SaaSの開発はオフショアに頼むべき?開発プロジェクト要点まとめ!
目次
はじめに
ソフトウェアの料金体系が、「買い切り型」から、利用した期間に併せて定額制で料金を支払う「サブスクリプションモデル」へとシフトし、SaaSはユーザーにとって当たり前の存在になりました。
SIer側でも、SaaSを前提、もしくは視野に入れた開発プロジェクトが増えてきています。
SaaSの場合、ローンチがゴールではなく、機能追加や改善を加えながら安定的に運用していくことが求められるため、開発体制を維持していく必要があります。ここにかかってくるコストについても、改善していかなくてはならないでしょう。
そこで検討したいのが、オフショアを活用したSaaS開発です。
本ブログでは、SaaS開発の概要と、SaaS開発をオフショアで行うメリットをご紹介します。
関連記事
SaaSとは
SaaSとは、Software as a Serviceの頭文字を取ったもので、「サース」または「サーズ」と読みます。クラウド上のソフトウェアを必要な分だけサービスとして利用できる提供形態を指します。
インターネットがつながればどこからでもアクセスして利用できて利便性が高いことや、導入に当たり初期費用がかからず、使用している期間だけランニングコストが発生することからコストメリットが高い点、自動アップデートにより常に最新バージョンを利用できる点など、ユーザーにとってのメリットが多く、急速に世の中に浸透しました。
SaaSは、ベンダー側にもメリットがあります。ユーザーに支持されているため、ユーザー獲得のハードルが低いことや、一度、慣れ親しまれれば継続的に利用してもらえる点などが該当します。
SaaS開発をオフショアにするメリット
ただ、SaaSにもデメリットがあります。
ベンダー側にとっては、開発やサービスの構築に初期投資がかかり、それを回収するまでに時間がかかる点や、ソフトウェアをアップデートしつづける必要があったり、カスタマーサクセスに注力したりする必要があり、やはりコストが発生する点です。
そこで提案したいのが、SaaS開発をオフショアで行うことです。
オフショア開発とは、システムやアプリなどの開発業務を海外の開発会社や海外子会社に委託することをいいます。
システムやソフトウェア開発に加え、開発後の運用のなかで必要となる保守や開発までもカバーできます。また、近年では、開発業務のほかにデータ入力やコールセンター業務なども委託できる土壌ができています。
オフショア開発は、日本が抱えるIT人材不足の課題を解消できるとして、再び近年、注目を集めています。特に、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、オフショア開発のハードルは下がりました。
オフショア開発の一番のメリットは、何といってもコスト削減に効果が高い点です。
オフショア開発の委託先は、ベトナムやインドネシアなど東南アジアが多く、たとえば、CMC Japanが手がけるベトナム拠点の場合、物価は日本の3分の1程度※で、物価の差によるコストメリットを享受できます。
※都市によっても差があります。
また、ダイバーシティの一環として、社員との人事交流や現地トレーニングなどを行える点もメリットです。
SaaSオフショア開発のプロジェクト体制
SaaSオフショア開発体制(契約形態)には、主に「発注型」「ラボ型」「混合型」「常駐型」の4つがあり、これらを組み合わせることで、それぞれのSaaS開発にもっともメリットが出る戦略を練っていきます。
発注型
発注型は、受託型ともよばれ、請負契約のことです。依頼された期間に成果物を完成させることが契約義務となります。
そのため、極端な話では、自社に開発人材が一人もいないケースでもプロダクトを開発することが可能です。また、契約内に期間と成果物、金額が含まれるため、完成までのスケジュールやトータルコストを管理しやすいのがメリットです。
一方、開発前に要件を詳細に決めてから開発がスタートするため、着手までに時間がかかる点と途中の仕様変更に対応しづらい点はデメリットです。
発注型でSaaSオフショア開発を行う場合は、試作品開発などの小規模な開発が向いています。
ラボ型
一方、ラボ型とは、準委任契約のことです。契約期間中に技術力は提供されますが、契約期間内に成果物を完成させることまでは条件に含まれません。
契約期間中は、専属チームを組んで自由に開発が行われます。顧客やユーザーの反応がフィードバックされるアジャイル開発や、定期的な保守運用などに向いています。
ラボ型のメリットは、必要な期間の労働力を確保できることと、プロダクトの仕様変更にも柔軟に対応できることです。チームメンバーの交代も必要なスキルに合わせて行えます。
逆に、リリース日や納期が厳格に決まったプロダクトには向いていません。
混合型
混合型とは、上記のラボ型に、クライアント自身のプロジェクトマネージャー(PM)やエンジニア、デザイナーを加えてチームを組む体制です。徐々に社内メンバーの開発比重を増やしていき、最終的には完全に社内に移管します。
メリットは、社内の人材を育てながらプロダクトをリリースできる点で、プロダクトをシリーズ化する場合などに、初期のプロダクトはオフショアに任せ、後継の開発は内製化できる点です。
デメリットは、オフショア先と自社メンバーでのコミュニケーションが重要なため、手間がかかる点です。
常駐型
常駐型とは、ラボ型のチームがクライアントの社内に常駐する体制です。契約としては、準委任契約に当たります。
PMを筆頭に、開発チームが丸ごと自社で業務を行うため、メンバーを直接管理できることから、開発規模が大きくなっても管理しやすい点がメリットです。
一方、開発チームが日本国内のオフィスで勤務することになるため、日本の物価に即した費用が発生し、オフショアのコストメリットを享受できない点がデメリットです。
SaaSオフショア開発のスケジュール例
一般的なSaaSオフショア開発の流れは、オフショア開発サービスの提供会社へ問い合わせた後、希望・要望などのヒアリングがあり、設計やコスト、期間などの提案を受け、契約を締結し、開発前のミーティングを経てサービス開始となります。
お問い合わせ
まずは、オフショア開発サービスの提供社にお問い合わせください。
この時、ご希望やご相談内容についても簡単に伝えていただくと、その後の流れがスムーズです。
ヒアリング
日程調整の上、ヒアリングの場が設けられますので、SaaS開発において抱える課題やプロダクトの希望、アイデアなどを伝えてください。
ご提案
サービスの提供社側で開発メンバーの人選などが進められ、開発の設計、コスト、期間などについての提案が行われます。
提案内容に賛同した場合は契約締結を行います。
開発前ミーティング/キックオフミーティング
実際の開発がスタートする前に、開発メンバーとの顔合わせが行われます。
この後、必要なツールなども準備します。
開発スタート
晴れて開発プロジェクトがスタートします。
【お役立ち資料】ベトナムオフショア開発入門書
Previous
Next
資料ダウンロード
まとめ
オフショア開発のメリットを中心に、SaaS開発をオフショアで行う方法についてご紹介しました。
オフショア先には、東南アジアを中心にさまざまな国がありますが、なかでもベトナムは、優秀かつ親日な人材を低コストで活用できるメリットから人気があります。ベトナム政府もSTEM教育に力を入れていますし、ベトナムでもITエンジニアは人気の職種で、大学で情報技術を専門に学んだ若いエンジニアが多数揃っています。
SaaSのオフショア開発をご検討されている企業様は、ベトナムでのオフショアも視野に、比較検討してみてください。
オフショア開発に関することでご不明やご質問があれば、こちらからご連絡ください。
(オフショア開発に役立つ資料は無料公開しています!)
【事例で解説】「コスト削減&開発スピードを実現」オフショア切り出しのポイントとは?
【動画】【2022年版】2分でわかる!オフショア開発とは?
本動画では、日本のIT開発プロジェクトと深く関係がある「オフショア開発」の概要とメリットについて、サクッとで解説しています。