が行われることになり、物流の柔軟性と効率性が一層高まると予想されています。 

New Players~新規プレイヤー

物流業界における最後のトレンドは、新規事業参入です。多くの方が実感しているように、モビリティメーカーやロボットメーカー、総合商社といった異業種からのプレーヤーが物流業界へ参入しています。これらの新参入者は、既存のインフラやオペレーションを単に踏襲するのではなく、データを活用して物流業界の現状を理解し、新しいアプローチを提案しています。 

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